京都学派 の商品レビュー
中国から日本をどう際立てて独自性を打ち立てるか。 コンプレックスの解消としての「言葉のお守り的使用」
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西田幾多郎『善の研究』をいきなり読もうとして数ページで断念した数ヶ月前の自分に、まずはこっちを読めと伝えたい。私には特定の哲学書の内容の理解よりも、こういった哲学史の流れに沿ってその内容をかいつまむことが有効だった。/著者は上山春平を全面的に肯定している訳ではないと断っているが、登場する哲学者の中で唯一兵士としての戦争体験をもつ上山氏の経歴や姿勢は際立ってみえて、興味を持った。/どこかで目にした「言葉のお守り的使用法」(鶴見俊輔)が出てきてハッとした。
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私のように、 哲学には疎い人間には少し難しいが、京都学派と近代日本の哲学界の見取り図のようなものは少し理解できた。 著者は、何とか京都学派の人々のプラスの成果を今日的に位置づけようとしているようだが、そういう事に意義は感じられない。私の残り少ない人生で京都学派の人々の本を読む...
私のように、 哲学には疎い人間には少し難しいが、京都学派と近代日本の哲学界の見取り図のようなものは少し理解できた。 著者は、何とか京都学派の人々のプラスの成果を今日的に位置づけようとしているようだが、そういう事に意義は感じられない。私の残り少ない人生で京都学派の人々の本を読む必要はない、と理解できる本だった。
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近代の日本において独創的な哲学的思索を展開した京都学派について、戦後の展開も含めて解説している本です。 京都学派といえばその領袖の西田幾多郎をはじめ、西田の批判者の田辺元や宗教哲学の西谷啓治、あるいは京都学派左派の三木清らの名前がよく知られていますが、本書は彼らのほか、「世界的...
近代の日本において独創的な哲学的思索を展開した京都学派について、戦後の展開も含めて解説している本です。 京都学派といえばその領袖の西田幾多郎をはじめ、西田の批判者の田辺元や宗教哲学の西谷啓治、あるいは京都学派左派の三木清らの名前がよく知られていますが、本書は彼らのほか、「世界的立場と日本」の座談会に出席し戦後責任を追及されて公職追放にあった高坂正顕、高山岩男、鈴木成高、西谷啓治らの議論の問題と意義について、比較的くわしい検討がなされています。さらに、京都学派の思想的遺産を戦後に引き継いだ三宅剛一と上山春平にもページを割いて、より広い観点から京都学派の思想史的意義を見なおそうとしています。 三宅や上山といった、従来の京都学派の哲学についての本ではとりあげられることのすくない思想家たちに焦点をあてており、おもしろく読みました。ただ、上山らの新京都学派の文明論的な思索を、西田以来の京都学派の哲学的思索と接続することには、多少違和感をおぼえました。
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正直、哲学的素養の少ない自分にはこの本は早すぎた。半分も理解できなかったが、しばらく違う本をいろいろと読んで立ち返ると、きっとすごく深く学ぶことができるのではないかと思う。 ただ、テーマとして「日本の英知を詰め込んだような京都学派が、なぜ戦争に加担し、公職追放の憂い目にあったのか...
正直、哲学的素養の少ない自分にはこの本は早すぎた。半分も理解できなかったが、しばらく違う本をいろいろと読んで立ち返ると、きっとすごく深く学ぶことができるのではないかと思う。 ただ、テーマとして「日本の英知を詰め込んだような京都学派が、なぜ戦争に加担し、公職追放の憂い目にあったのか」ということは非常に興味深い。 そして、自文化礼賛主義と上山春平の戦争体験と自文化礼賛主義からの距離感というのは、現代において特に参考にできる部分だと思う。 もう一度、この本に立ち返ってくるぞ、と挑戦的気持ちを起こさせる一冊。
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三木清の思想と行動を知るにつけ、聖人はいないのだ、との感を強めた。私の知っている三木清像は誰が描いたのだろうか。 また、戦争という国家規模の動きに巻き込まれないことがいかに難しいかを痛感する。科学だけでなく、パラダイムはあらゆる分野に確実に存在する。後の時代から声高に断罪するこ...
三木清の思想と行動を知るにつけ、聖人はいないのだ、との感を強めた。私の知っている三木清像は誰が描いたのだろうか。 また、戦争という国家規模の動きに巻き込まれないことがいかに難しいかを痛感する。科学だけでなく、パラダイムはあらゆる分野に確実に存在する。後の時代から声高に断罪することの意味はいかほどか。 上山 春平の「ネガ」としての日本文化論は興味深い。ナショナリズム克服の方途としての視点だけでなく、健全なナショナリズム構築の視点もあるからだ。 本書で記述されている、思想的な部分と心情的な部分の人間模様は京都学派に限らず、他の分野でも必要な切り口だろう。 また、全体的に哲学的な思考を入口っで味わうことができる。
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