シルエット の商品レビュー
サイン会に参加したので、買った本を読了。 高校生の時に、この澄みきった文章と、一貫したテーマを書けるのがすごいと思った。 作者は、思慮深くて優しい方だったので納得。 この後はRedを読んでみようと思う。
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「どんな傷でも痛みだすのはきまってしばらくしてからだ」という作中のことばが、この小説のすべてなのかなとおもう。気づいたときにはもう遅くて、その痛みを隠すための絆創膏をほかの男で埋めることはできても、傷ができた事実は変わらない。傷痕が肌に残る場合も、消えてしまう場合もある。
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島本理生さんの作品をもう少し開拓してみたいと手に取った1冊。表題の「シルエット」は、時間が経ってしまって気付いたときにはもう遅い、みたいな感じが、秒速5センチメートルに似ている気がした。
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17歳のデビュー作であるという「シルエット」。特に刊行年関係なく島本理生さんの作品を読んでいたこともあり、いい意味で何処か磨く前の石のような粗さがあるような作品で。(雑でという意味ではないです。)でも確実にそこに島本理生さんの原点があるような(烏滸がましいけれど)そんな印象を抱いた小説でした。こんな感情の機微を、登場人物たちと同世代のときに書けてしまうなんて。でもそんな彼女だからこその葛藤とかがあったのだろうか。なんて、勝手に想像してしまった。
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透明感があって、静かで、そして切ない感じがする3つの短編。 それぞれ15才、16才、17才の時に書かれたものだそう。 作品の中に、ブラッドベリ、宮沢賢治、ヴォネガット、カポーティ、といずれも短編の名手の作品が書かれているのも興味深い。
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島本さんの初期の短編集。 その年代を思い出すこともできない程、若い作品。 「シルエット」2001年 17歳の時の作品 好きだった男の子と別れて、違う子と付き合ってみるけど、やっぱり気になってしまう元彼。 元彼の男の子をヤングケアラーとしている。20年以上前に高校生でこの設定を使...
島本さんの初期の短編集。 その年代を思い出すこともできない程、若い作品。 「シルエット」2001年 17歳の時の作品 好きだった男の子と別れて、違う子と付き合ってみるけど、やっぱり気になってしまう元彼。 元彼の男の子をヤングケアラーとしている。20年以上前に高校生でこの設定を使いまとめ上げています。 「植物たちの呼吸」16歳だと。 大学生カップル。父親が自殺して部屋を植物だらけにしている彼。離婚歴が多い母親を持つ彼女。 彼の帰りをまつ、ふたりのひとときのお話。 「ヨル」15歳で書いたんですと。 夜の匂いに誘われて。泣きたい夜にちょっと孤高な同級生に偶然出会う。それは、恋が始まる予感。 10代後半、人生で一番楽しいはずなのに、思春期というのか、沈みがちの気分です。その時期を乗り越える為の恋愛小説を書きたいんだろうなと思った。 微妙なバランスのショートを完成させていると思う。おませさん。
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島本さんの本はそんなに読んでないけれど相性が良いのか、言葉がするすると流れていて気持ちがいい。 シルエットの最後はなんとも言えない気持ちになる。 あのときこうしていればと思っても、時間が経ち過ぎていることがほとんど。 傷つくのも傷つけるのもこわくて もう恋から離れようとは思わ...
島本さんの本はそんなに読んでないけれど相性が良いのか、言葉がするすると流れていて気持ちがいい。 シルエットの最後はなんとも言えない気持ちになる。 あのときこうしていればと思っても、時間が経ち過ぎていることがほとんど。 傷つくのも傷つけるのもこわくて もう恋から離れようとは思わないたのだろうか それでも落ちてしまうのが人の性か
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やっぱり島本理生の巧みな描写を読むのが好きだ。主人公の着目する心情のセンスが好き。すごく心地よい。 思春期って孤独で誰かに触れてほしいけど、周りのみんなはみんなで大変そうで、頼ることが難しい。だからこそ新しい存在として“恋人”というところに行こうとするのかな。自分の思春期の頃の気持ちをなぞられた気がした。 冠くんが気づくように勇気を持って触れて、近づいて、包み込む、そんなことができればもっともっと思春期の子供たちも、少し遅れた思春期に悩む大人も救われるのにな。コロナになってそれは難しくなって、きっと孤独をさらに感じる人は多いだろうな、と思った。
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島本理生さんの作品。 本当に大好きな人。でもその人は女性に触ることに嫌悪感があり、徐々にすれ違うようになる。 のちに出会った彼の愛情に包まれて幸せなのに、昔の彼のことが心のどこかでは引っ掛かってる。 お互いに今更近づけない感じ、想いの描き方、最後の彼の様子を聞いた時の感情の動きが...
島本理生さんの作品。 本当に大好きな人。でもその人は女性に触ることに嫌悪感があり、徐々にすれ違うようになる。 のちに出会った彼の愛情に包まれて幸せなのに、昔の彼のことが心のどこかでは引っ掛かってる。 お互いに今更近づけない感じ、想いの描き方、最後の彼の様子を聞いた時の感情の動きが、嘘っぽくなくてスッと入ってきた。
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読みやすかった。 短編集って物足りない感じがしてあんまり読んでこなかったんだけど電車で読むのにちょうどいいことがわかった。
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