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無言館 の商品レビュー

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2020/09/28

ところどころで著者の生い立ちが語られているが、その部分ははっきり言って余計だった。 というより、それは半ば懺悔のようで公にすることではないと感じた。 その著者が「無言館」を創設するまでの話が書かれている。 無言館に展示するための絵画を、遺族から引き取りに行く場面が多く、その時の遺...

ところどころで著者の生い立ちが語られているが、その部分ははっきり言って余計だった。 というより、それは半ば懺悔のようで公にすることではないと感じた。 その著者が「無言館」を創設するまでの話が書かれている。 無言館に展示するための絵画を、遺族から引き取りに行く場面が多く、その時の遺族との遣り取り、戦没画家たちがどのような人物でどのように絵をかき、どのように死んでいったかということが語られている。 何人かの遺族の言葉に、「多くの人に絵を見てもらいたい」というのがあり、印象的だった。 若くして非業の死を遂げた彼ら画家本人にしても、思いは同じではないだろうか。 むしろ、本人たちの意を汲んで遺族の想いや言葉があるのかもしれない。 まだ画学生だった彼らの絵は、発展途上であるかもしれないが、その後の彼らの運命を考えると画面が違って見えてくるかもしれない。 もっとたくさん絵を描きたかったであろう彼らの気持ちを思うと切ない。

Posted byブクログ