極夜行 の商品レビュー
角幡唯介さん「極夜行」第1回ヤフーニュース本屋大賞ノンフィクション本大賞受賞作品。 この1ヶ月の間に作者の探検譚の作品3作続けて読んだ。 どれも甲乙つける必要なく面白かったのだが今作品にはより深い奥行きを感じさせられた。 圧巻だった。 闇に死の恐怖がつきまとう事について作者は...
角幡唯介さん「極夜行」第1回ヤフーニュース本屋大賞ノンフィクション本大賞受賞作品。 この1ヶ月の間に作者の探検譚の作品3作続けて読んだ。 どれも甲乙つける必要なく面白かったのだが今作品にはより深い奥行きを感じさせられた。 圧巻だった。 闇に死の恐怖がつきまとう事について作者は「闇が人間の未来を奪うからだ」と表現されていた。 閉ざされたような闇の中でその先に何があるのか?自分が今何処にいるのか?というその一瞬先の一歩先の未来ヘの不安感、そういった極限での心理妄想を抱かされるその心理状態こそが人間にとって闇のもたらす真の恐怖なのかもしれない。 自分にもなんとなく本能的にも感覚的にも分かる気がした。 それにしても「極夜」、改めて自分達の暮らす同じ地球上にこのような環境がある事に唖然。 文明と技術が進み作者風にいえば便利で暮らしやすいシステムの世の中になっている。 不満は全くないのだが、太古の我々の祖先が生きていた地球とはまるで違う環境で我々現代人は生きているのだと実感。 その残像、面影が極夜にはあるのだろうと感じさせられる。 この作品はそういった太古の地球、人類が席巻していない地球を連想させられる。 人類がここまで進化しなければ本来の地球とはこの作品のように今でも 太陽の光と夜の闇に支配されているはずだと思わされる。 そして地球とは宇宙の中の一つの惑星なのだと感じさせられた。 読んでいるだけなのに文明の進化の及ばない所、システムの外側ではそういった本来の地球の姿がより感じられる。 逆に言うとシステムの中にいると普段気付かない、気付けない環境で暮らしているから「太陽と月」「光と闇」「昼と夜」の関係性が理解上での言葉と感覚により存在しているだけでその実体にはそこまで深く関われていない。 暑いだとか寒いだと朝5時で明るいだとかそれくらいにしか考えていない。 太陽のもたらす恵み、その光という原点。 当時の人々よりも進化した化学力と宇宙学により太陽という恒星の概要もわかり他の星々の連関もわかってきている。そういう意味ではシステムの進歩は計り知れない功績を上げている。 だが自分を含め現代人は善悪含めその真の意味での「太陽」のもたらす人類との関係性を当然の普遍な事と感じ、そこに真髄なる有り難みを感じなくなっている。 今の環境で暮らしそれなりに満足しているにも関わらず、なんだか悪い事をしている気にもなる。 文明が発展するという事は本来あった原点を曖昧にする上に成り立ってきたものなのかもしれない。 便利さや暮らしやすさを優先することで、その弊害として原点離脱を引き起こしているのではないか? 先人達がそして今なお不便さを改善して得た便利さに葬られた本来の原点の姿が他にも幾つもあるのではないか? 気付けていない自分を恥じている。 不思議な感覚を味わっている。 今作品はとても重要な事が描かれていたと思っている。
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探険家、、、 ここまでの極限の世界での描写は、実際に体験できた彼にしかできない。 相棒である犬との命の交換 様々な描写のリアル、正直、汚かったりえげつなかったり、奥さんが読んだらどう思うんだろうというキャバ嬢とのやりとりなど、、、 でも、本当にストレートに彼が思ったこと、感じ...
