日本のヤバい女の子 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
面白かった。 時代を超えた想像力が詰まっている本。 女性の主体性に関するCase studies 物語のなかで、描かれるストーリに対する女性たちの抵抗みたいなものを読んでいく視点がとても興味深い。
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お伽話などに出てくる昔々の女の子たちに焦点を当てた本作では、女の子たちを取り巻く多様な境遇にとにかく圧巻される。現代に生きる我々でも少なからず生きづらさを感じているのに、周りの環境に翻弄されながらも懸命に生きている彼女たちに拍手を送りたい気分だ。いろんな意味でヤバい彼女たちの生き...
お伽話などに出てくる昔々の女の子たちに焦点を当てた本作では、女の子たちを取り巻く多様な境遇にとにかく圧巻される。現代に生きる我々でも少なからず生きづらさを感じているのに、周りの環境に翻弄されながらも懸命に生きている彼女たちに拍手を送りたい気分だ。いろんな意味でヤバい彼女たちの生き様を本書を通じてを体感してほしい。
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昔話に出てくる女の子たちをゆる~く(時にしっかり)紹介している本。かぐや姫や織姫、乙姫などの有名な昔話から、虫愛づる姫君や清姫などの学校で習う古典文学に出てくる女の子まで、幅広いです。これを読んで興味を持ったら原典にいくもよし!もともと興味のある女の子を深く掘り下げる手がかりにす...
昔話に出てくる女の子たちをゆる~く(時にしっかり)紹介している本。かぐや姫や織姫、乙姫などの有名な昔話から、虫愛づる姫君や清姫などの学校で習う古典文学に出てくる女の子まで、幅広いです。これを読んで興味を持ったら原典にいくもよし!もともと興味のある女の子を深く掘り下げる手がかりにするもよしの古典エンタメです。(日高町門別/N)
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昔話に登場する女子たちにも言い分もあるし、その子自身の人生もある!ということを具体的に知ることができた本。 「見ないでね」と言ってたのに見てはいけないものを見てしまって、「戻ってきてくれ」ってなんやねん、って確かに思う。軽々しく約束を破っておいて虫がよすぎる、って言いたくもなる...
昔話に登場する女子たちにも言い分もあるし、その子自身の人生もある!ということを具体的に知ることができた本。 「見ないでね」と言ってたのに見てはいけないものを見てしまって、「戻ってきてくれ」ってなんやねん、って確かに思う。軽々しく約束を破っておいて虫がよすぎる、って言いたくもなるわな。 こんな、さまざまな言い分がありそうな昔話女子のお話と解説が20本、収録されています。 乙姫やかぐや姫、「古事記」のイザナミ、安珍清姫などの有名どころはもちろん、今昔物語に登場する虫愛づる姫君とか、怪談話で有名な牡丹灯籠お露や番町皿屋敷お菊なども登場。更屋敷のお菊はオーソドックスな怪談話じゃなくて落語版のお菊だったのが笑える。 最後に女右大将と有明の女御の話はたぶん、氷室冴子センセイの「ざ・ちぇんじ!」の元ネタよね?これ読んで「ざ・ちぇんじ!」が読みたくなってしまった。 これらのお話の女子たちについての解説が女子目線で書かれているのですが、フェミっぽい意見に見えそうで、フェミっぽい口調じゃない、フェミじゃなくてもすんなり聞けそうな文体で書かれているのでスッと読めました。このテーマで女性の権利だ、人権だを前面に出されると吐き気がするけど、この本はそんな本ではありませんので大丈夫♪
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ブラック企業に勤めた著者が、今の世の中ですら「ヤバい」のだから、昔はもっとヤバかったのでは、という好奇心から、昔の「女の子」が登場する、古典を読んでみたところから、この物語は始まったのだそう。 古典文学の、ヤバい女の子が次々に登場してきて、男尊女卑だの、世の中だのと、色々と考え...
