謝るなら、いつでもおいで の商品レビュー

川名壮志(著者)

2024/06/04

佐世保事件は小学生による殺人事件という特異性に加え、被害者が朝日新聞の支局長家族であったという点で、他の事件とは一線を画している。

普段、報道のために遺族などにも執拗なインタビューを行うメディアだが、当の遺族がメディア関係者のため、お互いに配慮のある事件になったのではないかと類推する。

加害者にはいろいろな事情はあっただろうが、おそらく幼すぎて事の重大さがよく分からないまま、更生措置が取られ、今は社会復帰しているという。

まだ被害者への謝罪はないようだが、その謝罪を強要することもできないという被害者の父親のコメントもまた考えさせられる。

被害者の2人の兄にも多大な影響があり、想像以上に考えさせられることが多い本であった。

2023/09/12

誰の言葉なのか気になって読み始めた。
この言葉が優しさなのかもわからない。

死刑なんかで終わらせてなんかやらない。
そんなことでは終わらない。
いつかの法律の授業を思い出した。

2023/01/09

「佐世保小六児童同級生殺害事件」の被害者の親は毎日新聞佐世保支社に勤めていた。そして、この本を書いたのは、その直接の部下である川名氏。家族ではないけれど、とても近い存在…。その立場から、自身の体験と感情とインタビューが綴られていた。私は、加害者である女児が「なぜ犯罪を犯したか」が知りたくて読んだが、どんな事件にも、誰もが膝を打つような答えはない、と思った。事件前にあったトラブルもよくある内容で、ではこの事件がそんな「女児あるあるトラブル」の氷山の一角だったのだろうか？　たくさんのヒヤリハットの中にあった、たった一つの異常な事件立ったのだろうか？　色々な人の事勿れだったり、運命だったり、教育だったり、社会情勢だったり…。この事件から、約20年。あれから何かが良くなっていると信じたい。

2022/07/28

本屋でふと目に入り、その日のうちに一気読み。
しんどい。
最後まで「なぜ一線を越えたのか」が分からないまま。
加害者少女の痛々しさに昔の自分を重ねてしまう所もありなんだかゾッとした。私も小6のときにホラー小説やスプラッタ小説に手を伸ばして拗らせていたなぁなんて、、。ウィキペディアに『呪怨』にも興味を持ってたとあり更に共通点を感じた。

こんなトラブル誰にでもある。
でも自分だって何か精神が揺らいだときにこういう行動を取ってたかもしれない。そういう世界線がふと想像できてしまって恐ろしい。
うまく説明できないけど一線をぴょんと飛び越えてしまうときがある。
自分が絶対そうならなかったとは言い切れない。
他人事じゃないと思った。

お父さんとお兄ちゃん、加害者のお父さん、
皆さんギリギリのところで食いしばって耐えていてすごい。
彼女はいま何を考えてるんだろう。

2022/08/11

2004年に起きた「佐世保小六女児同級生殺害事件」。
当時、毎日新聞佐世保支局長だった被害者の父親の部下であった筆者が、取材者としての立場と遺族の近親者としての立場の狭間で苦悩する思いを中心に事件を描く第一部。
そして、被害者の父、加害者(児童福祉法ではどちらも被害者らしいが。)の父、被害者の兄への取材を通じて触法少年の犯罪の姿、贖罪あり方、関係者の思いを描く第二部。

正直言って、第一部は他人の不幸に対して無神経なマスコミの一員がそれを言うか！と少々鼻白む思いで読んだ。まあ、だからこそ筆者は苦悩しているんだけど。その苦悩の結果がこのノンフィクション作品だったのなら、よかったのかもしれない。

娘を突然殺された家族の思いは想像するに余りあるが、被害者の父も兄も、加害者に対して死んでほしいとか、憎いとか思っていないところが意外な感。
少年少女が非行を行った場合は、罰するのではなく国が育て直すという理念。やり直しがきかない亡くなった者からすれば、やり直せる加害者って何？って感じだけどね。

