地図から消される街 の商品レビュー
東日本大震災の実態に、はじめてちゃんと向き合う事が出来た。震災に遭った人々の暮らし、原発、除染作業の実態など、現場の人々の苦渋の声がリアルに聴こえてきた。 生の声を聴いているような臨場感のある取材内容が、読者自身へも筆者の焦燥感や憤りを感じさせてくれました。
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高崎市立図書館から借りた。 東電や福島県、東京都、政府などいろいろな想いがあると思うけど、泣きを見てるのは避難民。 コロナ禍中の今では、経済苦で自殺した人も一定数いたんだろうな。
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福島第一原発のガレキ撤去時に東電社内基準の5倍の汚染がされたと書く。 だが、東電の基準は国の通知基準の1/10であることを書かない(=国の基準の半分の汚染)。 朝日新聞社員の鑑ですね。 珊瑚はお大事に。 https://seisenudoku.seesaa.net/articl...
福島第一原発のガレキ撤去時に東電社内基準の5倍の汚染がされたと書く。 だが、東電の基準は国の通知基準の1/10であることを書かない(=国の基準の半分の汚染)。 朝日新聞社員の鑑ですね。 珊瑚はお大事に。 https://seisenudoku.seesaa.net/article/499807339.html
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
タイトル通り、「言ってはいけない真実」が赤裸々に、取材をもとに書かれていて衝撃。 衝撃、っていうのはちょっと違うかも。なんとなく、そうだろうなと想像できたことだが、政府もマスコミも、いろいろと都合が悪くて公にできないことを、ちゃんと取材して明らかにしているのだ。 例えば、大手ゼネコンが福島で請け負っている「除染作業」の真実。ろくにちゃんと除染してないし、全国から身寄りのない日雇い労働者が仕事を求めてやってきて、低賃金で働かされて、中間業者が搾取してることとか。 なんか、想像はできる。 なぜそれがちゃんと報道されないかというと、「除染がちゃんと進んでいない」ということが公になると、地元の人たちも困るから(風評被害とか)、みたいな変な理屈。いや、地元の人はちゃんと除染してもらわないと帰れないでしょう!! 地元で東電に現地採用された若者や、下請けで原発関連で働いていた人達が、いかに肩身の狭い想いをしているか、という話にも本当に胸が痛んだ。 一番、自分だったら…と感情移入してしまい、切なかった事例が、事故があった原発から近いが、「避難指示区域」ではない町に住んでいた女性が、子どもを連れて「自主避難」した例。避難指示区域ではなくても、これまでより放射線量が上がっていて、母として、子どもを守るために東京に自主避難。夫は、「気にし過ぎ」「俺の仕事や、家のローンもあるんだぞ」と妻と対立。一家はバラバラに…。このようなパターンは本当に多いらしい。今までにも聞いたことがある。 母の気持ちを、私はよくわかる。私でも絶対にそうする。家なんてどうでもいい。これから子どもを生む可能性がある娘や息子がいるのに、ほんの少しでも、目に見えない危険がある場所に住むわけにいかない。放射能の影響は、何十年後にしかわからない。何が正しい選択かなんて、誰にもはっきりとはわからない。わからないなら、子どものために安全を一番に考える、それが母の考え方だ。 この女性は子供と東京で暮らし、夫に理解されず孤立し、生活費も送ってもらえず、困窮し、心身ともに病んで、自死を選んでしまう。夫に収入があるために適切な援助も受けられなかった。最悪だ。 しかしこの場合、いやいや…まずその「夫」が子供の学費や生活費は出すべきでしょう!と思ってしまう。 いやしかし!!!もともとは、原発事故がなければそんなことにはならなかったんだ。 これまで、東電の責任が追及されたり、津波の危険性がどれほど認識されていたのかが問題になってきたけど、でも本当は違うのでは?と私は思う。原発推進を黙認し、原発で生み出された電力を利用してきた私たち国民、全員の責任ではないの? なぜ責任のある人がだれも、原発ゼロにすると言わないの?なぜ再稼働が進んでいるの? いろんな面で疑問や憤りを覚え、福島第一原発の周辺で暮らしていて、あの日から当たり前の日常を奪われてしまった人たちのことを想うと辛くて、申し訳ない気持ちにすらなってしまった。
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時代によって”不都合な現実”とされている事は常に在るのだろう。 福島とそこにまつわる人々の現実は、そんな”不都合な現実”の一つなのかもしれない。 だからと言って、都合よく扱われて、無かったことにされて済むことでは無い。 まずは、自分にとって”知らなかったこと”にしないことだと思う...
時代によって”不都合な現実”とされている事は常に在るのだろう。 福島とそこにまつわる人々の現実は、そんな”不都合な現実”の一つなのかもしれない。 だからと言って、都合よく扱われて、無かったことにされて済むことでは無い。 まずは、自分にとって”知らなかったこと”にしないことだと思う。 それは、現実なのだと、認識することだと思う。 著者青木美希さんのドキュメンタリーを、本書も含めて数冊読んできた。 物語ではなく、その根源に在る、人々の声をすくい上げた著作は、今私たちにとって必要なのだと思う。 多くの情報が氾濫する中で、生の声に耳を傾けることが極端に少なくなっている気がする。 あるいは、都合の悪い話しはさらに聞こえてこない。 考える為の生の現実にこうして出会えた事に感謝する。
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知ろうと求めなければ知らないままだった。 同じ国に住んでいる人として、少なくともあの未曾有の災害の結果として、なにが起こっているのか、無知なままでは居られないと思う。 たとえ直接的に助けとなれなくとも、知っていなくてはと思った。
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青木美希氏は、札幌市出身、1997年に北海タイムスに入社、北海道新聞を経て、2010年に朝日新聞に入社。朝日新聞社の原発事故検証企画「プロメテウスの罠」に参加し、以降一貫して福島第一原子力発電所事故のその後を追い続けている。 本書は、上記原発事故を7年に亘り取材した内容をまとめて...
