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烏百花 蛍の章 の商品レビュー

4.2

83件のお客様レビュー

  1. 5つ

    29

  2. 4つ

    34

  3. 3つ

    11

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2025/01/21
  • ネタバレ

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6つの短編 作者は発行順に読んでほしいというけれど 時系列はバラバラである が 確かに衝撃を受ける 今回は単行本解決者ではなく作者によるあとがき 「ゆきやのきみ」について触れているが 『若君と雪哉が…仲良く膝を抱えて雨宿り…それだけはどうしても形にしておきたいと思ったのです』 『何気ない時間を共有した時代があり たとえこの先に何が起きようと そうした過去がかわることはありません ある意味そうした時代の象徴として 第二部が始まる前に…収録して出せたことをとても幸運に思っています』 →この先の展開に大いなる不安が。。 □しのぶひと 茂さん(泣) もしの未来があれば 例えば茂さんの恋路の応援とかになったら 周囲の恋愛観もつられたりしたのだろうか 明溜と千早の仲も微笑ましい  「欲張って あれもこれもと中途半端に手を出して 結局つぶれちまうのはもったいない…高い身分も買い頭もそれにおごらないだけの高潔さも持ってんだ 自分にないものが輝いて見えたとしてもそれを言ったって詮無いじゃねぇか」を聞いた千早のリアクション(笑) 千早は鋭いけれど 恋愛観はどんなものなのだろう □すみのさくら 浜木綿の過去 南家の闇は深いなぁ。。鳥形への転身をしないやんごとなき身分の人たちは 特に卵を産んで暖める女性は そこら辺どういう流れなのだろう  □まつばちりて 一番心に残った短編 アニメーションでも登場していただけに 本編以外でこういった結末なのが驚き   「女であることを誇るなら 女の恰好のまま 女の官人として働けばよいではないか」働きマンという漫画を思い出した 女の武器を使いたくないということと がむしゃらにであることは違うっていう。。 幸せになって欲しい2人だったんだがなぁ。。(泣) 卵の存在はどうなのだろう 温めれば孵るのか それとももう。。な存在なのか 今上陛下の忠告めいた言葉 彼も翻弄された人生ではある。。彼目線の物語も読んでみたい 順の気持ちといい 作者が松本清張賞受賞者であることをしみじみと感じる作品 □ふゆきにおもう 雪哉の母親冬木と梓の出会い 雪正について 「男だったら…体が丈夫だったら 北家を山内の頂点にすることだって出来ただろうに」 すみのさくらの雪哉の結婚観に周囲はドン引きしていたが この二人が親子として政に関わっていたら どうなっていただろう 怖いような頼もしいような 雪哉のダメ次男坊として周囲をたばかる性格と演技力は 母親譲りなのだなぁ。。梓は冬木の真の意図に気づく聡い女性 □ゆきやのせみ 水戸黄門のような長期化シリーズ パラレルワールドで良いから実現して欲しい。。 雪哉の忠誠心の強さ(笑)若君しか知らないのが可哀想 □わらうひと 真すほが登場するとドロドロした世界に一点の清涼が 澄尾と ここだけは せめて うまくいってほしい。

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2024/12/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

恋の話、とても良かったです…!! 特に、雪哉の母、冬木の話が好きだなぁ。 雪哉の話だけだと己の身を弁えないわがままな人、という印象だったけど、 梓目線で見ると本当に変わる。 子が欲しいためにわざと狂人の振りをした… なるほどねぇ 雪哉の賢さは冬木譲りなんだなと感じた。 雪哉と雪雉が迷子になったところも、実はアニメ第一話の冒頭シーンに繋がるのだとようやく分かった。 アニメ見ただけではちんぷんかんぷんだったからようやく納得。 松韻の恋の話も切なかった。 卵を産んですぐに殺されてしまったのがとても悲しい。 温めてどのくらいで雛がかえるのか分からないけれど、この手で抱きたかっただろうなと感じた。 卵を忍熊のところへ持っていってたけど、温めなくてよかったのだろうか… ちゃんとかえるのかと心配になってしまった。 若宮の印象も随分変わった。 最初はミステリアスだけど抜け目ない性格だと感じていたが、 玉依姫らへんから何かこう砕けた印象が強くなってきた。 真顔で破天荒な行動や冗談を言うタイプ? おちゃめな感じ。 金烏は感情が無いという本人談はどこへやら。 本人がそう思ってるだけで、行動の節々に性格は滲み出るのかなと感じた 八咫烏シリーズが人気で図書館の貸出予約をしてようやく次が読める感じ。 順番待ちきれなくて弥栄の烏をとばして外伝にいったけどさして支障は無かった。 次を読むのが楽しみだ。

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2024/11/29

『しのぶひと』 図書館で読み始め、読み終えて必死に我慢したけど 涙がこぼれて恥ずかしかった。 澄尾の想いに泣ける。 切なくて。 『すみのさくら』 浜木綿の生い立ちの話。 若宮との出会い、幼馴染であったこと ひと枝の恩返しとして登殿する事にしたお話。 『まつばちりて』 泣ける ...

