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噛みあわない会話と、ある過去について の商品レビュー

3.8

361件のお客様レビュー

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  2. 4つ

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  3. 3つ

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2023/06/30

オムニバスだが、4話とも読み終わってもねっとりとした感覚が残る。過去の何気ない(全く悪意もない)言葉が何年も尾を引いて人を苦しめているのかもしれないと考えると、自分の今までの行動にも自信が持てなくなる。しかし、明らかに相手方の一方的な思い込みでは、と考えさせられるものがあり、コロ...

オムニバスだが、4話とも読み終わってもねっとりとした感覚が残る。過去の何気ない(全く悪意もない)言葉が何年も尾を引いて人を苦しめているのかもしれないと考えると、自分の今までの行動にも自信が持てなくなる。しかし、明らかに相手方の一方的な思い込みでは、と考えさせられるものがあり、コロナで人との接触が減った(戻りつつある)今、改めて普段のコミュニケーションの大切さを感じる。

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2023/06/22

4作品とも薄ら寒い怖さがある。 なぜこんなにゾクゾクするのかというと、今まで生きてきた中のどこかで似たような経験、似たような場面に遭遇したことがあるような、いや実際に経験したことは無いのだけれど、こういうことも大いに有り得るよな…と妙に納得してしまうリアルさがあるからだと思う。そ...

4作品とも薄ら寒い怖さがある。 なぜこんなにゾクゾクするのかというと、今まで生きてきた中のどこかで似たような経験、似たような場面に遭遇したことがあるような、いや実際に経験したことは無いのだけれど、こういうことも大いに有り得るよな…と妙に納得してしまうリアルさがあるからだと思う。そう、リアルなんよ。 こちら側の立場にいれば決して知ることのない、あちら側からの見え方を、これでもか!ってくらい突き付けられる。また逆も然り。無自覚の全てが悪とは思わないけど、無自覚のうちに誰かを酷く傷付けてしまうってことはあるんだろうな。そういうものだと知ることが大事というか。 “早穂とゆかり”が抜群に肝を冷やした。 いやー面白い。こういうのもっと沢山読みたい。

Posted byブクログ

2023/06/19

うーん、怖い。今まで読んだ辻村深月の中では一番面白いかも。 傲慢と善良からの本作だったので、思ってたのと違ったけど、視点が違えば見えてる世界そのものが違うっていうところは同じといえば同じ。 でも本作は痛いなあ。触れられたくないとこに触れられるヒヤッとする感じがある。 明らかな悪...

うーん、怖い。今まで読んだ辻村深月の中では一番面白いかも。 傲慢と善良からの本作だったので、思ってたのと違ったけど、視点が違えば見えてる世界そのものが違うっていうところは同じといえば同じ。 でも本作は痛いなあ。触れられたくないとこに触れられるヒヤッとする感じがある。 明らかな悪意の自覚があるわけじゃなくて、言われなければ忘れている事実もあって、その時どういうつもりだったのか?というのももはやわからなくなるっていうのがリアルだった。 何気ない言動だけど突き詰めれば根っこには相手を下に見る思いがあって、それが相手に伝わってしまっている怖さとか。 受けた方はどうにか受け止めて対処はするけど、時を経てそれが呼び覚まされてしまったりする残酷さとか。 傷ついた側と傷つけた側がいて、そのどちらにも覚えがあるけど、どちらにも肩入れしきれない。 みんな自分に見える世界でしか生きてなくて、もちろん自分もそうなんだろうと思うと少し救われる気がするようなしないような。

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2023/06/22

人のずるさを言語化して徹底的に突きつけられる作品。 相手の感情を蔑ろにして、どこか下に見ていたから、言動が自分中心で配慮が足りていなかっただけ。 被害者と思っている側に間違ったことは言われていないと思う。 ただ加害者として扱われた側が、ひたすら攻撃された後のどうしようもなく追い...