青木美希氏は、札幌市出身、1997年に北海タイムスに入社、北海道新聞を経て、2010年に朝日新聞に入社。朝日新聞社の原発事故検証企画「プロメテウスの罠」に参加し、以降一貫して福島第一原子力発電所事故のその後を追い続けている。 本書は、上記原発事故を7年に亘り取材した内容をまとめて2018年3月に発表され、貧困ジャーナリズム大賞、日本医学ジャーナリスト協会賞特別賞、平和・協同ジャーナリスト基金賞奨励賞を受賞した。また、2021年4月には、続篇『いないことにされる私たち 福島第一原発事故10年目の「言ってはいけない真実」』を出版している。 「はじめに」で著者は次のように書いている。「私は7年間、福島第一原子力発電所事故を追い続けている。この間、避難者に向けられる目は次々と変わった。当初は憐れみを向けられ、次に偏見、差別、そしていまや、最も恐ろしい「無関心」だ。話題を耳にすることが激減した。関心が薄れてきたところで、政府は支援を打ち切り、人々は苦しんでいる。・・・結果として、不都合な事実を「なかったこと」にして揉み消そうとしている国家権力の思惑通りになってしまった。これを許したのは、新聞やテレビ、各報道機関の敗北でもあると言われても仕方がない。我が身を含めて、あまりにも無力だったと猛省する。・・・痛烈な自己反省を込めて、私は「不都合な事実」をここに記そうと思う。」 そして、本書では、東京電力の現場で働いていた人々の苦悩、形ばかりのいい加減な除染、原発維持・国防のために進められる帰還政策、帰還政策を進めるために「事実を曖昧にする」政府・官僚たちの行動、避難者に対するいじめ、避難者への支援の打ち切りなど、様々な「不都合な事実」が明らかにされている。 それらの「事実」は唖然とするようなものばかりであり、事実を曖昧にする政府・官僚は言うに及ばず、いい加減な除染についても、いじめへの対応についても、いずれも看過できることではないのは言うまでもないだろう。しかし、その一方で強く感じたのは、白黒のつけられない問題があることの難しさである。多少のリスクは受け入れて(或いは、受け入れざるを得ずに)その地域に住み続けたり帰還をする人々と、リスクを避けて非難を続ける人々の間に生じた軋轢。。。これは、どちらかが正しく他方が間違っていると言えるものではないし、また、今となっては(悲しいことではあるが)元の関係に戻すこともできないのだ。 原発事故が引き起こしたそうした複雑な状況を考えたときに、幸運にも原発事故の影響を受けなかった地域に住む人間にできることは何なのか? それは、本書のエピローグに引用された作家・渡辺一枝の言葉「私たちが忘れないこと」であり、また、他人事ではなく自分事として考えることではないだろうか。 福島第一原発事故後の闇を明らかにし、我々に問いかける力作ルポルタージュである。 (2021年9月了)
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→福島原子力発電所付近、避難指示を余儀なくされた方たちの現状を描いた本。 ・中心街の名前すら、現地ではもうわからない。近所の人の消息が4年もわからない。街が名前をなくす現実を目の当たりにした。浪江町。
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地図から消される街 青木美希 講談社 副題に「311後の言ってはいけない真実」とあるこの本は 朝日新聞の特別報道部の記者によって書かれたもの 自分の足で集めた証拠をもとに書いた「手抜き除染」の報道後に 書き起こした力作だ 政治や行政のお為ごかしの仮面や利害に群がる業者の ...
地図から消される街 青木美希 講談社 副題に「311後の言ってはいけない真実」とあるこの本は 朝日新聞の特別報道部の記者によって書かれたもの 自分の足で集めた証拠をもとに書いた「手抜き除染」の報道後に 書き起こした力作だ 政治や行政のお為ごかしの仮面や利害に群がる業者の 目的を履き違え当事者を踏みにじる実態が見せる問題の深さと渡り合い 客観性を大事にする記事ができるまでの努力と試行錯誤の 歯痒い過程を見せてもくれる 板挟みの正義ある行政官の死や 被災者同士のいがみ合いを助長しているのが 当の政治であり行政であり 避難者をイジメる井戸端会議や学校の陰湿な体質など にっちもさっちも行かない腐った共食い現象を浮き彫りにしている 結局解決策は国会を取り戻し三権の談合を解散させることであり こうした現実に痺れを切らした国民の民意が爆発する以外の ありえないのだろう 一人ひとりが事実と向き合い 権力層によって煽れれている共食いと分断に気付いて自ら止め 声を揃えて「NO」を突き付ける以外にない
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いつもこの様な本を読むと如何に自分が 無知であるかを突きつけられる。 何故 本当の事を無かった事にしようとするのか。 誰かが諦めるまで根をあげて降参するまで ただ待つだけ... この国はそんな国ではないと信じたい。のだが...
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