誰もが嘘をついている の商品レビュー
匿名であったり誰も見ていないときほど、本音が出る。そこを拾い上げる仕組みができ、様々なことがわかったり、より予測がしやすくなったりしたのは、よいと思う。 差別というのは無くならないものなのだなあ。
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検索から、わかるさまざまなこと。間違いなくデータサイエンス、行動経済学は、今後ますます主流になっていくことが具体例とともに伝わってくる。それプラス、著者のユーモアあふれる筆致がとてもよかった。アマゾンの書評で引用される文章が、本の前半のものと後半のもの、どれくらいの割合になってい...
検索から、わかるさまざまなこと。間違いなくデータサイエンス、行動経済学は、今後ますます主流になっていくことが具体例とともに伝わってくる。それプラス、著者のユーモアあふれる筆致がとてもよかった。アマゾンの書評で引用される文章が、本の前半のものと後半のもの、どれくらいの割合になっているかで、その本の完読率を割り出す。自らの本は、その結果、完読されない類の本ですよ。っていう終わり方がとても洒落ていた。
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Googleの検索履歴を用いた社会分析の研究者として、Googleのデータサイエンティストの職にも就いていた著者が、最も人間の欲望や本当の姿が赤裸々に表現される検索ワードで、どこまでの分析が可能かをウィットに富んだ語り口でまとめた1冊。 分析対象としている検索ワードには個人を特...
Googleの検索履歴を用いた社会分析の研究者として、Googleのデータサイエンティストの職にも就いていた著者が、最も人間の欲望や本当の姿が赤裸々に表現される検索ワードで、どこまでの分析が可能かをウィットに富んだ語り口でまとめた1冊。 分析対象としている検索ワードには個人を特定する識別子はない(付加されている属性は、言語・IPアドレス等から識別される国籍、性別等のレベルである)ため、分析の多くは個人ではなく集団を対象としたものになる。そのため、分析のアウトカムとしては広告のようなものではなく、教育・医療・福祉などの公共政策の有効性を検証する類が多い。例えば、 ・不況と児童虐待の関係性(検索ワードにおける児童虐待・ネグレクトに関する投稿データから) ・人種差別的なニュースと人種差別の相関性 などである。 こうした公共政策への示唆は、昨今の「エビデンスに基づく政策決定(Evidence-Based Policy Making)」に興味がある人にとって有益だと思うし、興味がある方には手にとって頂きたいと思う。 なので、ぜひ本書の邦訳出版元である光文社は、「エビデンスに基づく政策決定」が必要な、小池百合子氏に100冊ほど献本されてはどうだろうか。
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ビッグデータの利点 性的嗜好など、表のデータとして得られないものが得られる、正直なデータが得られる、膨大な規模でデータが手に入るため、小さな部分集合に絞り込んでも比較可能なサンプルサイズになる、手軽に比較対象実験ができるため単純な相関関係だけでなく因果関係が検証できる。 予測することだけが目的なら、理由まで分かる必要はないから。データサイエンティストは今まで謎に人力で予想していた分野に出ていくといいことがある。そして、人がこれまで意識していなかった指標(データ)に目を向けること。 もう、すべてはこれだと思う。 俗に思われるアメリカの人種差別傾向が強い地域と、実際みんながそういう内容を検索する地域は異なっているとか、有効な演説内容か否かはその聴衆がその瞬間にググッている単語で判別し得て、その効果たるや一般人が直感で抱く方向性と異なるかも、とか。とにかく、グーグルなどの検索データのビッグデータの活用可能性の示唆に富む本。データの活用先をマーケティング等に限定しないところが面白い感じじゃないかな。それに、ちゃんと統計学の基礎に沿って書かれていて、安心感がある。
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グーグル検索という行動が示す人間の本性をあらわにした本。テーマとしては差別、ポルノ、SEX、政治が多い。結局みんなそういうのが大好きだということ。
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ビッグデータには4つの効果がある。 ①新種のデータ ②範囲を絞り込める ③正直なデータ ④比較試験が容易にできる そのうえで著者は、フロイトだったり、走る競走馬などの話を面白おかしく書いている。ただ著者はビッグデータには限界があるとも書いている。変数が多すぎると、あまりにも複雑化しすぎて、偶発性が高くなり、信用ができないとする。また、あくまで数字化した部分が対象なので、そこから漏れるものも出てくる。つまり人間の補完として使用するのがベストであるとしている。
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伝統的な統計手法では分からなかった人々の真実を、グーグル検索データをもとに暴いた本。統計やSNSでは、人々は無意識に見栄を張りがちである。一方で、人々はGoogle検索上は本音を吐き出す。 ・インドでの意外な性癖は衝撃的だった。 ・Google検索の画期的なところは、単純に検索ワードの数の多さで重要リンクを判断するのでなく、参考リンクの多いサイトが人々が求める最も重要な情報源と整理したところ。 ・フェイスブックで2006年にニュースフィードを作った時、ユーザーは大反対したものの、マークは実は人々がニュースフィードを気に入っていることを知っていた、というのは興味深かった。人々の回答と潜在的な行動は異なることがある。それを知る一つの手がかりはネット上の行動パターンとなる。確かアマゾンも、属性情報はマーケティング部には一切公開されず、似たような人々の行動パターンでおススメ商品を提示していると聞いた。 ・アメリカで贔屓の野球チームがいる場合、大体その人が8歳の時にそのチームがワールドシリーズで優勝している。政治的意見も、それが決まる過程に相違はない。多くのアメリカ人は14-24歳(特に18)の間に人気のあった大統領に多大な影響を受ける。 ・人格形成期に正しい都市で成長することは、将来の経済力に大きな違いをもたらす。大学都市で出生した場合、子供が立身出世する可能性が高まる。2番目には大都市を含む群。 ・ABテストの有効性。(ネットの依存性が高まるというデメリットあり。)これによると、テレビ広告は目に見える効果がある。 ・同レベルの人達であれば、行く大学によって将来の収入に大きな差は出ない。 検索結果のビッグデータは使いようによってはビジネスチャンスやより良い予測(特に病気の兆候や診断など)に活用できそうだ。新しいアイディアを考えるには面白い本だった。
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