『しのぶひと』 図書館で読み始め、読み終えて必死に我慢したけど 涙がこぼれて恥ずかしかった。 澄尾の想いに泣ける。 切なくて。 『すみのさくら』 浜木綿の生い立ちの話。 若宮との出会い、幼馴染であったこと ひと枝の恩返しとして登殿する事にしたお話。 『まつばちりて』 泣ける 大紫の御前の怖いさ、 後輩の裏切り。 しかし、心から愛されていたのに 愛されていたからこそ切ない結末に。 『ふゆきにおもう』 雪哉の出生について 前よりどういう状況なの?と不思議に思っていたことがわかってスッキリした。 冬木さまの恋心や気持ち 梓さんの想い、雪哉に対する心も知れてよかった。 『ゆきやのせみ』 これについては、ちょっとクスクス話という感じ。 『わらうひと』 私的にイチオシの姫、ますほの薄が 話の中心にいるのが嬉しい。 そして、これまた澄尾の気持ちに泣かされる。 ここまで惚れられてて羨ましい。 きっと結ばれる未来は来ないのかな? シリーズでこの後の展開はあるのかとても気になる。

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2024/09/04

「ふゆきにおもう」は雪哉の二人のおかあさんの物語 雪哉は特殊な出自だけれど、ちゃんと母の愛を受けて育っていたことがわかり、暖かい気持ちになった

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2024/09/03

日本神話にも登場する三本足の伝説の烏「八咫烏」…人間の姿に変身することもできる彼らが支配する山内を舞台にして描かれる異世界ファンタジー「八咫烏シリーズ」の外伝、6篇からなる短編集です。 八咫烏シリーズを読むの久しぶりだと思ったら、なんとほぼ一年ぶりでした。 浜木綿の生い立ちだ...

日本神話にも登場する三本足の伝説の烏「八咫烏」…人間の姿に変身することもできる彼らが支配する山内を舞台にして描かれる異世界ファンタジー「八咫烏シリーズ」の外伝、6篇からなる短編集です。 八咫烏シリーズを読むの久しぶりだと思ったら、なんとほぼ一年ぶりでした。 浜木綿の生い立ちだったり、雪哉の産みの母と育ての母とのいきさつだったり、真赭の薄と澄尾の関係だったり…気になってたけど本編では詳しく描かれなかったエピソードが満載でした。 あと大紫の御前に忠誠を誓う藤宮連の松韻の話が好きでした。阿部智里さんってこんな話も書けるんですね、ちょっと意外でした。 そして雪哉と若宮の掛け合いも楽しかったです。 久しぶりに読みましたが、いやぁ〜やっぱりおもしろいですね。次はついに第二部突入…実はなんとなく読むのが怖くて、躊躇しちゃってます。

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2024/07/26

「しのぶひと」 縁談は破棄され。 貴族として産まれてしまったからには、他の人が羨むような恋であったとしても線引が必要になるのだろうな。 「すみのさくら」 連れ去られた訳。 時間が経ってから聞いたからこそ届いた言葉であり、何も知らない姫様のままでは絶対に信じれなかっただろ。 「...

「しのぶひと」 縁談は破棄され。 貴族として産まれてしまったからには、他の人が羨むような恋であったとしても線引が必要になるのだろうな。 「すみのさくら」 連れ去られた訳。 時間が経ってから聞いたからこそ届いた言葉であり、何も知らない姫様のままでは絶対に信じれなかっただろ。 「まつばちりて」 女を捨てたもの。 自分に向けられた想いを知ると同時に自分の気持ちに気付いてしまったからこそ、反論出来なかったのだろう。 「ふゆきにおもう」 側室に選ばれた。 身体は弱くとも賢い女だったからこそ、きっと全てを見越して騒動を起こし最期に一羽の形見を残したのだろ。 「ゆきやのせみ」 身分証は偽物で。 残っていた戸籍を勝手に使うのもどうかと思うが、それを安易に使えないぐらい汚してしまうのは最低だろう。 「わらうひと」 冗談に聞こえた。 真剣に考えて答えを出したというのに、あんな態度をとられたら誰だって怒りで他の感情など消えるだろうな。