人のずるさを言語化して徹底的に突きつけられる作品。 相手の感情を蔑ろにして、どこか下に見ていたから、言動が自分中心で配慮が足りていなかっただけ。 被害者と思っている側に間違ったことは言われていないと思う。 ただ加害者として扱われた側が、ひたすら攻撃された後のどうしようもなく追い込まれた苦しさを思うと、一方だけを悪いと言うことができないように感じた。 辻村深月さんの作品を読むのは2作目。 この作品も置かれた状況に伴う感情がリアル過ぎることに感動した。 個人的には学生生活を送る人に読んでみてほしい1冊だった。

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2023/05/20

噛みあわない、なるほどだ イヤミスで重複したパッとしない子も含めて 最後の早穂とゆかりもイヤミスかも

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2023/05/14

再読でした。辻村深月さんの話はどれも面白いなーと思う。 2番目と4番目のお話は主人公と相手の関係性が似ているけど、 2番目の方は、美穂が悪いように思うけど、4番目はゆかりの方がこわいと感じる。 昔感じた他人への評価をペラペラ話すのはよくないし、子供の頃のことを持ち出して、今、影響...

再読でした。辻村深月さんの話はどれも面白いなーと思う。 2番目と4番目のお話は主人公と相手の関係性が似ているけど、 2番目の方は、美穂が悪いように思うけど、4番目はゆかりの方がこわいと感じる。 昔感じた他人への評価をペラペラ話すのはよくないし、子供の頃のことを持ち出して、今、影響力のある人が攻撃するのもどうかと思う。

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2023/05/13

すごく面白かった。 私はあちら側なのか、こちら側なのか。 おそらく誰しもが心当たりのあるモヤモヤ。 夜に読むのがオススメです☆

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2023/05/09

心臓がキュッとつかまれたような苦しさを覚える短編が4つ。 自分じゃない他人の気持ちはわからない。 なんなら、過去の自分だって他人のようにわからない。 でも過去は変えられない。 気まずい出来事にそれっぽい言い訳をして正当化してることもあるなーと、痛いところガンガン刺された感じです...

心臓がキュッとつかまれたような苦しさを覚える短編が4つ。 自分じゃない他人の気持ちはわからない。 なんなら、過去の自分だって他人のようにわからない。 でも過去は変えられない。 気まずい出来事にそれっぽい言い訳をして正当化してることもあるなーと、痛いところガンガン刺された感じです。 再読はしたくありません…( ´-`)

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2023/05/05

題名通りの物語の短編集。 言葉の受け取り方、感じ方、それに伴う記憶、、自分と他人では全てが異なることを改めて実感した。 特に先生に言われた一言というのは大人になった今でもよく覚えているので、教師って大変だな~と思った。 ただ、過去を変えることも他人を変えることも出来ないし、悪...

題名通りの物語の短編集。 言葉の受け取り方、感じ方、それに伴う記憶、、自分と他人では全てが異なることを改めて実感した。 特に先生に言われた一言というのは大人になった今でもよく覚えているので、教師って大変だな~と思った。 ただ、過去を変えることも他人を変えることも出来ないし、悪気なく相手を傷付けてしまうのはしょうがない部分もあるのでは。嫌な人に対して復讐するのではなく、無視して自分の人生から抹消した方が幸福な気がした。

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2023/05/05

たとえば、雨の日電車に乗って、雫が滴る傘が隣の人の服を濡らしているとした時、その事実に気づかずにいる人と、気付いているけどそのままにしている人、どちらの方が悪いと思う? この本はこれを問われている気がしました。 タイトル通り 噛み合わない会話 敢えて、加害者と被害者という言葉...

たとえば、雨の日電車に乗って、雫が滴る傘が隣の人の服を濡らしているとした時、その事実に気づかずにいる人と、気付いているけどそのままにしている人、どちらの方が悪いと思う? この本はこれを問われている気がしました。 タイトル通り 噛み合わない会話 敢えて、加害者と被害者という言葉を使うなら、果たしてどちらが加害者になっているのだろうか。過去において、そしてそれに続く現在において。 深月さんのこの感性ってナイフのようにグサっとくるな。。。

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