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いのちがけ 加賀百万石の礎 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2024/02/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

1月に「藩邸差配役日日控」を読み終えてからこのひと月で、神山藩三部作から「逆転の戦国史」を経て本書にいたる。砂原浩太朗は早くも今年のベストになるのではないかと思っている。 作品紹介・あらすじ 加賀百万石の始祖、前田利家。その若き浪々の日々も、大大名となった後も、常に付き従い、幾度も主君の危難を救った家臣がいた。村井長頼、その知られざる忠義の生涯。そして、長頼が主君の肩越しに見た、信長・秀吉・家康ら天下人の姿――。 第2回「決戦!小説大賞」受賞!  デビュー作にして、珠玉。戦国は今、新たな語り部を得た!

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2023/12/10

この作者の流れる時間、空間がなんとも言えない穏やかさで一緒に過ごしたいと思える。 長頼は初めて知る人物で老齢かと思いきやまだ若いのにはびっくり。そのぐらい言葉の端々や行動が穏やかに描かれている。 そして利家に馳せる思いや周りの状況が的確でわかりやすく、史実が2、3行に収められてい...

この作者の流れる時間、空間がなんとも言えない穏やかさで一緒に過ごしたいと思える。 長頼は初めて知る人物で老齢かと思いきやまだ若いのにはびっくり。そのぐらい言葉の端々や行動が穏やかに描かれている。 そして利家に馳せる思いや周りの状況が的確でわかりやすく、史実が2、3行に収められていても歴史の流れが分かるので本当にすごい作者。

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2023/01/26

加賀藩の始祖、前田利家が織田信長に仕えていた頃から、ずっとその側に付き従った忠臣、村井長頼の視点から、戦国時代の節目節目における前田家の「選択」を描いている。だらだらと歴史を追うのではなく、前田家の節所となる場面をスパッと場面転換して見せてくれるので、「知ってる事実」をしつこく見...

加賀藩の始祖、前田利家が織田信長に仕えていた頃から、ずっとその側に付き従った忠臣、村井長頼の視点から、戦国時代の節目節目における前田家の「選択」を描いている。だらだらと歴史を追うのではなく、前田家の節所となる場面をスパッと場面転換して見せてくれるので、「知ってる事実」をしつこく見せられることなく、そのヒリヒリした選択、判断を堪能することができる。ひと味違う骨太で、読みやすい戦国ものとして、多くの方が楽しめると思う。

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2022/09/20

砂原さんにしては珍しい著名人の歴史小説。デビュー作で、すでに完成品。ただ前田家・傾奇者描くなら前田慶次郎にも触れてほしかった。砂原さん。隆慶一郎の「一夢庵風流記」みたいな作品もいけそう。それにしても唐沢さんと松嶋菜々子、及川光博が頭に浮かんで消えない。大河ドラマの影響計り知れズ…...

砂原さんにしては珍しい著名人の歴史小説。デビュー作で、すでに完成品。ただ前田家・傾奇者描くなら前田慶次郎にも触れてほしかった。砂原さん。隆慶一郎の「一夢庵風流記」みたいな作品もいけそう。それにしても唐沢さんと松嶋菜々子、及川光博が頭に浮かんで消えない。大河ドラマの影響計り知れズ…。「生きてゆこうと思えば、不甲斐なきことも呑まねばなりますまい」byおまつ

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2022/06/23

久しぶりの歴史小説 面白かった。 私自身 加賀に多少縁があって 加賀百万石 前田利家には 興味があり 手に取った本。 利家の言葉や行動がいちいち 渋くてカッコいい。 もちろん小説ですからね。 ただ たくさんの人達の登場で 歴史上の著名な人物はわかっても 時々この人誰だっけ?にな...

久しぶりの歴史小説 面白かった。 私自身 加賀に多少縁があって 加賀百万石 前田利家には 興味があり 手に取った本。 利家の言葉や行動がいちいち 渋くてカッコいい。 もちろん小説ですからね。 ただ たくさんの人達の登場で 歴史上の著名な人物はわかっても 時々この人誰だっけ?になってしまいました。ど素人の私には 人物相関図と地図的な物があるともっとわかりやすく読めたかなと思いました。 利家と長頼の関係 素敵です。

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2020/04/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

先日、金沢へ行った。これほどまでに前田家が尊ばれているのかと驚いたと同時に、加賀前田家の歴史をあまり知らないのに気づいた。「利家とまつ」を小さい頃に見た記憶があり、悪いイメージはなかったが、これと言って何をしたのかは分からない…そんな人たちだった。 本作は「決戦!桶狭間」で最初の章を読んでおり、気になっていた作品。主人公の村井長頼の成長物語でドラマチックな歴史小説でもあり、本格的な王道時代小説でもある。短編としても一つ一つに大きなテーマがあり、完成度が高い。 特に、奥村助右衛門が一番好きなキャラクター。『好かぬやつ』の章でもある通り、キザでムカつく奴だが、荒子城の籠城に見える「主への忠誠心」や「芯の強さ」がカッコ良い。おそらく、長頼と助右衛門は似ているのだと思う。だからこそ、似た者同士、反発し合う。最後まで文句を言い合いながらも何だかんだ信頼し合っている関係性が良い。利家と長頼の友情とは一味違う2つの信頼関係が最大の見どころ。 最初の利家が言った「もののふは、いつもいのちがけ」を、最後に長頼が言い放つシーンは鳥肌もの。

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