探険家、、、 ここまでの極限の世界での描写は、実際に体験できた彼にしかできない。 相棒である犬との命の交換 様々な描写のリアル、正直、汚かったりえげつなかったり、奥さんが読んだらどう思うんだろうというキャバ嬢とのやりとりなど、、、 でも、本当にストレートに彼が思ったこと、感じたことが描写されていて、興味深かった
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圧巻!一緒に探検している気分だった。経験したことないがブリザードをくらったり暗闇に月を見るようだった。
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読みたかった本。 しかし、読みながら心に葛藤が起こる。 感動を描く。赤ちゃんの出産シーン。1818年初めて集落以外の人間と出会ったイヌイット「太陽から来たのか、月から来たのか」グリーンランド最北のシオラパルク。社会や日常におけるシステムから脱却し、挑む極夜行。北緯80度だと4ヶ...
読みたかった本。 しかし、読みながら心に葛藤が起こる。 感動を描く。赤ちゃんの出産シーン。1818年初めて集落以外の人間と出会ったイヌイット「太陽から来たのか、月から来たのか」グリーンランド最北のシオラパルク。社会や日常におけるシステムから脱却し、挑む極夜行。北緯80度だと4ヶ月ほど極夜の時期は続く。一匹の犬と共に、ブリザードに立ち向かい、闇を進む。 違和感の正体は何か。著者自らも記す、客観的な証明が不可能だから、物語はフィクションだろうと疑われそうだと。それくらい良く描けている。概ね計画通りの進路で、飽きさせないトラブル。天候や食糧問題。冒険とは脱システムと言いながら、衛生電話。モーターボートを使わずカヤック。デポ配備。潤沢な装備。自らではなく、犬の飢餓の心配。自分は最後、犬を食えば良い。その保険は確保し続けて旅をする。 生存能力の自己確認。ある程度自分でルールを決め、ハードモードとイージーモードのちょうど良いラインでゲームスタート。ギリギリだぜ、生きてるぜ。これは、人工的なスリルだ。一緒にするのは誤りだが、設定された遊泳ライン、スキーコースを自ら逸脱したり、イスラム国支配地域に渡航して誘拐されるか否かに触れる行為に近い。 そんな読み方をすると冷めてしまうではないか。自らを諌めるが止まらない。サバイバル本と迫力が違う。極夜行を追体験できるのは嬉しい。だが、筆力が高すぎて、旅も記録も、チラチラ見える裏の仕込みに気が散ってしまった。読み手との相性だが、演出も良し悪しか。
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読み終えて真っ先に思ったのが、人の一生はあくまでその人自身の所有物であり他人にどうこう言う資格はないということ。 これほど極限の探検を求めるのであれば妻子は持つべきではないし、本書で筆者自身が述べているように「脱システム」し切れていない(電話や天気予報の仕様もそうだが、そもそも装...
読み終えて真っ先に思ったのが、人の一生はあくまでその人自身の所有物であり他人にどうこう言う資格はないということ。 これほど極限の探検を求めるのであれば妻子は持つべきではないし、本書で筆者自身が述べているように「脱システム」し切れていない(電話や天気予報の仕様もそうだが、そもそも装備品もシオラパルクに至る道中もシステムによって生み出された文明の産物なのではないか)と個人的には思うけれど、その生き方を追求しているのは角幡氏であって私ではない。何を求め、何を主義とし、例えそれを貫けず妥協する場面が出てきたとしても本人以外にどうこう言う資格はないのだし、自分の生を深く探究したい人間にしか見られない景色があるんだろうとも思う。また、今の世界において未踏の地はほぼ存在せず、未知を求めるのであれば極限環境に自分を置いた上での自己探究しかない、というのもわかる。 ただ、描写が冗長気味なのが気になってあまりのめり込めなかった。もっと削ぎ落としても良かったような……。極限の描写なら少し前に読んだ「死に山」の方がより臨場感迫っていたような気がする。
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なかなかすごい話だった。リハックで知って読んでみた。地球を宇宙のなかの惑星の一つとして捉える感覚面白い、私も思わず今日沈みゆく太陽と月を眺めて宇宙と地球を感じた。 システムの外側に飛び出すのはなんと難しいことか、GPSや携帯があるだけで飛び出せない。さらに家族というシステムからは...
