花ひいらぎの街角 の商品レビュー
紅雲町珈琲屋こよみシリーズ6作目。 今回は50年前の過去の記憶と3年前の事件、現在のじけんを行ったり来たり。 相変わらず忙しいお草さんでした。
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※このレビューにはネタバレを含みます
和食器とコーヒー豆を販売する小蔵屋を営むお草さん。 旧友の初之輔から、お草さん宛に荷物が届く。 それをきっかけに再会したバクさんを含めた3人。 昔の思い出に触れて、初之輔の短編を活字にするために、印刷屋と何度か行き来するようになり そこで知る個人情報流出の真相。 個人印刷会社のピンチを救い、それによって従業員の奥さんの不可解な死を知り、 自殺とされていた死因を事故だったとつきとめたお草さんと彼らの長年の悲しみ。 お草さんシリーズ大好き。最新刊も読みたいなあ。
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<紅雲町珈琲屋こよみ>シリーズ第六作。 読み落としているのに気付いて読んでみた。 シリーズ初期はお婆ちゃん探偵のお草さんの枯れてなさに戸惑ったが、今や70代の婚活パーティもあるし生涯現役でバリバリ働いたりスポーツを楽しむ方も増えた。時代がやっとお草さんに追いついたというところだ...
<紅雲町珈琲屋こよみ>シリーズ第六作。 読み落としているのに気付いて読んでみた。 シリーズ初期はお婆ちゃん探偵のお草さんの枯れてなさに戸惑ったが、今や70代の婚活パーティもあるし生涯現役でバリバリ働いたりスポーツを楽しむ方も増えた。時代がやっとお草さんに追いついたというところだろうか。 今回は草の旧友・田中初之輔との約半世紀振りの再会を機に、彼がかつて同人誌に掲載していた短編小説を本人に内緒で本にしようと計画する。 お草さん、また余計なことを…と心配になるが、草が出向いた印刷会社では個人情報漏洩を思わせる不穏な会話が耳に入り、こんな会社に頼んで大丈夫か?と更に心配になってしまう。 さすがにそこで首を突っ込むことはなかったが、別の印刷会社<萬來印刷>に話を持ち込みに行くと、先の情報漏洩事件に繋がっていそうな出来事に遭遇する。 かつて草の元夫が率いていた芸術家集団のメンバーだった初之輔とバクサンこと寺田父。二人とも芸術家になることを半世紀前に諦め家族にすらそのことを隠していたのだが、初之輔は今になって草とバクサンに当時の作品を送り、バクサンは当時の同人誌を大切にしまっていた。 自分の才能を見切っても事情により芸術への道を諦め心の奥底に押し込めても、その情熱はちょっとしたことで再燃するのだろうか。 バクサンが草のサプライズ計画をとても喜び、本になる過程を我が事のように楽しんでいる様子は何だか不思議。自分が叶えられなかった夢をこういう形で叶えているかのように思えるのだろうか。 シリーズ初期の作品をすっかり忘れているが、バクサンが寺田息子に芸術家時代のことを何故隠しているのかが分からない。今はレストランのオーナーシェフとして成功しているわけで、こんな時代もあったと笑って語っても良いと思うのだが。 意外だったのは久実のキャラクター。ここ数作は不運なことが重なって落ち込み気味ではあるが、本来はサバサバした前向きな女性だと勝手にイメージしていた。しかし久実曰く、これまでの彼女は『断られる側』だったようでグズグズしている。 急に訪れたモテ期、受け入れ方も断り方も分からずアタフタするばかり。『断られる側』の痛みを知っているだけに、相手を傷付けず自分も傷付きたくないと悩んでいるうちに結局最悪の選択をしているように思えた。 今回のお草さんは派手な立ち回りはなかったが、<萬來印刷>やら久実のモテ期やら三年前の飛び降り自殺やら、相変わらずあれこれと首を突っ込んでいる。 『あなた、案外鈍いのね』と言われているが、鈍いどころか頭はフル回転。それでも年齢を重ねるうちに気を抜くところ、休んで良いところは心得ているようだ。 人の死に関わることに首を突っ込むべきではないとは思うけれど、結果的には心が晴れる部分もあり良かったと言えるだろうか。とはいえ当事者の一人が不快に感じていて、そこは素直に謝るお草さんではあってもやっぱりこの性分はずっと変わらないのだろう。 最も気になっていた情報漏洩の顛末についてはモヤモヤが残ったままだった。小林親子については更にモヤモヤが残る。<萬來印刷>の将来も心配だが、今後シリーズで触れられることはあるだろうか。 そしてもう一つ気になっていたお草さんのおせっかい、初之輔へのサプライズプレゼントの顛末は、さて。 私ならとても恥ずかしくて受け取れないが、そんな人間はそもそも若き日の作品をかつての仲間に送ることなく即処分しているのだろう。 お草の友人・由岐乃の自然体が好き。病気の後遺症で記憶に曖昧なところはあるものの、それも含めての彼女であり、しっかりしているときの彼女はとても頼もしい。 商売に冒険にと忙しいお草にとっても由岐乃との時間は癒やしの時間でもあるようだ。 どれほど年齢を重ねても、病で思うように頭が働かなくても出来ることはある。
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お草さんのシリーズも6作目。 今回は、ちょっと若やいだ雰囲気が感じられます。 北関東の小さな町・紅雲町で、珈琲豆と和食器の店「小蔵屋」をやっているお草さん。 若い頃に離婚して実家に戻り、今は一人暮らしのおばあさんです。 旧友の初之輔から突然、小包が届きました。 かって芸術家集...