ブラック企業に勤めた著者が、今の世の中ですら「ヤバい」のだから、昔はもっとヤバかったのでは、という好奇心から、昔の「女の子」が登場する、古典を読んでみたところから、この物語は始まったのだそう。 古典文学の、ヤバい女の子が次々に登場してきて、男尊女卑だの、世の中だのと、色々と考えさせられます。 これぐらいゆるやかに、古典を学生時代に学ぶことができれば、もう少し真面目に勉強できたかもしれない。 古文に登場する人物は、それほどにも、現実離れしていて、実感が湧かない。 だからこそ、「今の私たちからすれば、こんなこと考えられないよね」の切り口で語りかけてくる文体は、すんなり入ってくる。 その中で、気になったものを挙げるとするならば、「浦島太郎」だろう。 この章では、珍しく、男である、浦島太郎のことについて、考察され、それに続いてこの物語の女の子である、乙姫について語られている。 『乙姫について考えると「なぜ親切にしてくれた(または恋人だった)人物をひどい目に遭わせるのか?」という疑問が湧きあがる。』 この視点。浦島太郎がおじいさんになるところが、あまりに強調されていて、全く考えることはなかったが、言われてみれば、確かにそうだ。 この疑問に対しての著者なりの考察は、読んでからのお楽しみということで、あえて書かないが、古典や小説を読むにあたって、ついつい大きなことに夢中になって、こうした些細なことを見逃して、それらは忘れ去ってしまう。 この本全体を通して思うことは、こうした、些細な違和感を広げて考えてみることで、また一つの作品が出来上がるのではないか。 もちろん、名作に浸るのは最高ではあるけれども、最高の体験をしている最中にも、何となくの違和感に気づく、そんな読書生活を過ごしていきたい。
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続編の方から読んでしまったが、こちらが先。 とは言え、どちらから読んでも問題ない。 昔話に対する鋭いツッコミが光る。 うぐいす女房 21頁、 見る側はいつも無自覚だ。 他人が真剣に「見られたくない」「知られたくない」と思っているものを何の気なしに覗いてしまう。 その無邪気さは(...
続編の方から読んでしまったが、こちらが先。 とは言え、どちらから読んでも問題ない。 昔話に対する鋭いツッコミが光る。 うぐいす女房 21頁、 見る側はいつも無自覚だ。 他人が真剣に「見られたくない」「知られたくない」と思っているものを何の気なしに覗いてしまう。 その無邪気さは(中略)「見るなと言われると、かえって見たくなるものだ」とかいうエクスキューズによって支えられている。 つまり、見られたくないと言う気持ちの矮小化によって、見る権利が守られている。 この主張には「知らんがな。見んなっつってんだろ。どつきまわすぞ」以外の反論はない。 ニヤニヤと喝采が止まらない。 たしかに! 知る権利、を自分に都合のいいようにねじ曲げている奴らに聞かせたい。 いや、きっとそういう人は改めないだろうから、若人に期待しよう。 変な大人になるんじゃないよ! 虫愛づる姫君 こちらもたまらない。 48頁、少し長いが引用。 興味のあるものに夢中になって好きなように暮していたら、 身近な人たちから「カシコぶってて痛い」と文句を言われ、 見ず知らずの男から「お前の探究心はどうせ中途半端なものだろ」と嫌がらせをされ、 でもその嫌がらせに返事をしなければならず、返事をしたら余計に絡まれてじろじろ見られた。 キモいので逃げると「うわっ、逃げた。やっぱり生半可な覚悟なんだ」と全然関係ない傍観者に分析され、 当の男からは恋を示唆しているとも馬鹿にしているとも取れるLINEが届く。 しかもその男は「化粧したらかわいいのに惜しい~」とか言ってる。 いや最低だな。いるよねー、化粧したら、痩せたら、若かったら、黙ってたら、可愛いのに~って言う奴。 さあ、ご一緒に。 う る せ え よ 著者は救いのない物語について(おかめの話、八百比丘尼など)、もっと、素敵に自分らしく生きている終わりを想像する。 とても素敵だ。そうなれたらいいのに。 昔の価値観に驚き呆れるけれども、物語そのものは否定はすまい。 そう言うことがあった、それが普通だった、それで成り立っていた、その事実は消すべきではない。 ただ、そこから派生して、物語が昇華されるなら、未来を生きる女たちの土台にもなるかもしれない。 いや、そうであって欲しい。そう、願っている。
