定年入門 の商品レビュー
定年入門 高橋秀実著 無理にイキイキしなくても 2018/3/24付日本経済新聞 朝刊 タイトルに「入門」とあるが、定年後にぴったりな趣味や、年金のやりくりの仕方を説く指南書ではない。今年で57歳になるノンフィクション作家が、定年を迎えた人たちを取材しながら「定年とはなに...
定年入門 高橋秀実著 無理にイキイキしなくても 2018/3/24付日本経済新聞 朝刊 タイトルに「入門」とあるが、定年後にぴったりな趣味や、年金のやりくりの仕方を説く指南書ではない。今年で57歳になるノンフィクション作家が、定年を迎えた人たちを取材しながら「定年とはなにか」を考えたコミカルなエッセー集だ。 自営業で定年がない著者は、そもそも定年は「年齢差別」では、との疑問を抱く。成り立ちを調べると、江戸時代の大奥で30歳を超えた女性が殿様の相手を断る制度に端を発することがわかる。ますます「おかしい」と憤るが、実際に定年を迎える人たちは「しょうがない」「そんなもの」と気にもとめない様子。そんなことより「とにかく早く辞めたい」という人が多い。 辞めたい理由はそれぞれで、世の中に貢献したいという人もいれば、単にだらしない生活をしたいという人も。月に3週間、沖縄の離島に住んでウエーターのアルバイトをしながら島民との交流を楽しむ元パイロット、とにかく時間をつぶせる趣味を探して陶芸にたどり着いた元メーカー社員、辞めてからも業界関係者とのゴルフに通い詰める元出版社役員ら、十人十色の定年後が描かれる。 やっていることは何であれ、それぞれ幸せそうにしているのがミソ。定年後、無理にイキイキと過ごす必要はないのだというメッセージが込められている。(ポプラ社・1500円)
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ノンフィクション作家である著者には、定年がない。周囲の人々が「定年なんで」と去っていく中で、「定年とは何なのか?」を考え、定年を迎えた人々へのインタビューをまとめた1冊。 働き方や趣味、自分の人生をどう生きるか…といったところから、夫婦の在り方だとかその辺りにも想いを馳せる事にな...
ノンフィクション作家である著者には、定年がない。周囲の人々が「定年なんで」と去っていく中で、「定年とは何なのか?」を考え、定年を迎えた人々へのインタビューをまとめた1冊。 働き方や趣味、自分の人生をどう生きるか…といったところから、夫婦の在り方だとかその辺りにも想いを馳せる事になった。なんというか、定年後もずっと夫婦仲良く暮らしている人は本当に幸せそうである。 冒頭の、「定年制」が禁止されている国も多い、というのには驚いた。まじか。定年したくないのか。個人的にはなにやら憧れすら伴う言葉なのだけど、と思っていましたが、わかりました。おそらく私は「隠居」という言葉とイメージを混同させているようだ。 「隠居は日本の伝統的な制度で、日本人は若いうちから隠居したがるのだという」…。まったくその通りだと思います。
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著者の書くものは、読んでスッキリするようなものではないことはわかっているのだが、それにしてもこれはちょっとどうなのか。個々人の例の羅列で、正直「それで?」という感じ。副題に期待して読み出したのだけど、残念だった。
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