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白墨人形 の商品レビュー

3.8

39件のお客様レビュー

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2018/11/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

イギリスの田舎町で起きた殺人事件の真相をめぐるホラーサスペンス風ミステリー。 書評などで好評でしたので気になっていました。 1986年に起きた殺人事件の謎を30年後の2018年に主人公がたどり着くというもので、過去パートと現代パートを交互に主人公が語る構成でした。 秀逸なのは、過去と現代の場面転換が「それで?」というところで行われるので続きに引き付けられるところでしょう。 主人公の頭の中でのチョークマンという不気味な存在がホラー風味になっているものの、オーソドックスなミステリーだと思います。 30年間主人公が特に何もしなかったことや最後に残された謎の真相には、過去の伏線を無理やり回収している感じがして残念です。 最後の数行で本作のテーマのカルマ(因果応報、業)の怖さを描くうまさがあるだけに、ミステリー部の雑さがもったいないです

Posted byブクログ

2018/11/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

スティーヴン・キングが推薦してるだけあって、キングの世界を彷彿とさせる。 12歳の少年たちのグループ構成がまず似てる。(ITに)主人公エディ、裕福でふとっちょのギャバン、貧しくてもやさしいポッポ、皮肉屋のミッキー、そして紅一点、赤毛でチャーミングなニッキー。 子ども時代の1986年と30年後の2016年の話しが交互にエディの視点で語られる。 面白くて、イッキに読了。 以下、箇条書き。 ・ニッキーの父親の牧師は娘に虐待(性的にも)していたね。そこもITと同じ。 ・新任の英語教師ミスター・ハロランはあやしいと見せかけて実は被害者。 ・登場人物の中で唯一?まともで共感できるのはエディの母、医師(婦人科、主に中絶)でもあるマリアン。 ・そうだ、エディは盗み癖があったんだ!

Posted byブクログ

2018/11/08

1986年、平和な少年時代、毎日が楽しくて仕方がない仲良し友達グループが、ある不慮の事故と、陰湿ないじめをきっかけに、ねじが1本はずれた時計のように、その関係が、その世界が、少しずつ歪んでいく。 そして30年後、2016年、大人になった彼らを待ち受けている運命はどんなものであるの...

1986年、平和な少年時代、毎日が楽しくて仕方がない仲良し友達グループが、ある不慮の事故と、陰湿ないじめをきっかけに、ねじが1本はずれた時計のように、その関係が、その世界が、少しずつ歪んでいく。 そして30年後、2016年、大人になった彼らを待ち受けている運命はどんなものであるのか。。。 どんな時代も、腕白でも子供達は純粋だ。家族構成は違えど、環境や経済状況がどんなであろうと、彼らは仲間でいられる。でも大人たちはそんな綺麗ごとでは済まされない。嫉妬やプライドや恨みや歪んだ愛情など、いろんな感情が邪魔してくる。 仲良し少年グループ5人は、そんな大人達(親や教師など)の歪んだ感情に翻弄され、一番楽しいはずの貴重な時代に暗い影を落とすこととなった。 最後の30ページは衝撃の30ページ。一気に読み終えたけど、読後感がこんなにもどんよりとして疲れるのもめったにないことかも。 はぁ~。。。二度と読みたくないけど、面白かった(汗)

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2018/11/03

30年前に森の中で見つかった頭部の欠けたバラバラ死体。チョークマンがその死体を指し示していた。当時仲間同士の秘密の暗号として白墨でチョークマンを使っていた。そしてまたチョークの入った封筒が何者かから送られてきたのをキッカケに、当時の犯人探し出そうとする主人公エドの回想のパートと、...

