ゆっくりおやすみ、樹の下で の商品レビュー
11歳の女の子が、夏休みに母親の実家である鎌倉の洋館で、不思議な体験をする物語。過去と現在を行ったり来たりしながら、自分の先祖の生きた世界を知って行く。夏休み、帰省、冒険など、この時期の子どもたちにとって(かつて子どもだった人たちにも)、ワクワクが"てんこ盛り"...
11歳の女の子が、夏休みに母親の実家である鎌倉の洋館で、不思議な体験をする物語。過去と現在を行ったり来たりしながら、自分の先祖の生きた世界を知って行く。夏休み、帰省、冒険など、この時期の子どもたちにとって(かつて子どもだった人たちにも)、ワクワクが"てんこ盛り" の作品だと思った。
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高橋源一郎さんの初めての児童書。女の子のひと夏の物語。夏休み、おばあちゃん、洋館、ぬいぐるみ、肖像画、戦争…。お話は眩しく楽しく切なく悲しく、とてもおもしろいが考えさせられる内容だった。源一郎さんがナビゲートしながら進んでいくもんで、よくラジオを聴いている私としては源一郎さんにす...
高橋源一郎さんの初めての児童書。女の子のひと夏の物語。夏休み、おばあちゃん、洋館、ぬいぐるみ、肖像画、戦争…。お話は眩しく楽しく切なく悲しく、とてもおもしろいが考えさせられる内容だった。源一郎さんがナビゲートしながら進んでいくもんで、よくラジオを聴いている私としては源一郎さんにすぐそばで語りかけられているようだった。子どもこのナビの部分はどう感じるのかな。絵もぴったりでよかった。
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児童書です。 百日紅の生命力が、良い意味でおそろしいく感じられてしまいました。 戦争の話しです。
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本屋で表紙が可愛くて図書館に予約して借りた本。著者がはじめてかいた児童文学だそう。ミレイちゃんの夏休みの不思議な冒険。今までとは違う夏休みの冒険だったかな??
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「あたしたちが生きている世界そのものが、一冊のとびきり大きい本で、しかも、どの頁をめくってもかまわないんだ」(本文より) 一人の女の子の夏休みの物語で、大好きな『西の魔女が死んだ』に少し雰囲気が似ていてとても良かった。今日マチ子の絵も作品とピッタリ合ってた。将来子供が生まれたと...
「あたしたちが生きている世界そのものが、一冊のとびきり大きい本で、しかも、どの頁をめくってもかまわないんだ」(本文より) 一人の女の子の夏休みの物語で、大好きな『西の魔女が死んだ』に少し雰囲気が似ていてとても良かった。今日マチ子の絵も作品とピッタリ合ってた。将来子供が生まれたとき、特に女の子に読み聞かせてあげたい一冊。
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いい言葉を使う。楽しい言葉を使う。 厳しいこと、辛いことがあっても、 明るい言葉を選びたい。 でももっと必要なのは時間か。 もっと時間をつくらないとな。
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一昨年(2017年)7月から9月にかけてちょうど三ヶ月、90回の連載として朝日小学生新聞に掲載された。その夏休み中のNHKラジオ第一「すっぴん」(著者の高橋源一郎がパーソナリティーをつとめるある月曜日の放送)で、毎日はなしの続きをとても楽しみにしている、という小学校四年生の女の...