お草さんのシリーズも6作目。 今回は、ちょっと若やいだ雰囲気が感じられます。 北関東の小さな町・紅雲町で、珈琲豆と和食器の店「小蔵屋」をやっているお草さん。 若い頃に離婚して実家に戻り、今は一人暮らしのおばあさんです。 旧友の初之輔から突然、小包が届きました。 かって芸術家集団にいた仲間どうし、お草さんの夫がそのリーダーだったのです。かっては皆で芸術家村を作ろうという構想もあったのですが‥ 初之輔と再会した草は、彼の作品を活版印刷による小さな本にしようと企画。 地元の印刷会社と関わり、思わぬ事件に遭遇します。 新しい人たちとの出会い、一癖ある人や、真面目な人。 これまでは若い頃のことはあまりわからなかったのですが、幼い息子の死という重い出来事で塗りつぶされていたのかもしれません。 ほろ苦い思い出を抱えつつ、高齢者同士そこはかとなく意識し合ったり。 気を取り直して、あちこちでひと肌脱ぐお草さんでした。 一方、店員の若い久実にも急に恋の花咲く季節が‥?! 年季の入った家事能力を生かして丁寧に暮らしながら、好奇心も失わないのが頼もしい。 謎を解くのが若さの秘訣?
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「小さな町で、珈琲豆と和食器の店「小蔵屋」を営むおばあさん、お草さん。彼女の周囲にあたたかく描かれる人間の営み、日常にふと顔をのぞかせる闇が読むものをグイグイ引き込む大人気シリーズ第6弾。」だそうです。 シリーズものとは知らずに読みましたが、ほっこりとした感じのストーリーでした...
「小さな町で、珈琲豆と和食器の店「小蔵屋」を営むおばあさん、お草さん。彼女の周囲にあたたかく描かれる人間の営み、日常にふと顔をのぞかせる闇が読むものをグイグイ引き込む大人気シリーズ第6弾。」だそうです。 シリーズものとは知らずに読みましたが、ほっこりとした感じのストーリーでした。中にちょこちょこっと謎解き要素もありますがほんの少しです。 年齢を経てこの年になって今だからこそできることがある、というお草さんの言葉はいいですね。
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久しぶりの紅雲町珈琲屋です。 いつものごとく平和な日々に謎が生まれ、少しずつ解明されていきます。 萬田さんと久美はどうなるのでしょう?色々あったけど二人が結ばれるといいなと思います。 次回作も楽しみ!
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お草さんシリーズ 亡きお母さんからの宿題?というか、長年のわだかまりを解決すべく奮闘するお草さん。 親しいからこその愛ある苦言は、聞く耳を持つべきだと思う・・・難しいけどね。
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今回はお草さんの身に危険はなさそう♪と安心していたけれど、マンションの非常階段をあがる場面はヒヤヒヤした(゜゜;)お草さんと由紀乃さんの関係も羨ましいけれど、バクサンや初之輔の関係も良いな~(^^)♪久実ちゃんの今後も気になるけれど、一番気になったのはサムサムサンド(*´∀`)
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お草さんシリーズ6作目。これまでで一番よかった。読みやすかった。自分がこの紅雲町にもすっかりなじんでいるのがわかる。お草さんや久実ちゃん、バクさんや寺田さんとの再会が嬉しい。小蔵屋で焼き物を愛でながらゆっくり珈琲を試飲して、豆を挽いてもらって帰りたい。さて本筋。まさかの活版印刷登...
お草さんシリーズ6作目。これまでで一番よかった。読みやすかった。自分がこの紅雲町にもすっかりなじんでいるのがわかる。お草さんや久実ちゃん、バクさんや寺田さんとの再会が嬉しい。小蔵屋で焼き物を愛でながらゆっくり珈琲を試飲して、豆を挽いてもらって帰りたい。さて本筋。まさかの活版印刷登場で、「活版印刷三日月堂」を読んだ直後だったので、ここにもか、と苦笑。ある人物の死とその謎を解くお草さんに今回は違和感はなかったけど、他のトラブルや久実ちゃんの件はこれまで同様どこかスッキリしないまま。でも現実もこんなもので何もかもがスッキリ解決するTVドラマとは違う。まぁこんなものかとこの世界にもすっかり慣れた自分が読み終えて独りごちる。今回読みやすさを覚えたのは、これまで引っかかっていた(鼻についていた)リズムの悪い描写のあれこれ(お草さんが朝の散歩で傘をコツンコツンといわせるだの、盆の窪に櫛をあてるなど)が減っていたからだと思う。風景描写や人物描写を変に凝ったものにしようとせずとも十分伝わるのだから。
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活字を拾うって表現を最初に知ったのは小学生の時読んだ『路傍の石』だったなと懐かしく思い出す。久実の恋愛も情報流出事件もすっきりせず、次作に持ち越しか。若き日の初之輔の本命は、小巻でも容子でもなく、お草さんだったってこと?容子さんの再登場はありそう。由紀乃さんの症状がじりじりと悪化...
活字を拾うって表現を最初に知ったのは小学生の時読んだ『路傍の石』だったなと懐かしく思い出す。久実の恋愛も情報流出事件もすっきりせず、次作に持ち越しか。若き日の初之輔の本命は、小巻でも容子でもなく、お草さんだったってこと?容子さんの再登場はありそう。由紀乃さんの症状がじりじりと悪化してるのも心配。お草さんはつくづくまだまだ現役だなと思う。
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