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2024/07/07

短編集なのでまあまあ読みやすかった しのぶひと(真すほ×澄尾) すみのさくら(浜木綿×若宮) まつばちりて(松韻) ふゆきにおもう(雪哉の母) ゆきやのせみ(若宮×雪哉) わらうひと(千早妹結)

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2024/07/06

まだ八咫烏シリーズは第1巻しか読んでないので、知らない出来事も出てきましたが、知らなくても影響なく読めたし、これから他の巻を読むのも楽しみになってきました。読んでて切なくなりますよね〜。みんな幸せになって欲しいです!

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2024/05/03

本編の第一部を読み終えて、しんどかったのが少し救われた。本編で詳しく語られなかった部分が明らかになり、雪哉の産みの母、育ての母あっての雪哉なんだとわかったり、若宮と浜木綿の出会いとか。 真緒の薄と澄尾の今後も楽しみになりました。

Posted byブクログ

2024/04/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

文春オンラインが公開している読書ガイドに従い、第一部を読み終わったタイミングで読んだ。本編で仄めかされていてちょうど気になっていた部分を補完してくれる内容が揃っている短編集だったので、今読んでよかったなと思った。 以下各話所感 しのぶひと…八咫烏世界の土台になってる身分社会を改めて意識させられるお話。ふたりの持たざる者が憧れるのがどちらも雪哉で、しかしその雪哉自身は己の持っているものを疎ましく思ってたりするので、なんともままならない世界だなぁとなる。 すみのさくら…親が罪を犯したとき、親を愛していることも罪になってしまうのか…みたいなことを考えてしまった。悼む気持ちは分けていいという答えはひとつの救いだったろうなと思う。被害者である奈月彦自身が時間を経ずにその考えに既に到達できてるのはちょっとこわいが、これも金烏の特性かな…。 まつばちりて…あの人の話!?という驚き。本編ではまだ少ししか活躍を見ていないうえにあまりかっこいい登場でもない印象だったが、読んでみると、思い通りにならない環境に生まれながらも自分の意志を大切にして強かに生きた人だったんだなという尊敬の念を抱いた。時系列がどこに収まるのかいまいちピンと来なかったので、はやくほかの巻を読みたい意欲も湧いた。 ふゆきにおもう…雪哉の母の話。本編はもっぱら雪哉視点のバイアスがかかった描き方をされているのでかえってあまり信用できていなかったのだが、話を読んで一転、この家族は大丈夫だと思えるようになった。梓さまの愛の力がデッケエすぎる。 雪正はもう少し気を使ってほしい。ただ、政略に利用される女が多く登場するシリーズ故にどうしても女側に同情してしまいがちだったので、結婚へ不満を持っていた雪正のようすを見て意識の偏りを正せたことには感謝している。それはそれとしてコミュニケーションは丁寧にとられたほうがよろしいと思いますけど。 冬木殿も間違いなく雪哉の母だったんだなと認識を改めることができた。もし自分が男だったら…という話を聞くとやっぱり呪いの類じゃねえか?と思わなくもないが、守るためなら躊躇をしない潔さと聡明さは確実に血を継いでるし、赤子を抱く場面では、第一部を読み終えたばかりだったこともあり、親子だなあと思わずにはいられなかった。 ゆきやのせみ…文春オンラインでは「6つの恋の物語」と謳われているのですが、これも含んでるんですか?蝉なのですが…生き急いでる主のことですか?? 前話のラストに主従の縁を見せつけてきたなあと警戒をしていた矢先の食い逃げでズッコケ、金烏夫妻の馴れ初め話でしっとりした気分だったところに墨丸名義を雑に使ってる奈月彦を見せられたのでいよいよ笑ってしまった。鳴く蝉よりも鳴かぬ蛍が身を焦がすとは言うけれど、前話と比べるとわいわいと騒がしくてさっぱりしているお話。 わらうひと…真赭殿、やはりサイコーの女。登場するたびに好きが増していく。は?俺の方が先に好きになったが?今のところ誰にも嫁にやっていいとは思えない。巻末の都々逸を唄えるような根性のあるやつなら、考えないでもない。

Posted byブクログ