30年前に森の中で見つかった頭部の欠けたバラバラ死体。チョークマンがその死体を指し示していた。当時仲間同士の秘密の暗号として白墨でチョークマンを使っていた。そしてまたチョークの入った封筒が何者かから送られてきたのをキッカケに、当時の犯人探し出そうとする主人公エドの回想のパートと、現在のパートが交互に切り替わり、真実が徐々に明らかになっていく。

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2018/10/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

まさにカルマ。因果応報。その意味が、読後じわじわと迫ってくる…… 悪夢のような一連の事件が、少年の空想力と相まって、どこか超常現象的に書かれているのが秀逸。 どこまでが現実?という感じ。 が、後から見てみると、すべてが実在する人間の所業でそれこそが怖い。 何より、登場人物ほぼ全員が、まさに因果応報の報いを受けている……! 身体機能だったり命だったり……四人の少年たち全員が!!怖い!! ラスト!!残酷!! そしてチョークマンことハローラン。 トリックスター的、キングの小説だったら悪魔そのものの怪物だったはずの彼が、実は人を愛しただけの平凡な男だったという……(しかも勇敢さ、思慮深さ、絵を描く才能さえ持ち合わせていた) この人物造形の巧みさよ。 面白かった!

Posted byブクログ

2018/10/30

壮絶な事件に遭遇した少年時代。解決したはずの事件が、白墨人形チョークマンとともに現代に蘇る。 少年時代と現代のパート書き分けの巧さ。読者を決して離さない不穏と先の読めない物語。作者のストーリーテラーの才能が光る。 小さな残酷、やるせない感情、行き場のない怒り、嫌というほどわ...

壮絶な事件に遭遇した少年時代。解決したはずの事件が、白墨人形チョークマンとともに現代に蘇る。 少年時代と現代のパート書き分けの巧さ。読者を決して離さない不穏と先の読めない物語。作者のストーリーテラーの才能が光る。 小さな残酷、やるせない感情、行き場のない怒り、嫌というほどわかる。非常にリアルだ。それがこの作品を極上のサスペンス、そしてスリラーへと誘ってくれる。 細かいところは抜きにして、ただただ楽しませてくれるそんな作品だった。 いやー満足!! ラストはもはや感動。作者はニターッと笑っているなこりゃ。やられたよ。 本格ミステリ好きな読者は気になる部分があるかもしれない。 この作品はそこをつっこむべきではない。ただ、身を任せて恐怖を体験しよう。 アガサクリスティーの某作を思い浮かべたのはわたしだけであろうか…

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2018/10/24

少年時代を描いた作品で光がマキャモン、闇がケッチャムだとすれば、本作は闇寄りかな。中庸に見えた語り手が実は最も病んでいたのではないかという…未来にも光より闇が待ち受けていることが暗示。

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2018/09/05

たしかにこれ……スティーヴン・キングの作品を好きな人は好きだろうなあ。どことなく「IT」っぽい雰囲気があって、子供パートと大人パートになっているのも「IT」に似てる。けれどもちろん、作品としては全然違います。こちらは超常的なものがなく、いたって現実的なミステリでありサスペンスなの...

たしかにこれ……スティーヴン・キングの作品を好きな人は好きだろうなあ。どことなく「IT」っぽい雰囲気があって、子供パートと大人パートになっているのも「IT」に似てる。けれどもちろん、作品としては全然違います。こちらは超常的なものがなく、いたって現実的なミステリでありサスペンスなのだけれど。漂う雰囲気はややホラーかも。チョークで描かれた「白墨人形」がなんともいえず禍々しい印象です。 少年たちの友情と冒険にあふれた楽しい日々、と思いきや。さまざまな事件が起きて仲間たちと彼らを取り巻く状況が変わっていき、孤独になっていく主人公。そして大人になった彼らに突きつけられた、過去の事件。過去に何が起こったのかも小出しにして語られるため、読む手が止まりません。最後までサスペンスたっぷり。 大人になった彼らは決して不幸だというわけではないのだけれど。何とはなしに、失ってしまったものの多さを感じさせられる切ない読後感でした。そして知らないほうがよかったこともいろいろあるなあ。

Posted byブクログ

2018/09/02

30年前、12歳だった僕らが遭遇した事件は未だにスッキリとしない部分が多かった。大人も完璧な人間ではないのだ。結末に明るさや救いが足りないというより、それが現代の社会性を表しているのかも。

Posted byブクログ

2018/09/02

年代の転換が見事。特に子供世代の描写は生き生きとしていて、場面が目に浮かんでくるようでした。真犯人が明らかになるところもうまいですね。ちょっと浅い気はしましたが、人物描写が深いので楽しめました。

Posted byブクログ