奇跡の男 の商品レビュー
短編集 解説の『五編に明確な共通点はないが、謎解きのプロセスを簡略化し、種明かしで読者を驚かす手つきは一貫している』というのがしっくりきた。 以下抜粋して雑感 ・奇跡の男 え、この設定がミステリ的謎解きになるの!?と思っていたら普通に解き明かされていた。すごい。 そして何より...
短編集 解説の『五編に明確な共通点はないが、謎解きのプロセスを簡略化し、種明かしで読者を驚かす手つきは一貫している』というのがしっくりきた。 以下抜粋して雑感 ・奇跡の男 え、この設定がミステリ的謎解きになるの!?と思っていたら普通に解き明かされていた。すごい。 そして何よりすごいのはその動機。本当なら共感なんて出来なさそうなものなのに、読んでいて「わかるわー」と心から感じてしまった。 ロマンがある動機……と言っていいのか?(笑 ・狐の香典 自家製の密造日本酒を提供するお店というのは、これは本当にあったのか……!? 30年以上も前の作品で、当時のリアルなのか、泡坂先生のジョークなのか、判断がつかないがそれはそれで楽しい。でも気になる。 ・密会の岩 ネタとしては、正直小ネタの一点突破といった感じなんだけど、ユーモラスな筆致で楽しく読めた。 キャラ名も全てあだ名で統一されていて独特な読み心地。 感想文を書こうと一編々々思い返していたのだけど、読了後以上に「上手い事作ってんなー」という気持ちが強くなった。 いや、大ベテランに向かって何言ってんだ、って感じだなと自分でも思うけども。 でも、ただ読み終えるだけじゃなくて噛み締めるからこそ増す楽しさ、こんなの感想文でも書こうと思わなきゃ味わえなかったよ。 改めてブクログありがとう。もちろん泡坂先生も。
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短編集の佳作、といったところだろうか。『煙の殺意』の方が断然上だが、こちらも一筋縄ではいかない。「奇跡の男」「妖異蛸男」などが個人的ベスト。
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帯に最高の短篇集とある。ほんとそうだなぁ。 5つの短篇集。 ミステリーなんだけどなんだか緩くてどこか可笑しくて、のほほんとしています。 殺人は行われるのに何故か笑える。 とても面白かったです。
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泡坂妻夫の短編集。9年前に亡くなったが最近文庫作品の復刊が続いている。泡坂氏は奇術も玄人はだしで,この本に収められた作品もまるで言葉で書かれた手品を見ているよう。表題作「奇跡の男」は,バスの墜落事故でただ一人生き残った男が,続いて宝くじにも当たるという強運振りを発揮するが,折しも...
泡坂妻夫の短編集。9年前に亡くなったが最近文庫作品の復刊が続いている。泡坂氏は奇術も玄人はだしで,この本に収められた作品もまるで言葉で書かれた手品を見ているよう。表題作「奇跡の男」は,バスの墜落事故でただ一人生き残った男が,続いて宝くじにも当たるという強運振りを発揮するが,折しも世間では毒入りウイスキー事件が発生,犯人が仕込んだ只1本の毒入りウイスキーにまで当たってしまうのか…という奇妙な物語。他「狐の香典」「密会の岩」「ナチ式健脳法」「妖異蛸男」。
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ミステリ短編集。どの作品も軽くてユーモラスな読み口でさくさく読めるのですが、謎はとてつもなく奇想天外。にもかかわらず、意外なほどあっさりと解けてしまうのがなお意外。とはいえ、簡単に解けるという意味ではなく。むしろ自力で解けと言われたらまったく解けません。 お気に入りは「奇跡の男」...
ミステリ短編集。どの作品も軽くてユーモラスな読み口でさくさく読めるのですが、謎はとてつもなく奇想天外。にもかかわらず、意外なほどあっさりと解けてしまうのがなお意外。とはいえ、簡単に解けるという意味ではなく。むしろ自力で解けと言われたらまったく解けません。 お気に入りは「奇跡の男」。これが一番魅力的な謎でした。そんなことってあり!? 謎解きにはなるほどなあ、と舌を巻くばかりです。 「密会の岩」も印象的。これ、あまりにもシンプルすぎる解決がある意味衝撃でした。何故気づかない? って思いつつ……気づかないよなあ、これは。
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バスの転落事故でたった一人生き残った男が、今度は宝くじに当たり……。この世にそんな男が存在する?ユニークなミステリ短編集
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