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様々な昔の物語の女の子のお話をたくさん知ることができたのは良かったが、著者の解説がよくわからなかったり納得できなかったりしました、、。続編もあるようですが読もうとは思わないかな、、。読む前まではすごく面白そうだと思ってただけに少し残念。
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イザナミノミコト、乙姫、かぐや姫、虫愛づる姫、皿屋敷・お菊――。日本の昔話や神話に登場するエキセントリックな「女の子」たち。キレやすかったり、バイオレンスだったり、そもそも人間じゃなかったり。彼女たちは自由奔放に見えても、現代を生きる私たちと同じように理不尽な抑圧のなかで懸命に生...
イザナミノミコト、乙姫、かぐや姫、虫愛づる姫、皿屋敷・お菊――。日本の昔話や神話に登場するエキセントリックな「女の子」たち。キレやすかったり、バイオレンスだったり、そもそも人間じゃなかったり。彼女たちは自由奔放に見えても、現代を生きる私たちと同じように理不尽な抑圧のなかで懸命に生きていた。作者は、友達とおしゃべりするように、彼女たちの人生に思いをいたして涙を流し、怒り、拍手と賛辞を送る。ときには、ありえたかもしれないもう一つの人生を思い描く。時空と虚実を飛び越えたヤバい女子会が、「物語」という呪縛から女の子たちを解放する。 え、すごくない?このエッセイ。エッセイって一括りにするの勿体ないなって思うんだけど。初めて読むタイプだこれは。とてつもないパワーと、そして彼女たちを力強くpushしてくる作者の愛にのまれる。読み終わったらすごく元気になる。私たち、いつか何百年も後に、昔話として語られる時代が来ても、そんなに変わらないのかも。あらすじまでは知っていても、そこまで深く考えずスルーしてきた自分の共感能力の無さと、著者の目の付け所のすごさを実感しつつ、あっという間に読み終えた。『虫愛づる姫君』が一番好きだったなあ。時空を超えて友達になりたいなと思う女子がたくさんいて、続編もとても楽しみ。
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日本書紀とか神話、民話とか(だったか?)とにかく昔話に出てくる女性についての本。 アイデアは悪くないと思うけど、だから何?と言う感じで面白くない。 最後の話がまだ一番良かったかな。 これもページを開けば眠気が襲ってきて、時間がかかってしまった。
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昔話(古典、伝説、怪談)などに出てくるエキセントリックな女性達一人一人に焦点を当てて、作者独特の視点で、現代に置き換えて、彼女達の生き方を再評価していく本。昔の話を通して現代の女性達の生き方を紐解いていくという、温故知新なフェミニズム本(なのかな?)。過酷で理不尽な運命の中で生き...
昔話(古典、伝説、怪談)などに出てくるエキセントリックな女性達一人一人に焦点を当てて、作者独特の視点で、現代に置き換えて、彼女達の生き方を再評価していく本。昔の話を通して現代の女性達の生き方を紐解いていくという、温故知新なフェミニズム本(なのかな?)。過酷で理不尽な運命の中で生きぬいた彼女ちの気持ちに寄り添うような優しい視点が好ましかったです。惜しいのは、途中文章が少しまわりくどく感じるところもあったところ。あとがきの漫画のような形態で本文も書いてくれたらもっと良かったかも…。 でも、全体的に面白かったです。私もがんばろう、と思えます。
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