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素顔の西郷隆盛 の商品レビュー

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28件のお客様レビュー

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2023/12/24

西郷の生涯とその時代をかなり平易に解説されている書。 西郷の思想原点の一つは、奄美大島。中世で取り残されたこの地では「ヒザ」という奴隷身分が存在した。平等思想を信望していた西郷はこれを「奴隷解放」した94 新政府軍として江戸城に入った西郷には、唯一欲しいものがあった。それは二...

西郷の生涯とその時代をかなり平易に解説されている書。 西郷の思想原点の一つは、奄美大島。中世で取り残されたこの地では「ヒザ」という奴隷身分が存在した。平等思想を信望していた西郷はこれを「奴隷解放」した94 新政府軍として江戸城に入った西郷には、唯一欲しいものがあった。それは二宮尊徳の農書。これを天下に刊行したいと思っていたという168

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2023/08/06

西郷隆盛の本はだいぶ読んだが、一生を客観的に記載されており、歴史学者ならではの評伝である。 西郷隆盛を知れば知るほど、わからなくなる。だからこそ、西郷は語り継がれていくのが理解できた。

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2023/02/22

この本を読んで、西郷隆盛の姿をより深く知ることができました。 本の帯にあるように、彼が「愛すべき異端児」でありながら、新しい日本国家を作るために徹底した破壊を断行したことから、畏敬の念と感謝の情を抱かざるを得ません。 西郷隆盛は強烈な個性をもった男であり、「傷がある金の玉」という...

この本を読んで、西郷隆盛の姿をより深く知ることができました。 本の帯にあるように、彼が「愛すべき異端児」でありながら、新しい日本国家を作るために徹底した破壊を断行したことから、畏敬の念と感謝の情を抱かざるを得ません。 西郷隆盛は強烈な個性をもった男であり、「傷がある金の玉」というような存在であったと聞いて納得できました。 彼は少年時代から「ややこしい奴」であり、「面倒くさい男」、本人が述べている「始末に困る人」ではあったとのことです。 しかしながら、「観念を現実に具体的に変換する能力」や「人間平等の原理」を持ち、大久保のように「規格内の人材リーダ」ではなく、「規格外の人物リーダ」として活躍していきました。 国内で内戦するのではなく、国防に重点を置き、近隣諸国とは親善外交を促進する方針を固めていった、ということもわかりました。 私は西郷隆盛の情緒的には、空間的に離れたところへ行くと、その誰かと同じ気持ちになる性質を持っている「餅のような男」や金銭感覚としての「子孫のために美田を残さない」といった人生観に引き付けられました。 こういうことで、「完全無欠の銀玊」よりも、「傷あり金の玉」だからこそ、現在でも日本国民や鹿児島県民に親しみを持って慕われている存在だと再認識しました。 本書をベースに、周辺の人物や時代背景、近代日本史について、さらなる興味が湧いてきました。 以上

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2022/11/19

再読したいと思わせてた本。 磯田さんの本は好きだが中でも好きな本の一つ。 学生時代に読みたかったな〜と思った

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2022/08/19

幕末の志士の中でも豪傑なイメージのあった西郷隆盛だが、意外と繊細でお茶目な一面もあったのかもしれない。 しかし、力があればその力を使い、決める時は決める。幕末の戦時のリーダーとしての振る舞いは感銘を受ける。

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2021/06/04

今回も磯田先生の本です。大河「西郷どん」で時代考証も担当されました。 西郷については「翔ぶが如く」を読んだし、「西郷どん」も見たのですが、何か人物像がモヤモヤしてはっきりつかめません。 本書を読んでも結局、西郷には色んな側面がありモヤモヤ感はとれなかったです。 そんな中、印象...

今回も磯田先生の本です。大河「西郷どん」で時代考証も担当されました。 西郷については「翔ぶが如く」を読んだし、「西郷どん」も見たのですが、何か人物像がモヤモヤしてはっきりつかめません。 本書を読んでも結局、西郷には色んな側面がありモヤモヤ感はとれなかったです。 そんな中、印象に残ったのは、「瑕ある黄金の玉、瑕なき銀の玉」という言葉ですね。 これは薩摩の有名な人が残した言葉で、前者を西郷、後者を大久保で評したものです。 愛すべき欠点はあるがすごく愛される西郷と、完璧だが愛されない大久保。うまく言ったなと思いました。

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2021/12/20

質素倹約・自己犠牲をいとわない、他者を自己と同一化する優しさと、調査・分析を怠らない冷徹さを持った革命家の一生を描いたノンフィクション。 司馬遼太郎「翔ぶが如く」やNHK大河で終わっていた革命家としての西郷隆盛を深掘りしてくれた作品。 家族にとって困った長男坊という著者の指摘...

