虚像のアラベスク の商品レビュー
ブクログの献本に当選して、いただきました!初めてでうれしいです。 芸術家探偵のシリーズはもとより、この方の作品は初めて読みました。 もっといかにもミステリーなのかと思っていたら、推理はほとんどなくて、特に1話目のドン・キホーテではずっとバレエの用語や解説が続くので正直飽きてきてま...
ブクログの献本に当選して、いただきました!初めてでうれしいです。 芸術家探偵のシリーズはもとより、この方の作品は初めて読みました。 もっといかにもミステリーなのかと思っていたら、推理はほとんどなくて、特に1話目のドン・キホーテではずっとバレエの用語や解説が続くので正直飽きてきてました。 でも、2話はやられました。1話より多少推理めいたものはありましたが、それよりも…。笑えるやらなんやら。世界が余りにかけ離れているものが、言葉一つで…わからないものです。だまされました。
Posted by
深水さん待望の新作は書き下ろしで、中編2話におまけのエピローグが付いた海埜警部補シリーズ。 第1話のバレエ団の事件には芸術探偵・瞬一郎が出てきて、海埜との間でバレエの蘊蓄や用語の説明が延々と語られる。謎解きミステリではあるが、探偵役としての瞬一郎の活躍は少なく、何とも物足りなかっ...
深水さん待望の新作は書き下ろしで、中編2話におまけのエピローグが付いた海埜警部補シリーズ。 第1話のバレエ団の事件には芸術探偵・瞬一郎が出てきて、海埜との間でバレエの蘊蓄や用語の説明が延々と語られる。謎解きミステリではあるが、探偵役としての瞬一郎の活躍は少なく、何とも物足りなかった。 それで、今回は凡作なのじゃないかと思ったら、第2話で見事にヤラレた。くそ~。その為の第1話だったのか~! ホントにこの著者は油断がならない。怒り出す人がいるかもしれないけど私は好きです。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
深水黎一郎さんの新刊は、海埜刑事と甥の瞬一郎のコンビが活躍する、芸術探偵シリーズ最新作である。当然見逃せない。今回のテーマはバレエ。『トスカの接吻 オペラ・ミステリオーザ』ではオペラをテーマにしていたが、馴染みがない点はまったく同じ。だからこそ、期待も高まる。 まずは正統的な「ドンキホーテ・アラベスク」。創立15周年記念公演を目前にした名門バレエ団に、公演を中止せよとの脅迫状が届く。しかも、初日には欧州委員会委員長の来場が予定されていた。捜査と警護に駆り出された海埜と、ちゃっかり付いてくる瞬一郎。 フランス語が飛び交う稽古場の様子は、軽いジャブ。瞬一郎の解説で、何とかポーズは想像できる。原作も読んだことがない『ドンキホーテ』の舞台演出は、素人なりに興味深い。このシリーズらしい、精通した作者ならではの設定は、相変わらずで嬉しくなる。どこか見落としはないのか? 公演当日は着々と迫る。不安が拭えないまま迎えた、公演初日。 その初日の途中で、一大事発生! 一大事すぎてもちろん書けない。予想を大幅に裏切る展開と結末に、やられた。舞台以上にドラマチックではないか。実際にこんなことがあったら、警察幹部の首が飛びまくるだろうが、そこは大目に見よう。バレエはわからなくても、バレエの世界に生き、切磋琢磨する人間たちの、情熱とエネルギーは、十分に伝わるだろう。 続いて「グラン・パ・ド・ドゥ」。別のバレエ団の話のようである。ところが…予想外の連続だった「ドンキホーテ・アラベスク」だが、こちらの方がより予想外、いや、はるかに予想外なのだった。種明かしの瞬間、ポカンとさせられました。先の話が、ドラマチックであっただけに…。 邪道というわけではない。いわゆるあの手法であり、前例はいくらでもある。でもね…専門知識を駆使して、ここまでやるか? ある意味、この手法の極致かもしれない。深水さんはあちらにも精通されているようだが、あっちとこっちを結びつける発想の源は何だろう。それにしても、この2編を1冊にまとめて刊行したのは、深水さんも出版社も懐が深い。 「史上最低のホワイダニット」と題されたエピローグ。そのことは自分も知っていたが、そもそもなぜこの世界に入ったのだ? やはり、メフィスト賞出身だけに、一筋縄ではいかない作家である。
Posted by
- 1
- 2