なかなかすごい話だった。リハックで知って読んでみた。地球を宇宙のなかの惑星の一つとして捉える感覚面白い、私も思わず今日沈みゆく太陽と月を眺めて宇宙と地球を感じた。 システムの外側に飛び出すのはなんと難しいことか、GPSや携帯があるだけで飛び出せない。さらに家族というシステムからは更に抜け出せない。 極限の体験をして、この人は死ぬ時にも全く後悔しなさそうだなあ。 リハックのインタビューでは、自分の人生に他人の価値観を持ち込ませないって言ってて強い意志を感じたなあ。早稲田の冒険部はすごいな。ワンチャンとの絆も良かったなあ。 死に近づくことで生を感じるんだなあ。なかなかネジが三本くらい飛んでるな。読者として疑似体験ができて面白かった。 極夜の太陽が生命の誕生なら、死は母なる大地の安穏の子宮に戻っていく行為なのかもしれない。
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知識・経験不足で、極寒の様子が想像できない。しかし、人を極限の冒険に惹きつける何かの一端は感じとれた。読みごたえある一冊です。
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全く日が昇らない極夜の氷河を犬ゾリひとつで横断するという無謀な冒険。まず、目の前が真っ暗闇の世界を描いたノンフィクションがこんなにも面白かったのが驚きだ。それは角幡さんが目の前にあることに対して感じたままを書き残しているからだろう。そして、無謀と思える壮絶な冒険譚であるが、決して...
全く日が昇らない極夜の氷河を犬ゾリひとつで横断するという無謀な冒険。まず、目の前が真っ暗闇の世界を描いたノンフィクションがこんなにも面白かったのが驚きだ。それは角幡さんが目の前にあることに対して感じたままを書き残しているからだろう。そして、無謀と思える壮絶な冒険譚であるが、決して命は失わない冷静さも併せ持っているが故に輝きを放つのだと思う。
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めちゃくちゃ面白かった。極夜の世界…。想像を絶する場所なんだろうな。小話(コレがまた絶妙に面白い)を交えつつ探検をする著者の余裕が段々と無くなって、狂う寸前までいくのがリアルだったし、読んでる側もドキドキした…。真に迫っているように感じた。 冒頭の話の伏線回収が素敵だった。 「...
めちゃくちゃ面白かった。極夜の世界…。想像を絶する場所なんだろうな。小話(コレがまた絶妙に面白い)を交えつつ探検をする著者の余裕が段々と無くなって、狂う寸前までいくのがリアルだったし、読んでる側もドキドキした…。真に迫っているように感じた。 冒頭の話の伏線回収が素敵だった。 「お前たちは月から来たのか。太陽から来たのか。」よく分からないけどすごくこの言葉が残ってる。 読んでるとぶるっと寒くなる本。
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寒くなってきたこのタイミングで読んでしまい、ぶるぶる凍えながら読んだ。 マイナス40度とか50度とかももちろん想像もつかない恐ろしさだけれど、心を支配してくる漆黒の闇が更に恐ろしい。 見舞われるトラブルや喜びなど、ノンフィクションの醍醐味がたくさん。思わず快哉を叫んだり、笑っち...
寒くなってきたこのタイミングで読んでしまい、ぶるぶる凍えながら読んだ。 マイナス40度とか50度とかももちろん想像もつかない恐ろしさだけれど、心を支配してくる漆黒の闇が更に恐ろしい。 見舞われるトラブルや喜びなど、ノンフィクションの醍醐味がたくさん。思わず快哉を叫んだり、笑っちゃったりする箇所もあるのだが、時々挟まれるユーモアが結構下ネタ絡みで私は若干閉口したところもある。食事中に読めない箇所あり。 また、人と犬との物語としても読んだ。 太陽偉大。
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