一昨年(2017年)7月から9月にかけてちょうど三ヶ月、90回の連載として朝日小学生新聞に掲載された。その夏休み中のNHKラジオ第一「すっぴん」(著者の高橋源一郎がパーソナリティーをつとめるある月曜日の放送)で、毎日はなしの続きをとても楽しみにしている、という小学校四年生の女の子の投稿が読まれたのを聴いた。去年6月に単行本が出て、ぼくはその夏にゆっくりと読んだ。読んでいる間はずっと、連載の載っている朝日小学生新聞が配達されるのを心待ちにしていただろう小4女子の気持ちを考えていた。 先行作品として、『トムは真夜中の庭で』(フィリパ・ピアス)があります。この『トムは真夜中の庭で』は大江が、小説を「再読」することの意味を語るときに幾度か引き合いに出しています。『「話して考える」と「書いて考える」』(集英社文庫)の章「子供の本を大人が読む、大人の本を子供と一緒に読む」から引用してみます。 「しかし多くの本を読みかさね、人生を生きてきもして、ある一冊の本が持ついろんな要素、多様な側面の、相互の関係、それらが互いに力をおよぼしあって造る世界の眺めがよくわかってから、あらためてもう一度その本を読む、つまりリリーディングすることは、はじめてその本を読んだ時とは別の経験なのだ、と(ノースロップ・)フライはいうんです。(中略)そのような読書は、自分の人生の探求に実り多いものとなります。とくにそうした探求が切実に必要な人生の時になって、本当に役に立つ読書の指針・仕方です。つまり「もう時間がない……」としみじみ感じ取る大人にとっては、そうした読書が必要なんです。」 ここの「もう時間がない……」というのは、『トム〜』の中にある「time no longer」という句の日本語訳です。大江はこの句にこだわります。「大時計の箱の中に『ヨハネの黙示録』の、この世の時の終りを告げる天使の絵と、かれの発する言葉の文字とを見出す……。(中略)そして自分はその言葉を英語で覚えて、それを自分の小説にそのまま引用したことさえあった」(〜『読む人間』ー「故郷から切り離されて」(集英社文庫)より)と。じゃあ『ゆっくり〜』にもこれに対応する言葉があるかな〜と、あった、ありました、最初の方と、最後の方に。でもこの言葉は際立たない。当然のことだし、ミレイちゃんだって言われなくてもわかってることだったから。 さてもう一度、先の大江の『「話して考える」と〜』から引用します。 「子供の読書は、それによって生き生きした新鮮な世界にーーつまり言葉の迷路のような未知の風景にーーとびこんでゆく経験です。しかし、それは、自分の将来の日々のために、そこで人生のしめくくりにどうしても必要な、方向性のある探求をするための、時間をかけての準備でもあるんです。大人には、一緒に本を読む子供にそのことを予言してやる必要があります。そして本の選択に助言をしてやる責任があります。(中略)まずはじめての本として良い本を読む、ということは大切です。それがなければ、やがてやるリリーディングにも意味はありません。フライのいうとおり、真面目な読者は、「読みなおすこと」をする読者のことです。さらに私はそれが、自分の人生の「時」のつみかさねの後で、やがてこの本をリリーディングするだろうとあらかじめ感じとりながら、はじめての本を読む読者のことでもあると思います。真面目な子供の予感を、大人は実現させてやらねばなりません。そして真面目な読者へと自分を仕上げねばなりません。」 『ゆっくりおやすみ、〜』はたぶん、よく本を読み本を読むことを大切にするひとを育てる小説でもあるだろうし、著者はそうなるように充分に意識的に配慮したと思う。小説家人生を賭けるくらいに。そっと、子供が目につくところにさりげなく置いておきたい。装丁も挿し絵もすごく良いので是非、文庫になるまえに単行本で。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
すっぴんで紹介されてからずっと読みたいと思っていた。 これを連載で読めた子は幸せですね。 やさしくて、哀しくて、しあわせな温かいおはなしでした。だいすき。 ラジオでの源一郎さんの語り口がとても好きなのだけれど、この本の語り口もなんだか源一郎さんっぽい。 夏休みの楽しい思い出ってのはたしかにおばあちゃんちのイメージ。こどものころのそーゆー体験ってのはとても大切。ちょっと大げさかもだけど、人生でのお守りみたいなもんだ。 作家のお父さんはどうしても源一郎さんをイメージしてしまいますが、そのへんは計算されてるのかしら? 遠い昔の人の言葉が今の私を救ってくれることがあるように、今の私があのつらい時代の人の心を救えることがあるといいのに。 とはいえ、現代のツライ現実にさえ手を差し伸べられるかどうかも… どうして、信じられないほどに怖ろしいことが日々起こるのだろう。こんなにあたたかい物語が世の中には生まれてくるとゆーのに。 ともにいてくれるぬいぐるみとゆーのは大切。私にもいたみたいなんだけど、自分では覚えてないんだよなあ。 幼い私はその子とおはなしをしただろうか?
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今日マチ子さんの絵に惹かれて手に取りました。 児童書だけど、大人へのメッセージもあったので大人が読んでも良いと思います。 高橋源一郎さんの作品を読むのは初めてでしたが、読みやすかったので他も読んでみたいです。
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毎日新聞の人生相談欄のコメントで、著者の人柄に惹かれていた 初の児童文学 角野栄子さんも薦めておられるし 「さるすべりの館」 ミレイちゃんの今とひいおばあさんの時代が交錯する 美しい風景 テディベアに導かれて 語りかける口調も挿画も優しい ≪ ゆっくりと 歩いてみよう なつ...
毎日新聞の人生相談欄のコメントで、著者の人柄に惹かれていた 初の児童文学 角野栄子さんも薦めておられるし 「さるすべりの館」 ミレイちゃんの今とひいおばあさんの時代が交錯する 美しい風景 テディベアに導かれて 語りかける口調も挿画も優しい ≪ ゆっくりと 歩いてみよう なつやすみ ≫
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