手のひらの幻獣 の商品レビュー
三崎ワールド.それは現実ファンタジー.現実と同じなんだけどなにかどこか一つクリティカルに違う要素があるパラレルワールド. 今回は「幻獣のだせる世界」. 全く新しい世界観のSFや現実社会の中での話よりもよっぽど「似て非なる世界」で物語を紡ぐのは難しいんじゃないかと思う. その中で,...
三崎ワールド.それは現実ファンタジー.現実と同じなんだけどなにかどこか一つクリティカルに違う要素があるパラレルワールド. 今回は「幻獣のだせる世界」. 全く新しい世界観のSFや現実社会の中での話よりもよっぽど「似て非なる世界」で物語を紡ぐのは難しいんじゃないかと思う. その中で,人同士の諍い,組織同士の争い,その世界独自の恋愛を描いていて本当に不思議な感覚になる. そう,脳がいい意味でバグる.クセになる.
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「表出者」と呼ばれる、幻獣で動物などのイメージを作り出す能力者の女性、日比野柚月さんのシリーズ 民間の業者「ハヤカワ・トータルプランニング」に在籍して、各地で「表出」を仕事としてこなしていく「異能力お仕事モノ」中編二作と初収録の一作 お仕事モノと書きましたが、そういう枠でも収ま...
「表出者」と呼ばれる、幻獣で動物などのイメージを作り出す能力者の女性、日比野柚月さんのシリーズ 民間の業者「ハヤカワ・トータルプランニング」に在籍して、各地で「表出」を仕事としてこなしていく「異能力お仕事モノ」中編二作と初収録の一作 お仕事モノと書きましたが、そういう枠でも収まらない話でした。 別の短編集で「動物園」「図書館」を読み今回は「研究所」「遊園地」と場所名ではない「屋上の波音」を読む。 「研究所」は日野原さんが能力を向上させた施設、その話の中で最初に能力を発現させた場所として登場するのが遊園地だったことが明かされる。 そのまま二編目「遊園地」へ、話に出た遊園地とは別の場所ではあるのものの、日野原さんの過去や、想いを寄せる社長(ハヤカワ)の過去へと向かっていく。 最後の「屋上の波音」はエピソードゼロ、日野原さんと社長の出会いが描かれ短いながらもこれまでの話(二人にとっては未来)のモチーフが所々出てくる。 「表出」と言う力自体が、過去の戦争中の兵器利用やら国家の秘密に関わってくる感じがいつもの三崎作品っぽい。 人の心を操ったり壊しかねない危険な力であり、これまでの「図書館」「研究所」でも事故がかなり起きてるので、そりゃ危険視されてしまうのも、無理がないかなと思ってしまった。 心ある「檻」「 誰か」「過去」に囚われることなどのテーマと、心に深く結びついた能力の関係がいつもながら独特の世界観で楽しめました。 今回でこのシリーズは完結 でも、今後の作品で登場する動物たちのなかに表出者が作り出したものが混ざってないともわからないので、気にしながら読んでいこうと思う。
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心の中に作り出した動物のイメージをあやつる異能力を持つ「表出者」の日野原柚月。十万人に一人といわれる彼らが集まる企業に勤めて早くも十年。孤独を感じながらも安定した日々を送っていた。そんなある日、できたばかりの新研究所を警備する業務を任される。しかしそこには表出者のパワーを増幅する...
心の中に作り出した動物のイメージをあやつる異能力を持つ「表出者」の日野原柚月。十万人に一人といわれる彼らが集まる企業に勤めて早くも十年。孤独を感じながらも安定した日々を送っていた。そんなある日、できたばかりの新研究所を警備する業務を任される。しかしそこには表出者のパワーを増幅する禁断の存在が隠されていて…。日常化した非日常を緻密に描く“三崎ワールド”全開!
