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持たざる者 の商品レビュー

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23件のお客様レビュー

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2024/09/24

大変だった時期のことや感覚って、時間を経て薄らいでもうあまり思い出せなくなる。 4人の人が描かれるこの本で、4番目の朱里の章が一番印象深かった。 自分の未来が抗えようのない形で規定されることに不安を覚えたり、自分だけの人生が複雑に思えたり。でもある日突然、雲が晴れたように好転した...

大変だった時期のことや感覚って、時間を経て薄らいでもうあまり思い出せなくなる。 4人の人が描かれるこの本で、4番目の朱里の章が一番印象深かった。 自分の未来が抗えようのない形で規定されることに不安を覚えたり、自分だけの人生が複雑に思えたり。でもある日突然、雲が晴れたように好転したり、そんなものなのかもなーと思う。 何かを持っているように見えるのは、他者からの視点であって、自分はそこにあるものに、ただ必死に向き合ってるだけなのかも。

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2024/09/07

いつも小説はタイトルで読むものを決めるんだけど、これは3回目だった。半分くらいまできて読んだことあることに気づいた。 いろんな人の視点で見れて面白い

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2024/08/27

4人のそれぞれの視点で描かれる4つの短編集。 1人目と4人目の話しが陰鬱で好き 1人目は、地震の放射能の対応を巡って起こりだすすれ違い。 早く家から出ていってほしいって切実に願う4人目の話し、毒っ気もあってあまりにも金原ひとみ氏の得意領域すぎる

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2024/08/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

喪失なのか、元々持っていないのか 震災が一つの要素としてあるが、個人的にはコロナ禍以前以後と重ねて読んだ が、ラストの朱里のように、そりゃ違う世界で、違う地獄に生きてる人もいるよな、と 今海外に住んでいるので、日本のスーパーの描写によだれが出てきました 色々考えてることがあったはずなんだけど、 義兄夫婦が面白過ぎて色々飛んじゃった笑

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2024/08/04

蛇とピアス 以来 蛇も良かったけど、凄くなっててびっくりしました。それぞれの人物が魅力的 様々な生き方があるなかで、1人の作者が全く違う4人の考え方生き方を生み出せるのは本当に脱帽です。他作品も読まなきゃ〜てなりました。

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2024/05/19

4人の視点から語られる本作も、また大変面白く読むことができた。日本にしか住んだことのない自分としては日本の住みやすさ、日本特有の住みづらさなど読んでいて 色々と考えさせられる。自由と引き換えの不自由さ、不自由さの中で求める自由。好きな作家の登場人物の人生に自分を投影しその世界に入...

4人の視点から語られる本作も、また大変面白く読むことができた。日本にしか住んだことのない自分としては日本の住みやすさ、日本特有の住みづらさなど読んでいて 色々と考えさせられる。自由と引き換えの不自由さ、不自由さの中で求める自由。好きな作家の登場人物の人生に自分を投影しその世界に入り込む読書。幸せな時間です。

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2023/12/20

他の金原さんの小説同じく、読み始めたら最後まで一気に読んでしまう、読まされてしまう、そんな引き込む力がある小説。 どの登場人物にも理解し難い部分があり、一方で切実なその人だけの痛みが、手に取るようにわかったりする。 それぞれの人生を進むしかない、と暗い中にも前向きになるような小説...

他の金原さんの小説同じく、読み始めたら最後まで一気に読んでしまう、読まされてしまう、そんな引き込む力がある小説。 どの登場人物にも理解し難い部分があり、一方で切実なその人だけの痛みが、手に取るようにわかったりする。 それぞれの人生を進むしかない、と暗い中にも前向きになるような小説でした。

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2023/11/26

中心人物が4人、1人1章持ち回りのようにエピソードが進んでいく形で読みやすかったです。 いち要素として3.11があり、確かにあの当時ってそういう空気感あったなと思い出すのと同時に自分はその頃どうだったかと思い返したり、また3.11を抜きにしてもこの価値観を自分が受け入れられるかと...

中心人物が4人、1人1章持ち回りのようにエピソードが進んでいく形で読みやすかったです。 いち要素として3.11があり、確かにあの当時ってそういう空気感あったなと思い出すのと同時に自分はその頃どうだったかと思い返したり、また3.11を抜きにしてもこの価値観を自分が受け入れられるかと考えたり。 いつまでも「隣の芝生は青い」ではいけないような気がする1冊でした。

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2023/08/04

震災直後の疑心暗鬼、デマ、風評、エゴ‥‥復興っていう美談で誤魔化そうとしてるけど、露呈してしまった暗部は恥だとしても後世の為に記録しておくべきだ。金原ひとみは偉い。

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2023/07/26

久しぶりの金原ひとみ作品。 海外赴任した話が出てきますが、海外で暮らした人にしかわからない感情、感覚と思っていたら、作者も海外で生活していたのですね。20年以上前の気持ちを作品から味わうとは。 最後の朱里さんの話、自分かと思いました。今はあの時の経験はどこに⁈それにSNSなどで海...

久しぶりの金原ひとみ作品。 海外赴任した話が出てきますが、海外で暮らした人にしかわからない感情、感覚と思っていたら、作者も海外で生活していたのですね。20年以上前の気持ちを作品から味わうとは。 最後の朱里さんの話、自分かと思いました。今はあの時の経験はどこに⁈それにSNSなどで海外が日本から切り離されたものではなくなってきている気もしますが、住んだ人にしか味わえない感情がふつふつと湧いてきました。作品の力ですね。

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