火の鳥(角川文庫版・新装版)(2) の商品レビュー
第二巻の舞台は「未来編」とあるとおり、西暦3404年、地球は急速に死に向かっていて、地表の生命は細々としたものしか残らず、人類は地下を最後の砦として「永遠の都」と名付けられた世界5つのメガロポリスで生活を送っていたが、各都市はその支配を電子頭脳に委ねていた。そしてあるとき戦争が...
第二巻の舞台は「未来編」とあるとおり、西暦3404年、地球は急速に死に向かっていて、地表の生命は細々としたものしか残らず、人類は地下を最後の砦として「永遠の都」と名付けられた世界5つのメガロポリスで生活を送っていたが、各都市はその支配を電子頭脳に委ねていた。そしてあるとき戦争が起こり地球は放射能に覆われてしまい、人類はほとんど死に絶えてしまう。 地上に残って生命体を創ろうとしていた猿田博士の研究所は辛うじて放射能汚染を免れていたが、そこには不思議な生命体ムーピーの恋人タマミの命を助けようと地下から逃亡してきたマサトが博士に助けられていたが、彼の前に火の鳥が現れて、彼には地球を復活させる使命があると不思議な指示をする。一方、戦争前にやはり脱出した彼の上司ロックと猿田博士は、諍いの末、放射能汚染のため共に命を落としてしまう。 ただ一人取り残されたマサト、不死のマサトはどうなるのか……というあらすじ。 本作では、全体の要とも言える「宇宙生命(コスモゾーン)」について火の鳥の口から語られ、また、人間を含め様々な生物が生まれ、進化し、しかしどこかで間違った道に進んでしまったこと、それでもなお「今度こそ……生命を正しく使ってくれるようになるだろう」との一筋の希望への思いが語られる。 作者の『火の鳥』を通して描きたかった思い、その思想がかなり打ち出されている一冊で、とても読み応えがあった。
Posted by
最近児童の調べ学習用の、自然災害や環境問題の本をよく読んでいるので、 この漫画は全くフィクションには思えない。 未来が怖い… 環境問題の勉強をする子どもたちに、 手塚先生の生前の後書きを読んでもらいたい。
Posted by
ここ1年ほど勉強してきた歴史、経済、環境問題、スピリチュアル、戦争、哲学、生物学がここに集約されてた感じ。 子どもの頃に出逢っておきたかったな… すごい。
Posted by
ラストの方で火の鳥とマサトが語り合うシーンが特に良く、これから続く一連のシリーズの根幹をなすやりとり7日と感じた。 種を超えた愛、まだまだ異星人との出会いはないけれど、これから何百年か先にあり得る未来かもしれない。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
10/21(土)朝に読了。哲学とかじゃない。人のためじゃない、もっと広大で静寂の恐ろしいもの。上から下までの高くて低いところまでのあるいはもっと違った次元同士からの全ての物質にコスモゾーンが宿っていて、だからこそ恐ろしい。
Posted by
凄い…こ、こんなSFから地球礼讃のテーマに繋がっていくとは…コ、宇宙生命(コスモゾーン)…。 そしてまさかここから黎明編に繋がるとは…すげえ…。 未来ってそういう意味じゃなくてね…なるほど…。 火の鳥の正体?秘密??も分かるような、分からんような…。 美しい人間の女性型に変異した...
凄い…こ、こんなSFから地球礼讃のテーマに繋がっていくとは…コ、宇宙生命(コスモゾーン)…。 そしてまさかここから黎明編に繋がるとは…すげえ…。 未来ってそういう意味じゃなくてね…なるほど…。 火の鳥の正体?秘密??も分かるような、分からんような…。 美しい人間の女性型に変異したムーピー(地球外生命体)と、人間の青年のロマンス…逃走劇…アダムとイブ…。 でもアダムとイブといっても、どんな形かというと……。 凄過ぎる、手塚治虫…。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
1巻の黎明編とはうってかわって、はるか未来の話。人間の生きていた地上は荒廃し、地下に都市を作り生きる世界。人間によって作られた電子頭脳によって人間に命令が下され、支配される世界。ここでまた戦争が起こり、滅亡し新たな生命が生まれるといった、生物の過ちの繰り返しと輪廻に関することが題材のようだ。まだ1,2巻しか読んでないが、2巻の最後が1巻にの始まりに繋がるのは予想できなかった。3巻以降も楽しみだ。
Posted by
骨付き豚肉ステーキ。これは美味しい! 最後は骨を鷲づかみにして、骨の周りに貼り付いた肉をガシガシとしゃぶった。至福のひととき。 ************************* 手塚治虫「火の鳥 未来編」を読み返す。 10代終わりの頃初めて読んだときに、銀河宇宙をとりまく...