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一箇所だけ極端に非現実的である社会を舞台にして、綿密に世界観やルールを作り上げ、そのルールの中で一般人には分からないところで活躍する人たちの葛藤を描く三崎作品。 頻繁に読みたい作家さんではありませんが、たまに触れるとすごく引き込まれてしまう不思議な魅力があります。 過去の短編とリ...
一箇所だけ極端に非現実的である社会を舞台にして、綿密に世界観やルールを作り上げ、そのルールの中で一般人には分からないところで活躍する人たちの葛藤を描く三崎作品。 頻繁に読みたい作家さんではありませんが、たまに触れるとすごく引き込まれてしまう不思議な魅力があります。 過去の短編とリンクしているようですが、残念ながら覚えていなかった。
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面白かったです。 一冊まるごと「日野原さんシリーズ」でした。 先行の「動物園」「図書館」の面々も出てきて、そしてまた新たな生物?も出てきてわくわく読みました。 研究所やSKエージェンシー、文教庁と科学庁、同盟国…表出者を取り巻く思惑が国家規模というところ、三崎さんだなと思いました...
面白かったです。 一冊まるごと「日野原さんシリーズ」でした。 先行の「動物園」「図書館」の面々も出てきて、そしてまた新たな生物?も出てきてわくわく読みました。 研究所やSKエージェンシー、文教庁と科学庁、同盟国…表出者を取り巻く思惑が国家規模というところ、三崎さんだなと思いました。 でも何もかもわりと社長の手のひらのような気がしました。絶大な力を持つ社長、「遊園地」の違和感はやはりと思いました。 日野原さんと社長の出会いを描いたお話も入っていて良かったです。日野原さんの行動力はこんな過去があったからなのだとわかりました。 「表出」という能力はやっぱりとても面白いです。日野原さんは動物しか出せないけど、社長は生物、無機物、自然現象…全部出せるなんて。。 これで日野原さんシリーズは一旦終わりのようですが、またどこかの三崎ワールドでひょっこり出てこないかな、と思いました。
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本当は存在しない生き物を、 あたかも目の前にいるかのごとく表出させる、 一種の超能力者のお話。 読み始めて少ししたら、 「この話は読んだことがあるような...」 と思ったのですが、半分正解で半分間違い(^ ^; 正解は、同じ主人公の出てくる「シリーズ物」で、 その第一作が他の...
本当は存在しない生き物を、 あたかも目の前にいるかのごとく表出させる、 一種の超能力者のお話。 読み始めて少ししたら、 「この話は読んだことがあるような...」 と思ったのですが、半分正解で半分間違い(^ ^; 正解は、同じ主人公の出てくる「シリーズ物」で、 その第一作が他の短編集に入っていたのを読んだ、 ということでした。 最初は、動物園で「皮膚病にかかってしまったライオン」 の代わりに、元気なライオンを「見せて」 子どもたちを喜ばせているような話でしたが... 徐々に話のスケールがでかくなり、 どんどんきな臭い「大人の事情」が絡んできて... 最終的にはかなりスケールのデカイ話になる。 それでも、細かいところまで設定に手を抜かないので、 不思議なリアリティを感じるのが三崎節(^ ^ いつの間にか「正義の側」に肩入れしてしまう。 が、悪も単純な悪ではなく、いつものように 「元々の設定が変」なだけであって、 きっちりと人間ドラマとして成立している。 これぞ、三崎亜紀ってかんじ(^ ^ ただ、私が三崎節に慣れてきたせいかも知れませんが、 今作は結構「先が読める」ストーリー運びで...(^ ^; その分、☆一つ減らしてみました(^ ^; 面白くない訳では、ぜんぜん無いです(^ ^ また、いきなり本作から読んでも無問題です(^ ^
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書店で見かけて慌てて購入。出ているのを知らなかった……。 SFはSFなのだが、ハヤカワ系でも創元系でもない。『となり町戦争』からずっとテイストが変わらないのも、考えてみればけっこう凄いんじゃないだろうか。
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