ひとり白虎 会津から長州へ の商品レビュー
そもそも百姓よりも侍の方が上等だなんていうのは勘違いだ。違うのは努力するやつと、しないやつということだけだ。 会津に違和感を覚えたのは、死を美化しすぎる点だ。軍の備えは必要だが、死を美化して戦争に突き進むのではなく、これからは武力を背景にして、話し合いで争いを解決すべきだ 主人...
そもそも百姓よりも侍の方が上等だなんていうのは勘違いだ。違うのは努力するやつと、しないやつということだけだ。 会津に違和感を覚えたのは、死を美化しすぎる点だ。軍の備えは必要だが、死を美化して戦争に突き進むのではなく、これからは武力を背景にして、話し合いで争いを解決すべきだ 主人公は飯沼貞吉といい、白虎士中2番隊に属し、その中の一番若い隊士だ。生き残りであるが故に、苦しみ悩んだことが綴られている
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会津に一人旅、お供にこの本を買いました。 生き残ったことを責められる理不尽さと、それに負けずに大きなことを成し遂げた生き様が描かれていました。旅がより楽しくなりました。
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白虎隊士でひとり蘇生し、行き場を失った貞吉を楢崎頼三が長州へ誘う。敵地で生きようともがくが…。明治期、生き残りと謗りを受けた男の苦難の人生を誇り高く描く書き下ろし歴史小説。(e-honより)
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もう題材からして泣く本とは思っていましたが、悲しかった。物静かながら実直で素直な貞吉がやっと自分の道を見つけられて嬉しかった。
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戊辰戦争の最中、飯盛山で自刃した白虎士中二番隊の16人の少年たち。そのなかでただひとり蘇生した者がいる。最年少の飯沼貞吉。 領民たちによって手当され生還した貞吉だが、戦後江戸に移送され、謹慎生活を送る藩士たちの中に彼の居場所はなかった。同じ会津藩士たちですら、貞吉を死にぞこないと...
戊辰戦争の最中、飯盛山で自刃した白虎士中二番隊の16人の少年たち。そのなかでただひとり蘇生した者がいる。最年少の飯沼貞吉。 領民たちによって手当され生還した貞吉だが、戦後江戸に移送され、謹慎生活を送る藩士たちの中に彼の居場所はなかった。同じ会津藩士たちですら、貞吉を死にぞこないと誹るのだ。 孤立する貞吉を見かねて救いの手を差し伸べたのは、意外にも敵方であった長州藩の捕虜受け取り責任者・楢崎頼三だった。 会津藩は移封され北へと流れ行く。武士という身分は失われ、みなが平民となる。故郷も帰る家も、もうない。貞吉は楢崎に導かれるまま、楢崎の両親が隠居する長州藩領内の小村へと匿われる。やがて静岡にできたという学問所へ入学するものの、貞吉が維新の敗者の側であること、死に損なった者である事実がどこまでも付きまとい、彼を苦しめる。しかしそれ以上に、多くの人びとが貞吉を見守り助けてもいた。彼らの恩愛を受けて、やがて貞吉は開明の時代を電信技士として生きていく。 そして白虎隊が、なぜあの時あの場所で自刃しなければならなかったのかを、広く後世に伝えてゆくことになる――。 たったひとりの白虎隊の生き残りである、飯沼貞吉(貞雄)の半生記。 飯沼貞吉が自刃からひとり蘇生し、明治時代を電信技士として生きていたことは知っていたが、そういえばどのような経緯があって技師になったのはまったく知らなかった。貞吉が戦後一時長州藩に身を寄せていたことは記録に残っているらしい。 なんという奇縁だろう、と思うと同時に、やはり長州藩とはいえその中には、この先は長州人、会津人といった「藩」の人間ではなく、同じ日本という「国」の人間として生きていく、といった意識を持った人がいたのだろう、とも思う。 そして会津を維新のための人身御供のように扱ってしまった諸藩の人々。彼らが彼らなりに罪滅ぼしをしようとする、その人の道を守ろうとする心が、ひとり生き残ったことに苦しみ続け、前を向いて生きていけない貞吉を折々に救っていく。人の心の機微が、切なくてありがたくて涙を誘う。この本は2、3ページ読むたびに泣いていたような気がする。 日本全土を巻き込んだ戊辰戦争で、戦い殺し合った者同士が遺恨をこえて日本という国を作りあげていく。明治とはそういう時代だったと改めて感慨を覚える。 それにしてもあとがきで中村彰彦氏が書いているが、貞吉死後、飯盛山に葬られた彼の墓と白虎隊士たちとの墓との間に隔たる距離は実に悲しい。これがあの時死んだ者と、生きながらえた者の埋めがたい距離なのか。私が飯盛山の墓所を訪れたのは中学生の頃だが、記憶の中のそれぞれの墓所の佇まいが寂しく思い出される。 そして最後に絶対言いたい。 会津の什(じゅう)の教えのひとつ、「ならぬことはならぬものです」これは決して兵士を育てる思考停止的な教えなどではない。時代が変わろうと価値観が変わろうと、法律が許そうと立場がどうだろうと、だめなものはだめだという、説明不要、理由不要の人としての社会的規範がある、という教えなのだと私は考えている。
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植松三十里さんの初読み。 史実に基づく、白虎隊の生き残りの物語。。。 事前情報は皆無。 作者の名前も聞いたことない。 文字通り、店頭でたまたま目についただけの一冊だが、白虎隊と聞いては、福島県出身者として読まずにはおられまい! と、衝動買い。 敵方の少年の資質を見込んで故郷に...