骨付き豚肉ステーキ。これは美味しい! 最後は骨を鷲づかみにして、骨の周りに貼り付いた肉をガシガシとしゃぶった。至福のひととき。 ************************* 手塚治虫「火の鳥 未来編」を読み返す。 10代終わりの頃初めて読んだときに、銀河宇宙をとりまく壮大なストーリーに圧倒され、思いもよらない展開に衝撃を受けた。 私の人生観に大きな影響を与えたと思う。その後、折にふれこのストーリーを思い出し、その意味するところを何度となく考えた。 この作品が発表されたのは55年前(1967年)だが、全く色褪せていない。まるで予言の様に人類の未来社会の行く末を描いている。 西暦3404年、人類は人工知能の意思決定に従う社会になっていたが、各国の人工知能同士が対立し、核戦争を決定してしまう。 開戦と同時に人類は核爆弾で瞬時に死滅。火の鳥から不死の命を与えられた主人公1人だけが生き残る。 迫るリアリティ。改めて読み返すと、現実がどんどんこの作品にすり寄っている気がして戦慄が走る。3404年まで保たない気がする。 不死の命を得た主人公は、新たな人類の誕生を30億年待ち続け、その人類が同じ過ちを繰り返さないか見守るという使命を、火の鳥から担う。壮大な物語に気が遠くなる。 神とは何かというテーマも迫ってくる。私にはそんなことわかるはずもないが、思わず考えずにはいられなくなる。手塚治虫は神の使いなのか。 ***************************** 文庫本の漫画はキツい。スマホで読む漫画もそうだが、字が小さすぎてよく見えない。 気合いで読み続けるが疲労困憊する。目がしょぼしょぼする。息子達は平気で読んでいる。羨ましい限りだ。 こんな話を会社でしたら同僚の女子が、「もう使わないから捨てようと思っていたから、よかったらあげる」と、100キンで買ったという虫メガネをくれた。 助かる。よく見える。 喫茶店などでよく見かける、虫メガネで本を読む高齢者ゾーンに、私も突入したようだ。
Posted by
泣きました。このスケールの大きさはなんなんだろう。大きなテーマと時間軸が違和感なくすっと入ってくる、凄い漫画。漫画というか、映画をみているような。パワーが凄い。 読後の余韻が強い。これが1967年に描かれた作品としり、また鳥肌。今読んでも全く遜色ないどころか、現代の地球の問題を鋭...
泣きました。このスケールの大きさはなんなんだろう。大きなテーマと時間軸が違和感なくすっと入ってくる、凄い漫画。漫画というか、映画をみているような。パワーが凄い。 読後の余韻が強い。これが1967年に描かれた作品としり、また鳥肌。今読んでも全く遜色ないどころか、現代の地球の問題を鋭く指摘している。手塚治虫先生は天才なんだ、と改めて思った。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
黎明編から打って変わって壮大で面白かった。 人類や生命の歴史について言わんとすることはよく伝わるが、相変わらず今の時代から考えるとどいつもこいつもクズばかりでまともな思考のキャラがいない。特に猿田博士気持ち悪いなあ。 感情移入できないので火の鳥みたいに俯瞰して読んでいた。 原発推進してる人に読ませたい漫画。 巻末の虫ヴォイスは現代に刺さる言葉。教科書に載せてほしいくらい。 解題にて、「火の鳥は愛の物語」でもあるとされていたが、本当にそうなのか? 醜い男が美女にヨチヨチ愛されるという、トロフィーワイフ&マザコン拗らせパターンではないか。 結局女は顔で、自立しておらず、都合のいい男の道具として扱われているから、全く説得力がない。 3巻以降、猿田彦の逆パターン(ブスと美男カップル)が出てくれば納得できるけど。
Posted by
- 1
- 2