質素倹約・自己犠牲をいとわない、他者を自己と同一化する優しさと、調査・分析を怠らない冷徹さを持った革命家の一生を描いたノンフィクション。 司馬遼太郎「翔ぶが如く」やNHK大河で終わっていた革命家としての西郷隆盛を深掘りしてくれた作品。 家族にとって困った長男坊という著者の指摘には苦笑いしかできないぐらいその通りだと思う。

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2020/05/05

西郷隆盛って、実はよく知らない気がしてね。幕末の英雄というと坂本龍馬がすごい有名だし、小説やドラマでなじみがある。土方歳三も新撰組で印象が強い。でも、それらにたいてい大物の脇役として出てくる西郷隆盛って、なんでそこまで有名だったのか、というとイマイチよくわからない。それほど身分は...

西郷隆盛って、実はよく知らない気がしてね。幕末の英雄というと坂本龍馬がすごい有名だし、小説やドラマでなじみがある。土方歳三も新撰組で印象が強い。でも、それらにたいてい大物の脇役として出てくる西郷隆盛って、なんでそこまで有名だったのか、というとイマイチよくわからない。それほど身分は高くなかったみたいだけど、いつのまにか有名になり、実力者になり、という印象で、きっかけがわからないんだよね。島流しにもあってるし、二度も島流しになっているにも関わらず、連れ戻されている。その理由がいまいちわかんないんだよね。 そのあたり、実をいうとまだピンとこないところはある。やっぱり、いつのまにか、なんだよね。 ただ、有名になったあとの西郷像というのは、とてもよくわかった気がする。こういう人がいたんだね。闇をかかえつつ、仁というか徳というか、人格者だったのだろう。闇というのも、新しい国家をつくるため、という大義があってのこと。一貫した人物であり、強烈な個性だったのだろうな。 歴史を読む、学ぶ面白さを感じられる本だった。

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2020/05/04

薩摩藩主・島津斉彬を尊敬心酔した西郷隆盛は、明治維新の最大の立役者であったにも拘らず、西南戦争で賊軍の将として自決するに至ったのか。歴史学者【磯田道史】が、西郷隆盛の素顔の人物像と、維新の舞台裏に迫った興味をかき立てる歴史読み物。天下の豪傑は誰かと問われた西郷曰く〝味方だけでなく...

薩摩藩主・島津斉彬を尊敬心酔した西郷隆盛は、明治維新の最大の立役者であったにも拘らず、西南戦争で賊軍の将として自決するに至ったのか。歴史学者【磯田道史】が、西郷隆盛の素顔の人物像と、維新の舞台裏に迫った興味をかき立てる歴史読み物。天下の豪傑は誰かと問われた西郷曰く〝味方だけでなく、敵にも信頼されるのが豪傑。先輩では藤田東湖(水戸)、後輩では橋本佐内(越前)だけである〟と。その佐内が生きていたなら(安政の大獄で斬首)、新時代に西郷が生きられる場所を見つけてくれていたかもしれない、という著者の見解に共鳴する。

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2019/06/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

勉強熱心な長州藩では、とかく抽象的な議論がまかり通るため、しまいには成否に関係なく討ち死にしても良いと言う話になりがちでした 斉彬の考え方は、大雑把に言えば、アジアは西洋から辱めを受けてはならない、日本は一つとなって西洋列強に立ち向かわなければならない、と言うものでした 西郷はせっかちな人に多い、味の濃い、塩辛いものが好きでした 西郷の目的は、最初から朝鮮を攻めとろうと言うのではなく、朝鮮も共に近代化しよう言うことにあったと思います 古文書を読むとき、どういう目的でその資料が作られたか、きちんと見る必要があります 要するに、結局は人であり、人間が世の中を動かしている。制度や法律の類ではなく、人間が物事を動かしていることに核がある

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