植松三十里さんの初読み。 史実に基づく、白虎隊の生き残りの物語。。。 事前情報は皆無。 作者の名前も聞いたことない。 文字通り、店頭でたまたま目についただけの一冊だが、白虎隊と聞いては、福島県出身者として読まずにはおられまい! と、衝動買い。 敵方の少年の資質を見込んで故郷に連れ帰り、衣食住から教育の援助まで施す……楢崎頼三の男気に感激。 挫折は経験すれども、それに答えた飯沼貞吉の生き様に感動。 ★4つ、9ポイント。 2019.04.04.新。 ※ば白虎隊自刃の理由…… 巷では「燃える城下町の様子に絶望しての自害」 しかし(貞吉の)事実は異なる。(第2章に詳述) 貞吉はそれを覆そうと、真実を語る活動を続けた…… ……とのことだが、幼い頃にテレビで見聞きした記憶では、この本を読むまでは自分の見解も"前者"のそれだった。福島県民として恥ずかしい(苦笑)。
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白虎隊でただ一人、生き残った 飯沼貞吉。冷たい目を向けられ、死に損ないと罵られる日々を救ったのは、長州の楢崎頼三だった。「生きていて良かった」の温かい声に背を向け、身元を引き受け、将来の面倒まで見てくれた頼三に報いることもせず、ただただ立派に自害できなかった事を嘆くばかりの定吉。...
白虎隊でただ一人、生き残った 飯沼貞吉。冷たい目を向けられ、死に損ないと罵られる日々を救ったのは、長州の楢崎頼三だった。「生きていて良かった」の温かい声に背を向け、身元を引き受け、将来の面倒まで見てくれた頼三に報いることもせず、ただただ立派に自害できなかった事を嘆くばかりの定吉。一人ぼっちになり、ドン底の暮らしを見た時、漸くその有難さに気づき、恥じていたものをさらけ出し、ようやく新時代へ目を向ける。定吉の故郷、家族への想いや、分岐点で出会う人たちが今だから語る会津への想いが胸を打つ。あぁ、頼三ににもう一度、会わせてあげたかった。 白虎隊に1人だけ、生き残った人がいたのは知っていたが、その後の事を考えたこともなかった。白虎隊の自害は、城が燃えたと勘違いして…と間違えた事を覚えていたことも。この本に出会えて良かった!
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知人に推され、初読の作家さん。 出てくる人全てがあたりが柔らかく、読んでいて疲れない。 ともすれば悪人が描けないと云うことが、作家さんの限界に感じることもあるが、ギリギリのところで免れている感がある。 ただ一つ、会話文の語尾にやたらと「ッ」と付くのが、安っぽくて残念。 さて...
知人に推され、初読の作家さん。 出てくる人全てがあたりが柔らかく、読んでいて疲れない。 ともすれば悪人が描けないと云うことが、作家さんの限界に感じることもあるが、ギリギリのところで免れている感がある。 ただ一つ、会話文の語尾にやたらと「ッ」と付くのが、安っぽくて残念。 さて、次は何を読めばいいのでせう・・?
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