アクティブラーニング の商品レビュー
アクティブラーニングが叫ばれ始めたときに読んだ。アクティブラーニングの良さを解説する本かと思いきや、全くの逆で、さまざまな視点からひたすら課題を挙げてくれる良書。 成城小学校のドルトンプランや、奈良の学習法など、現代のアクティブラーニングに繋がる教育法と、なぜそれが失敗に終わった...
アクティブラーニングが叫ばれ始めたときに読んだ。アクティブラーニングの良さを解説する本かと思いきや、全くの逆で、さまざまな視点からひたすら課題を挙げてくれる良書。 成城小学校のドルトンプランや、奈良の学習法など、現代のアクティブラーニングに繋がる教育法と、なぜそれが失敗に終わったかが、丁寧に解説されている。
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溝上定義のアクティブラーニング(教師主導の一斉授業での学び以外の学び)の日本における歴史的変遷とそれを踏まえた現在の「主体的・対話的で深い学び」の考察。 奈良女子師範の実践は気になっていたので勉強になった。 戦後の改革とそれ以後の流れも何となくの知識が保管された。 平成期の展開は...
溝上定義のアクティブラーニング(教師主導の一斉授業での学び以外の学び)の日本における歴史的変遷とそれを踏まえた現在の「主体的・対話的で深い学び」の考察。 奈良女子師範の実践は気になっていたので勉強になった。 戦後の改革とそれ以後の流れも何となくの知識が保管された。 平成期の展開は内容の確認だった。 いろいろな学習法や教授法があるのが当然で,これを全国的に統一してやっていこうとすると無理が出てくる。それもできるだけ高いレベルで同一性を保持するとなると。加えて,思いつきかのように方針が劇的に転換する(フットワークが軽い?)。 学校なんて当たり前にあるような気もするが,子供達をいかに育てるかはその育てる側の価値観や展望を反映するものだから。教育をみれば,その親や国家のあり様が見えるだろう。国家が関与する学校教育はかなり政治的な営みだな。
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近年教育界で注目が集まるアクティブラーニングについて、批判的に検討している。 アクティブラーニングや主体的・対話的で深い学びの実現を前提として教員養成の教育を受けている自分にとって、ハッとさせられるような、裏側を見たような、鋭い視点を得られた一冊だった。 印象に残ったのは、学ぶ...
近年教育界で注目が集まるアクティブラーニングについて、批判的に検討している。 アクティブラーニングや主体的・対話的で深い学びの実現を前提として教員養成の教育を受けている自分にとって、ハッとさせられるような、裏側を見たような、鋭い視点を得られた一冊だった。 印象に残ったのは、学ぶのは子どもであるということ。主体的・対話的で深い学びを実現するのは子ども自身であって、教師ではない。主体的・対話的で深い学びを教師が「つくって」満足するのではなく、本当に子どもがそういった学びをできているのか。学習と教えることの本質について考えさせられた。
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本書はアクティブラーニングの理想と現実を評している。 まず、本書はアクティブラーニングに対して五つの幻想があると指摘している。 1.先行き不透明な未来社会を生きる子どもには、アクティブラーニングが必要で、これまでの教育では目標を達成できないだろう。 2.アクティブラーニング...
本書はアクティブラーニングの理想と現実を評している。 まず、本書はアクティブラーニングに対して五つの幻想があると指摘している。 1.先行き不透明な未来社会を生きる子どもには、アクティブラーニングが必要で、これまでの教育では目標を達成できないだろう。 2.アクティブラーニングを行えば、子どもたちは主体的・能動的に学ぶことができるだろう 3.学校でアクティブラーニングを経験すれば、知識や技能を活用できる新しい学力(思考力・判断力・表現力)、学ぶ意欲や「生きる力」が高まるだろう 4.研修や指導を通じて教師自らが主体的に学ぶ機会を提供すれば、どの学校や学級でもアクティブラーニングが達成可能になるだろう 5.以上の4点より、アクティブラーニングは好ましく、国の教育政策として導入されるべき 筆者の見解 1.そのような視点で授業改善がおこなわれると、かえって授業のあり方が画一化してしまうのでは? 2.可能性はあるが、本人自身の動機づけが伴わなければ、受動的な学びになってしまうのではないか? 3.学力や意欲の格差を格段してしまうのではないか? 4.そこまで単純な話ではない。1.同様授業が画一化されてしまう恐れがある。 ⭐︎今回の学習指導要領の改訂は、主体性を喪失させ、十分な対話のない学びになる可能性がある why? 主体性を国が押し付けているから。 日本教育史を省みても、アクティブラーニング導入は何度か試みられたが、失敗に終わっている。 その歴史からどう学び、導入するかによって今回の学習指導要領改訂が成功するか否かが決まるであろう。
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勉強の基本は自分から進んでやること。 学校や教師がいくら生徒のためと思っても限界がある。アクティブラーニングもその一つ。
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2020年教育改革の先はバラ色の未来なのか?学力は向上するのか?学力格差はどうなるのか?学校や教師の負担は?新しい大学入試は?“学び”の近現代史を辿り、教育改革を疑う。 新しい動きが取り入れるたびに、現場はてんてこ舞いになる。「主体的、対話的で深い学び」は、最終的に授業改善の...
