民法 第10版 の商品レビュー
「我妻栄」 名前だけは知っている民法学者であり、私が行政書士の学習をしていたときにもしばしば目にする人物であった。 一通り民法の学習はしてはいたが、我妻栄の本は読んだことがなく、この度読んでみた。 まず驚いたのが、民法は一般的には「総則」「物権」「債権」「親族」「相続」というよ...
「我妻栄」 名前だけは知っている民法学者であり、私が行政書士の学習をしていたときにもしばしば目にする人物であった。 一通り民法の学習はしてはいたが、我妻栄の本は読んだことがなく、この度読んでみた。 まず驚いたのが、民法は一般的には「総則」「物権」「債権」「親族」「相続」というように解説がなされるのだが、我妻栄はその方式を取らず、「序論」「財産法」「家族法」と解説しており、初学者にわかりやすく個別具体的な現象に留意しながらの解説となっている。 かつ我妻栄が「泰斗」と呼ばれるのは、その「話の旨さ」とでも言うべき記述である。詳細は省くが、法律論のみに終始せず、歴史や経済、道徳の要素も交えながらの法律の解説は目を見張るものがあった。「ここでこの話がほしい」ときに見事に文章を綴っている。 もう我妻栄は世を去って50年になろうとしているが、その我妻栄の民法の精神はどこまで受け継がれていくだろうか。2017年に120年ぶりともいわれるの民法の大改正があったが、彼もそろそろお役御免となるのだろうか。この本を読む限りは、まだそうなるとは思えなかった。
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181117 中央図書館 予備知識の多寡によって読者を選ぶかもしれないが、権威あるスケルトンとしては良いのではないだろうか。
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