龍馬暗殺 の商品レビュー
薩摩の小松帯刀、西郷隆盛、大久保一蔵といった、会津桑名側が大政奉還を成功させた主たる人物と認識している彼らの身代わりとして、うっぷんを晴らす手っ取り早い標的にされたという主張が全て。薩摩の陰謀は存在しない。 大政奉還直前、竜馬一行数人が秘密で京都入りしたのに、300人くらいの海...
薩摩の小松帯刀、西郷隆盛、大久保一蔵といった、会津桑名側が大政奉還を成功させた主たる人物と認識している彼らの身代わりとして、うっぷんを晴らす手っ取り早い標的にされたという主張が全て。薩摩の陰謀は存在しない。 大政奉還直前、竜馬一行数人が秘密で京都入りしたのに、300人くらいの海援隊隊士を引き連れて竜馬が京都に来たというかわら版がすぐに京都に流れたという話(P.133)は、ちょっと笑った。すでに世間的にも有名人だったのね・・・
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坂本龍馬殺害の「犯人」が京都見廻組であることは明治の早い時期に確定していることで、「龍馬暗殺」というテーマ自体がもはや学問的に生産性のない、好事家の素人談義に成り下がっているのが現実である以上、通例ならまずこの種の本を読もうとは思わないが、元々小説家ではあるが学術論文の業績もあ...
坂本龍馬殺害の「犯人」が京都見廻組であることは明治の早い時期に確定していることで、「龍馬暗殺」というテーマ自体がもはや学問的に生産性のない、好事家の素人談義に成り下がっているのが現実である以上、通例ならまずこの種の本を読もうとは思わないが、元々小説家ではあるが学術論文の業績もある著者なので手に取った。 龍馬殺害の経緯については通説以上になるべくもないが、殺害の「指示」者については大政奉還・公議政体路線に反対する会津・桑名藩を推定し、薩摩藩在京首脳に対するテロ計画(未遂)の延長上に位置付けている。また大政奉還から王政復古政変までの政局について、特に薩摩・土佐関係や大政奉還の勅許過程の考察で、近年の先行研究を吸収しつつ、いくつか目新しい視座を示している。巷間に溢れる荒唐無稽な「薩摩陰謀説」を徹底的に論難しているが、陰謀説流布の背景として、公議政体派と武力倒幕派を対立的に見た戦後歴史学の枠組の影響を見出しているのが興味深い。
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英雄化された「坂本龍馬」を否定し、文献に忠実に当時の情勢を探りながら、近江屋事件の真実に迫ります。実行者が見廻組であることは真実。では、それを命じた黒幕は一体誰なのでしょうか。
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