2020年教育改革の先はバラ色の未来なのか?学力は向上するのか?学力格差はどうなるのか?学校や教師の負担は?新しい大学入試は?“学び”の近現代史を辿り、教育改革を疑う。 新しい動きが取り入れるたびに、現場はてんてこ舞いになる。「主体的、対話的で深い学び」は、最終的に授業改善の視点として位置づけられた。それならそれで、粛々と進めていくしかないのだが。 近現代史の部分は、もう少し丁寧に学んでみたい。
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2020年に実施される教育改革、そこでは主体的な学び=アクティブ・ラーニングが主要な変更点として掲げられている。しかし、実はこの主体的な学びを志向する教育改革は大正時代、そして戦後に実施された経緯があり、その結果は決して芳しいものではなかった。 Society5.0と呼ばれる、...
2020年に実施される教育改革、そこでは主体的な学び=アクティブ・ラーニングが主要な変更点として掲げられている。しかし、実はこの主体的な学びを志向する教育改革は大正時代、そして戦後に実施された経緯があり、その結果は決して芳しいものではなかった。 Society5.0と呼ばれる、ロボットやAIを活用した社会を見据えたプログラミング教育や早期の英語学習など、今後導入される見込みの教育改革についてはその効果は未知数である。少なくとも、過去の教育改革の成果を検証することなく導入が進められることは、現場の混乱と疲弊をもたらすことだろう。
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一言で言うとアクティブラーニングの歴史の本でした。 アクティブラーニングをどういう風に実施するという実践本ではない。 心に残ったのは、教育は振り子構造で知識偏中の時期と自主性を大事にしましょうという時期というので一定の期間ずつ変わってるということ。 アクティブラーニングがうま...
一言で言うとアクティブラーニングの歴史の本でした。 アクティブラーニングをどういう風に実施するという実践本ではない。 心に残ったのは、教育は振り子構造で知識偏中の時期と自主性を大事にしましょうという時期というので一定の期間ずつ変わってるということ。 アクティブラーニングがうまくいかなかったらまた知識の時期に戻るのか。 それに振り回される子どもがかわいそう。 今の子たちはSNSとか周りのことに敏感で 自主性とか主体性とか求めるのも大変な部分もあるだろう。 そしてアメリカの教育を見て、 とのことだったが 持っている遺伝子が違うのでそれが日本でうまくいくとは限らないだろう。 一番大事なのはその子が ある程度のリードがあって伸びるのか アクティブラーニングをより与えた方が伸びるのか それを評価して子どもに合わせることなのではないかと思う。
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昨今話題のアクティブ・ラーニング。 本書は、その理念に一定の理解を示しつつも、現在の教育改革で無批判に期待されていることに警鐘を鳴らしている。 大学入試改革まで巻き込む(そして大混乱している)今の状況に照らして、タイムリーな出版だ。 大正新教育や、戦後新教育での〈前史〉を遡ると...
昨今話題のアクティブ・ラーニング。 本書は、その理念に一定の理解を示しつつも、現在の教育改革で無批判に期待されていることに警鐘を鳴らしている。 大学入試改革まで巻き込む(そして大混乱している)今の状況に照らして、タイムリーな出版だ。 大正新教育や、戦後新教育での〈前史〉を遡ると、方法論としての難しさがはっきりわかる。 一つは理想的に学べる学習者と、そうでない学習者の格差が開いていくこと。 特に初等教育での学びに向かう力は、家庭環境の差でもあるとすれば、社会の格差拡大を促進してしまう。 もう一つは教師の負担の大きさ。 教師が一人一人の学習に適切な援助をしていくには、準備と時間が必要。 なのに、現在、教師の負担は増える一方で、アクティブ・ラーニングを導入しても成果が上がるか。 こういった構造的な問題を抱えての、現在の教育改革、なにか失敗する気しかしない。 欲を言えば、ではどうすればいいか、という糸口が見えるといいな、と思うけれど。
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