事件から18年、今年30才になる加害者は果たして12歳の自分が背負った罪とどう向き合って生きてきたのだろうか。

2022/02/04

以前から気になってた本届き一気に読んでしまった。
当時高校生だった私はあまりニュースに関心がなく成人してから少年犯罪などを調べるにつれて知った事件だったので、深いところを知りたくなった。
読むにつれて、自分の小学校〜中学校の頃のことを思い出して苦しくなった。当時、私もパソコンが好きだったが絵をかくマシンとして置かれていただけでインターネットにはつながれていなかったし、携帯もプリペイドで繋がれる状況になかったのが幸いだったと思う。

私も幼稚園〜中学校にかけて、友達同士の小さいトラブルが耐えなかった。いじめられたり、自分の強いこだわりでクラスメイトを泣かせたり、束縛心から嫌われたり、ハブられたり、逆に交換日記で暴言を吐いたり...
あの頃独特の世界観が自分のなかで蘇った。中二病的なものも患っていて家庭のことでストレスもめちゃくちゃ抱えていたので、なにか悪いことが重なったらわたしも殺ってたかもしれないとすら思った。

高校のときに出来た親友だと思っていた子のことも思い出した。ある日突然口をきいてもらえなくなって、死ね！うざい！と遠くから暴言をはかれるようになりまわりも誰も助けてくれなかった。
そんなとき私も詩をかくのに没頭した。ホームページも自作してそのなかの人たちと交流して、黒歴史をつくっていた。家庭にも居場所がなく、ノートとホームページしか吐き出す場所がなかった。

真似ばっかりしてくる女の子がいて持ち物や髪型をさも真似してみんなに自慢してくる子がいて最初は仲良かったけどすごく嫌いになったこともあった。その子には最終的には好きな人まで取られた。

思春期の女子同士の友情って脆いと思う、手紙交換・交換日記・プリ交換・BBS書き込みあい・・・時代的に今だとLINEとかなんだろうけど、私たちの思春期はそういう交流でなりたってた。
妄想のお話考えたりもやったな。。
私も多分この加害者の子とタイプが似ていて、こだわりがあったり許せなくなることも多くてなんだかわかる気がしてしまった。あとでしょうもないことなんだけど、すっごい相手が憎くなるんだよね。
殺そうという発想に至ったことはなくて寧ろ友達の方が離れていって、なんで嫌われたのかわからず悩む・・という繰り返しだったけど。

この件に関して被害者の親御さんも加害者の親御さんも同じくらい可哀想だった。こんなん防げなくない？なんで気づいてやれなかったんだろう、ていうけどこういうトラブルってよっぽどのことじゃないと親になんか相談しないよね... 背景も混み合ってるし説明しても理解できない気がする。そんな中でお兄ちゃんの存在だけが救いだった。お兄ちゃんが一番罪なく巻き込まれて可哀想な立場なのに、一番コメントがしっかりしてた。私もこうでありたいという考えの持ち主だった。私もなんでも話せるお兄ちゃんが欲しかった。

2021/08/19

「謝るなら、いつでもおいで　佐世保小六女児同級生殺害事件　川名壮志　新潮文庫　2018年」殺されたのは毎日新聞の記者の娘。気持ち悪い話だが、11歳だった加害者児童は前科もつかず、今28歳で普通に暮らしていると言う事実。加害者は年齢に関わらず調べるだけ調べ極刑に処すべきだと思う。すごい本。

2021/07/04

深い話。加害者は更生したのか、被害者家族は加害者の状況で気持ちがおさまるのか、深過ぎてよくわからない。

2021/06/05

14才以下の犯罪は加害者も被害者になる　
刑罰ではなく更生。。　
腑に落ちないと思う反面、凶悪犯のように
責める気も起きないというか。　
本当に難しい。　　　
小学生中学生によくあるケンカのような気もするし、、バトルロワイヤルにハマった事も重なって
何かが少しだけ狂ってしまったような。　
考えても答えが見つからないし　
遺族は本当に想像できないほど辛いだろうな。　

2021/05/02

マスコミがどういう風に報道してくかとか14歳以下の子供は罪というより一律に被害者だという同じ扱いとか、しらないことばっかで勉強になった、お兄ちゃん強いね…