死生学のフィールド の商品レビュー
死生学というと、宗教や哲学的な面から人々がどういう風に死と向き合ってきたかを探るような、人文学的な分野だというイメージを持っていた。 しかし、この本を読むと、死生学とやらがずいぶん多様な学問分野であることが分かった。 特に、死別によっておとずれる悲嘆や悲しみをどうケアしていく...
死生学というと、宗教や哲学的な面から人々がどういう風に死と向き合ってきたかを探るような、人文学的な分野だというイメージを持っていた。 しかし、この本を読むと、死生学とやらがずいぶん多様な学問分野であることが分かった。 特に、死別によっておとずれる悲嘆や悲しみをどうケアしていくのかといった実践的な話題が多く、自分の家族が亡くなった当時のことを考えながら読み進めることもあった。 かつては、大切な人を失ったことによる悲しみをケアする仕組みの一つとして、宗教にもとづくつながりや農村などでの地域的な共同体による葬祭などのシステムが残っていた。 しかし、近代化によって宗教や地域とのつながりが希薄になってしまい、悲嘆をセルフケアしなければならない状況が増えている。 こんな世の中だからこそ、そういった悲しみを社会でケアしていかなければいけないんだろうなと感じました。 そのための社会における取り組みの概要について知ることができました。
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