モモコとうさぎ の商品レビュー
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本屋さんで見つけてビビビときたので図書館で借りました。 大島さんの小説は昔のものの方が好きなのだけど(内容とか文体とか)、最近のものは「読もう」という気持ちになれないものが多かったのでなんとなく避けてた。でもこの本はあらすじ見てひさしぶり読みたいと思ったな。 そのビビビ感はやっぱり正解だったみたいで、いまの自分が読んで良かったなぁと思った。シンクロが多かったし。 親のこととか、これからどうしてゆくかということとか。 モモコは結果的に、どういう仕事につくか、どこで暮らすか、ということより、「モモコ自身でいれればいい」というところに到達するのだけど、ほんと、究極はそれだよねって思った。モモコは最終的にどんな仕事をするのだろう?とか気になって読んでたけど、、 でもこの本はサラッと深い。 家出してからのモモコの生活はなかなか大変でひどいものだったのだけど、その経験があったからこそ生きてくることもたくさんあり、どんな経験も意味があるんだなあ、とも思った。 途中の、村を離れるモモコを引き留めない皆のシーンでは、とても泣いてしまった。留まるべきか迷っている場所があったのだけど、あぁ、わたしもうここにいなくてよくて、先に進まなくちゃいけないのかもしれないなぁ。。とものすごく思えて。
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なかなかなんとも……だった。可愛らしい表紙とは裏腹に、主人公モモコは就活失敗、バイトをクビになり、居候先を探すもトラブルや主人公のマイペースさにより、居候先を転々と変更……というなかなか波乱万丈な内容だった。 主人公の性格も掴みどころのない感じだし、登場人物も変わっていた。まず、なんといってもモモコ母が。 桃源郷あたりからモモコも成長し、今まで散々してきた掃除や裁縫を活かして生き生きとしだした気がする。 そして今後どうするかを見つけたのかと思いきや、そこでお話はおしまい。モモコは旅を続けるのか、実家に帰るのか……? 良い予感は確かにするんだけど、ここから先は読者の想像におまかせかな? さらにはあの光ったり喋ったりするうさぎさんは一体……うさぎが好きで手にとった本なだけに、もう少しうさぎに関する描写が欲しかった。
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モモコは縫う。ちくちくちく、ちくちくちく。どんどん縫う。ちくちくちく、ちくちくちく。ちくちくちく、ちくちくちく。モモコがあまりにぼんやりしているから、現実味がなくて、夢うつつな感じ。バイトをクビになり就職に失敗し、なんとなく家出してふらふらしているモモコ。こんな子がいたら本当に心...
モモコは縫う。ちくちくちく、ちくちくちく。どんどん縫う。ちくちくちく、ちくちくちく。ちくちくちく、ちくちくちく。モモコがあまりにぼんやりしているから、現実味がなくて、夢うつつな感じ。バイトをクビになり就職に失敗し、なんとなく家出してふらふらしているモモコ。こんな子がいたら本当に心配。がんばれモモコ。
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今はやりの若者が田舎でプチ起業?いろんなところからお小遣い稼ぎしていく話。シェアハウスとか副業/複業/百姓など、タイムリーな話題。
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ストーリーとは関係ないかもしれないけど、ウサギの正体が気になってしょうがない。 この話続きがあるのかな?
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大島さんの作品は『ピエタ』『あなたの本当の人生は』につづいて三作目。 就職に失敗し、バイトもクビになったモモコは家に引き込もって自分の部屋でひたすら縫い物をするようになる。 義姉だったハルミちゃんにもらったうさぎのぬいぐるみにもふかふかの服を作ってあげた。そうそう、このうさぎは...
大島さんの作品は『ピエタ』『あなたの本当の人生は』につづいて三作目。 就職に失敗し、バイトもクビになったモモコは家に引き込もって自分の部屋でひたすら縫い物をするようになる。 義姉だったハルミちゃんにもらったうさぎのぬいぐるみにもふかふかの服を作ってあげた。そうそう、このうさぎは特別な能力があるらしい。 うさぎの服だけでなく部屋中がモモコが作ったもので満たされていて満足感を感じていた。でもそんな生活は長くは続かず、何となく部屋を覗いた売れない小説家の義父に挑発されるように、モモコはうさぎをリュックに詰め込んで家を出たのだった...。 そこから始まるモモコの流浪の旅。 様々な人と出会い、ある人には追い出されるように、ある人とは名残惜しげに別れる。自己表現に乏しく流されるままに生きてきたモモコの前に現れる一筋縄ではいかないキャラクターたち。彼ら彼女らに触発されながらふわふわとモモコは考える「働くって?」。 何にも取り柄がない。世界から忘れ去られている、と感じるモモコが、最初はフラフラとした足取りで、しかしだんだんと自分のペースを作っていく過程が頼もしい。 さてさて、モモコとうさぎの旅はどこに流れ着くのか。 緻密なうさぎのイラストの白い表紙も素敵です。
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主人公に好感が持てずいまひとつお話に入っていけませんでした。こんな生き方はないんじゃないかと思いましたが、読み進むうちにこれもありかなと思えてきました。というか今の若者にはこちらの方が一般的なのかもしれません。うさぎは何を表わしているのか私にはわかりませんでした。
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+++ 働くって、生きるってどういうことだろう―。モモコ、22歳。就活に失敗して、バイトもクビになって、そのまま大学卒業。もしかして私、世界じゅうで誰からも必要とされてない―!?何をやってもうまくいかなかったり、はみだしてしまったり。寄るべない気持ちでたゆたうように生きる若者の、...
