スクラップ・アンド・ビルド の商品レビュー
スクラップ・アンド・ビルド 羽田圭介 無職二十代の青年と祖父の生活を描いている。 祖父は死にたいと口にする。 青年はその言葉を正面から受け入れ、いかに楽に尊厳死させるか思案する。 青年と祖父の対比がされている。 結末は青年の遠方への就職が決まり、祖父を年後特養に入居させることと...
スクラップ・アンド・ビルド 羽田圭介 無職二十代の青年と祖父の生活を描いている。 祖父は死にたいと口にする。 青年はその言葉を正面から受け入れ、いかに楽に尊厳死させるか思案する。 青年と祖父の対比がされている。 結末は青年の遠方への就職が決まり、祖父を年後特養に入居させることとなる。 青年の思案している様子を平易な文章で表現している
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面白かった! まさにタイトルの通り、「スクラップ・アンド・ビルド」という一貫したテーマで物語が綴られている。祖父の思惑と、主人公の変化。ラストに至る過程まで、考えさせられるお話でした。
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ページ数も少なくすぐ読めた 老人介護を通して主人公が自分の若さを実感し、老いを恐れる感じが共感。 祖父母と同居してた時は、介護必要ないくらいには元気だったから恵まれてたんだな。 これ言えばそれ以上言ってこないことを見越して なにかあるとすぐ死にたがるのにイラっとするのは分かる
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テレビに出てきて、バスに乗ってどこかに行く小説家のおにーさんですが、「それで?」って言いたい作品でした。でも、「そうなんだ!」という感じも少ししました。で、これって、芥川賞なんですよね。なんだかすごい時代になってきましたね。
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家族による介護の限界も、 とはいえ家族だからこそ成り立つ介護も、 この小説は描いている 題名は老人と若者という対比かと思いきや、ひとは、壊れて、そして作られていくということだ 核心について多くを語らないところが好みだった
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「じいちゃんなんて早う死んだらよか」 祖父と孫の関係が悪くないからこそ悩む。 祖父の希望を叶えるために、体を弱らせて死なせてあげようと計画する。 心のスクラップ・アンド・ビルドなのかな 死にたいけど、生きて美味しいピザをたべたい 宣言子させたいけど、死んでほしくない 弱者を助け...
「じいちゃんなんて早う死んだらよか」 祖父と孫の関係が悪くないからこそ悩む。 祖父の希望を叶えるために、体を弱らせて死なせてあげようと計画する。 心のスクラップ・アンド・ビルドなのかな 死にたいけど、生きて美味しいピザをたべたい 宣言子させたいけど、死んでほしくない 弱者を助けることで優位に立ちたいけど、自立したい 自分の考えを壊すことで見えることがある 相手のことを考えると見えることがある そんなことを繰り返すことで、人は作られるのだろうか
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芥川賞受賞作というので買った一冊。 祖父と孫の日常の話だった。 苦しくなく死にたい祖父 密かに苦しくない死を祖父に与えようとしてる孫 変な関係だ この祖父本当に体のあちこちが痛く辛いのか? 本当は元気に動けるのか? わからなかった 母や孫も祖父に対し当たりが強い 祖父の...
芥川賞受賞作というので買った一冊。 祖父と孫の日常の話だった。 苦しくなく死にたい祖父 密かに苦しくない死を祖父に与えようとしてる孫 変な関係だ この祖父本当に体のあちこちが痛く辛いのか? 本当は元気に動けるのか? わからなかった 母や孫も祖父に対し当たりが強い 祖父の為だとしてもちょっときついのでは いろいろ違和感がある感じだった。 なんとく中途半端に終わったなと感じた小説でした。
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読みやすかったです!読んでいくうちにいずれ直面するであろう介護問題から自分が目を逸らしていたことに気づきました。積極的な介護は人を劣らせるからより介護をして尊厳死させようなんて、恐ろしい考えのように見えますがいずれ自分が耐えられなくなった時にしてしまいそうです。 積極的な介護で意...
読みやすかったです!読んでいくうちにいずれ直面するであろう介護問題から自分が目を逸らしていたことに気づきました。積極的な介護は人を劣らせるからより介護をして尊厳死させようなんて、恐ろしい考えのように見えますがいずれ自分が耐えられなくなった時にしてしまいそうです。 積極的な介護で意識だけはハッキリとしたまま現代の医学で糸ひとつで長生きさせる。昼も夜も分からなくなってただただ、天井を見つめる。地獄のような日々だと思いました。老人になるのが怖く、死ぬ勇気もないまま死にたいと願って生き続けるんだろうなと自分の未来が想像できます。 主人公が筋トレと共に自信を取り戻すがその自信はやせ細った祖父と無意識のうちに比べていたこと、そして積極的な介護をするうちにけんとの口調もおかあさんと似てきているのが怖かったです。 とても恐ろしい作品でしたが、それは将来私が介護するがわもされる側も経験することだからだと思います。
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2022.01 図書館借本 * 「介護は高齢者を楽にさせる分何もできなくさせている」っていう考え方はなるほどなと思う反面本当にそうなのか?とも思う。 とにかく主人公の思考が行き過ぎているのに、主人公目線だから自分が正しいと信じてやまない感じが気持ち悪かった。「死んだらよか」が口癖のおじいちゃんが可哀想でしょうがなかった。 楽をさせ続けておじいちゃんが死んじゃう結末なのかと思ってたから終わり方は意外だった。尊厳死以上のハッピーエンドで良かった。
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健斗はとてもいい子だなあ。 「もう死にたか」が口ぐせの、同居の半ボケの祖父にとても優しい。祖父の願いをかなえるべく、祖父の自立を奪うためなんでもやってあげる、と決意しているにかかわらず、この優しさは何なんだ・・ 小説だからといえばそれまでだが、健斗のこの優しさと思いやりがすがすが...
健斗はとてもいい子だなあ。 「もう死にたか」が口ぐせの、同居の半ボケの祖父にとても優しい。祖父の願いをかなえるべく、祖父の自立を奪うためなんでもやってあげる、と決意しているにかかわらず、この優しさは何なんだ・・ 小説だからといえばそれまでだが、健斗のこの優しさと思いやりがすがすがしい。このすがすがしさ、が読後感になっている。 あと、28才で会社をやめて求職中の身、ということで、家で腕立て伏せやランニングに勤しむ姿にも、若者のあふれ出るプラスのエネルギーを感じてしまった。 発表時羽田氏は30才。自立を奪うためになんでもやってあげる、という発想がなにか新鮮だ。これも30才という孫の目線のせいかな、と感じる。これが子供や嫁の立場で書いたら、こうはいかないだろう。 描写もおもしろい。 「苦痛や恐怖心さえない穏やかな死」「究極の自発的尊厳死」をかなえさせるため、何でもやってあげて、自立を妨げる決意をしている。新卒で入った会社を5年でやめここ1年は中途採用に向け求職中の身。「家に生活費を入れないかわりに家庭内や親戚間で孝行孫たるポジションを獲得し、さらには弱者へ手をさしのべてやっている満足に甘んずるばかりで、当の弱者の声など全然聞いていなかった」 羽田圭介氏はテレビの「路線バスの旅」でよく見かけて、この本で芥川賞を受賞したというのも知っていたが、読んだことはなかった。最近、氏のyoutubeで千葉雅也氏の「オーバーヒート」を押す動画をたまたま見て、羽田氏の本も読んでみようと思い読んでみた。 「文學界」2015.3月号 2015年(平成27)上半期・芥川賞受賞 「火花」とW受賞 2015.8.10第1刷(単行本) 図書館
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