恩讐の鎮魂曲 の商品レビュー
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まさかの恩人稲見教官が被告人。 御子柴に任せてたら情状酌量有りになって何なら無罪も勝ち取れてたかもしれないけど、 弁護人に協力するどころか、性根が真っ直ぐで曲がったことが大嫌いという稲見教官らしく「罰を与えて下さい」の一点張り。 「犯した罪には相応の罰をもって償う」そう教えてきた自分が無罪になるのは今までの自分を否定すること、かつ無罪の為に〈緊急避難〉の適用になるのはあの悪辣な獣と同じになるから耐えられないーーー。 …という稲見の気持ちもわからんでもないけど、極悪非道の輩から他人を助ける為の行為だったんだから無罪とまでいかずとももう少し減刑を望んでもいいはずでは…?と思わずにいられないなぁ… でも御子柴が思う贖罪と稲見が思う贖罪の意味が違うと言われてしまうともう何も言えないな… 贖罪とは? 改めてその意味を考えさせられる…
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オーディブルにて。 すっかり御子柴弁護士の虜になって3作目。このシリーズは毎回出し惜しみなく重要人物が被告人になるのが面白い。今回は父のように慕う恩師。1作目で描かれた御子柴弁護士の医療少年院時代を思い出しながら読んだ。 冒頭の韓国船沈没事件による「緊急避難」の適用事例から、リー...
オーディブルにて。 すっかり御子柴弁護士の虜になって3作目。このシリーズは毎回出し惜しみなく重要人物が被告人になるのが面白い。今回は父のように慕う恩師。1作目で描かれた御子柴弁護士の医療少年院時代を思い出しながら読んだ。 冒頭の韓国船沈没事件による「緊急避難」の適用事例から、リーガルサスペンスの面白さが詰まった作品。これまでのヒーロー弁護士作品にありがちな、警察が見逃した決定的な物証を弁護士が見つけて突きつけるというよりは、御子柴弁護士は弁論によって相手の心証を操作するという、どちらかというとリアルな弁護士であるところがこのシリーズの面白いところ。本作はまさにそんな巧みな弁論が見所だった。
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面白すぎて止まらない。 前巻同様、途中で話が読めたかも!って思うのに更にその上をいく展開に「!!」ってなりながら終焉を迎えます。 罪について考えさせられる内容。良い事と悪い事の境界線は紙一重であり解釈によって大きく変わってしまうということを目の当たりにした感じがする。
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御子柴の更生施設時代の恩師である稲見教官が特別養護老人ホーム「伯楽円」で殺人を犯したと知り、弁護をしていくストーリー。 供述調書では稲見は全面的に罪を認めているが、偕楽園の入居者の話と細部で異なる箇所があり、突き詰めていくと日常的に入居者の虐待があったことが判明する。 また、被害者の栃野がブルーオーシャン号転覆事件で女性から救命胴衣を奪い取り、殺した人物であることも発覚した。その際には暴行罪で起訴されたが、刑法37条の「緊急避難」を理由に無罪となっている。 公判で御子柴はある人物の虐待を止めるための行為であったということで「緊急避難」を根拠に無罪を主張したが、稲見自身が自らに殺意があったこと、罰を与えてほしいことを伝えたためか、懲役六年と無罪は勝ち取れなかった。 かつての恩師である稲見教官への恩返しをしたいという御子柴、「緊急避難」を理由に無罪とされた被害者と同じ「緊急避難」として無罪になりたくないという稲見の心情どちらも理解できた。
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韓国船の沈没事故で、書生から救命胴衣を奪った 男性が裁判で無罪となった。一方、恩師・稲見が 殺人容疑で逮捕されたため、御子柴は弁護人に 名乗り出る。
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今回は御子柴の恩師ということもあり、何が何でも無実をつかもうと必死にもがいていた。 大声を出したりイラついたり絶望したり、感動したり…。 人間らしくなった御子柴を見ることができた。 まさか、前回出た子が御子柴の心を救ってくれるとは…!
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御子柴シリーズすごい! 緊急避難の解釈は目から鱗。 「目には眼を」的な弁護方針に、「やるじゃん!」と思わず呟いてしまった程。 色んな裁判小説を読んできたけれど、今まででBestシリーズ。
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「御子柴礼司」のリーガルミステリーシリーズ第3弾。 冒頭から2014年のセウォル号沈没事故を彷彿とさせる描写から始まり、場面がリアルすぎて鳥肌がたった。 今回は御子柴礼司の少年院時代の恩師、稲見の弁護をする話。 さすが、逆転劇を読者に予想させない中山七里先生。 今回もここがつなが...
「御子柴礼司」のリーガルミステリーシリーズ第3弾。 冒頭から2014年のセウォル号沈没事故を彷彿とさせる描写から始まり、場面がリアルすぎて鳥肌がたった。 今回は御子柴礼司の少年院時代の恩師、稲見の弁護をする話。 さすが、逆転劇を読者に予想させない中山七里先生。 今回もここがつながったか!と思わず声を漏らしてしまった。 シリーズ第1弾から読んでいるので、 「冷静沈着な御子柴が、こんなにも感情的になるのか!!」というのが率直な感想。 その意味では、御子柴の人間らしさの成長を感じながら読むと、また違った面白さがあるかもしれない。
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御子柴シリーズ3段 今回は加害者が御子柴の少年院時代の教官ということで、御子柴の人間らしさが表にでる作品。 1作目でチラリと出てきた教官の存在感はすばらしく、やはりいつか2人は合いまみえないといけないのだろうな、と思っていました。 それぞれの信念が 「最後の証人」に通じるところ...
御子柴シリーズ3段 今回は加害者が御子柴の少年院時代の教官ということで、御子柴の人間らしさが表にでる作品。 1作目でチラリと出てきた教官の存在感はすばらしく、やはりいつか2人は合いまみえないといけないのだろうな、と思っていました。 それぞれの信念が 「最後の証人」に通じるところを感じました
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御子柴礼司シリーズ第3作目。 前作の衝撃からどう展開するかと思いきや、またしても御子柴を揺さぶる事件を担当することになる。 痛快な法廷ミステリーのつもりで読み始めた御子柴礼司の活躍も、事件に携わる人間模様や心情、そして何より御子柴礼司の成長が見て取れるようになってきている。 少年...
御子柴礼司シリーズ第3作目。 前作の衝撃からどう展開するかと思いきや、またしても御子柴を揺さぶる事件を担当することになる。 痛快な法廷ミステリーのつもりで読み始めた御子柴礼司の活躍も、事件に携わる人間模様や心情、そして何より御子柴礼司の成長が見て取れるようになってきている。 少年院の教官で御子柴の指針となった稲見が殺人事件の罪に問われ、御子柴は強引な手段を使い弁護を買って出る。はたして老人ホームで起きた本当の出来事とは?御子柴と稲見の関係は? 徐々に明らかになる謎と、その構成の巧みさに先が気になりやめられなくなる。 意外な真実が明らかになった時、何を思うのか。…なんて面白いシリーズなんだ。
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