+++ 働くって、生きるってどういうことだろう―。モモコ、22歳。就活に失敗して、バイトもクビになって、そのまま大学卒業。もしかして私、世界じゅうで誰からも必要とされてない―!?何をやってもうまくいかなかったり、はみだしてしまったり。寄るべない気持ちでたゆたうように生きる若者の、云うに云われぬ憂鬱と活路。はりつめた心とこわばった躰を解きほぐす、アンチ・お仕事小説! +++ 家庭の事情には複雑なものがあったが、それ以外には大学まで躓かずにやってきたモモコだったが、就職活動にことごとく失敗し、自分は世界中から必要とされていないのではないかという強迫観念にさいなまれ、引きこもってちくちくと縫物ばかりしている日々。そして不意に思い立っての家出。初めは友人知人に頼りつつ、暗~く生きていたが、触れ合う人たちから次第に掃除の腕を買われ、仮の居場所を得ていく。だが、そことて終の棲家とは言えず、モモコは自分の居場所を探し続けるのである。彼女にいつも寄り添うのは、かつての母のパートナーの連れ子である姉がくれた不思議なうさぎ。うさぎ同士が同期して不思議な力を持つようになるという。ときおり、あちこちにいるうさぎたちが話し合っていたりはするが、彼らがあまりうまく生かされていないような印象でいささか残念な気はする。結局、モモコの行く末は、いまだに茫漠としてはいるが、家出した当初から比べると、得るものがたくさんあったようには思える。母や家族に翻弄されず、これからはモモコとしての人生を生きていってほしいと思わせる一冊である。
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物語の始めは、就職活動が上手くいかず、無力感に苛まされていたモモコが、家出をして、流れ着いた先々で掃除や裁縫、細々とした手伝いをしながら、細々と暮らしを紡いでいく。 就職しなくても、暮らしていけるんじゃないか。 自分の好きなことをして、生きていきたい。 モモコの暮らしは、経済的に...
物語の始めは、就職活動が上手くいかず、無力感に苛まされていたモモコが、家出をして、流れ着いた先々で掃除や裁縫、細々とした手伝いをしながら、細々と暮らしを紡いでいく。 就職しなくても、暮らしていけるんじゃないか。 自分の好きなことをして、生きていきたい。 モモコの暮らしは、経済的には豊かとは言えないかもしれないけど、理想のような気がする。 ただ、会社で働くか、自分の店を持つか、あるいはモモコのように渡り歩いて暮らしていくか、は、やはり各々の性格に合う、合わないがある。 理想はモモコの生き方だけれど、私は安定した暮らしをしていないと、不安でいっぱいになりそうだ。私に合った暮らしを極めるのが、一番幸せな生き方だと思う。
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就活に失敗してバイトもクビになってお先真っ暗のモモコは後先考えずに家出して、友達や兄弟などの家を転々としていく。懐のバッグにうさぎのぬいぐるみを抱えて…。 さて彼女は「自分は要らない存在なのか!?」という疑問をその果てに解消できるのか…?という、ふわふわとした語り口で、やはりど...
就活に失敗してバイトもクビになってお先真っ暗のモモコは後先考えずに家出して、友達や兄弟などの家を転々としていく。懐のバッグにうさぎのぬいぐるみを抱えて…。 さて彼女は「自分は要らない存在なのか!?」という疑問をその果てに解消できるのか…?という、ふわふわとした語り口で、やはりどこかふわふわした女の子が自分探しの妙な旅に出かけるお話です。 といっても舞台は現代日本、彼女が出会う人たちは彼女よりもまじめにまともに生きていて社会に役に立っている。その姿を見るとモモコは焦る、自分はこんなでよいんだろうかと。そして縫いものをちくちくと進める。 うさぎはそんな彼女をそっと見守り、読者も見守る…そう、彼女をどこか応援したくなる。彼女の不安、寄る辺ない気持ちは、どこかいつか通った、または今抱えている気持ちだから、その弱さにはシンパシーをどこか感じる。 だから彼女がゆるゆるとしか進まなくても、不満を覚えず、ただ彼女のこれからをうさぎのような距離感で応援したいと思う。 きっと少しはいいことあるよ、この世の中。だってそうじゃないとやりきれないでしょう。と、自分のいる世界とも重ねて彼女を応援する。 そういう温かい気持ちを抱かせてくれる、やさしいお話でした。
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