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小笠原諸島の混合言語の歴史と構造 の商品レビュー

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2019/10/13

小笠原の欧米系島民が仲間内で使用する、日本語を基盤に英語を混ぜた「混合言語」に関する研究書。といっても、英語の知識がなくても十分に理解可能、かつ小笠原の歴史・社会・文化・方言(著者は元々、日本語方言の研究をしていたそう)的側面からも大変面白かった。 そもそも、小笠原に人が定着し...

小笠原の欧米系島民が仲間内で使用する、日本語を基盤に英語を混ぜた「混合言語」に関する研究書。といっても、英語の知識がなくても十分に理解可能、かつ小笠原の歴史・社会・文化・方言(著者は元々、日本語方言の研究をしていたそう)的側面からも大変面白かった。 そもそも、小笠原に人が定着した始めが、欧米系・ポリネシア系(太平洋諸島民全体を表してカナカ人と言うとか)移民だとは、恥ずかしながら知らなんだ (^^;) また、この「混合言語」(実際の話者が何と呼んでいるのか、最後まで分からなかったけど…)が、ルー語(「Togetherしようぜ!」で一世を風靡した某芸人の話し言葉)とは全然違う、一つの言語体系を持つことを、史実と丁寧なフィールドワークから明かした努力は凄いもんだ。できるなら、もう少しこの言語の規則性(日本語に英語を織り込むルール)や使用例が知りたかったかな。 著者は長年日本で研究しているだけあって、文章や表現もまったく問題なし。それだけに校正ミスと思われる箇所が目に付くのが残念。

Posted byブクログ