それでも世界はサッカーとともに回り続ける の商品レビュー
「チャンピオンズリーグの20年」を著した片野道郎さんによる、10年代のサッカー界の裏でうごめく様々な動きを俯瞰したドキュメントである。 国と国のパワーゲームを背景にした動き、これは特にFIFAゲート問題の項で語られているが、サッカーという人気スポーツを利用する国の動きと、企業...
「チャンピオンズリーグの20年」を著した片野道郎さんによる、10年代のサッカー界の裏でうごめく様々な動きを俯瞰したドキュメントである。 国と国のパワーゲームを背景にした動き、これは特にFIFAゲート問題の項で語られているが、サッカーという人気スポーツを利用する国の動きと、企業活動とを中心にサッカーバブルの背景にメスを入れている一冊である。 ここで語られている内容は、普段からサッカーのニュースを洗っている方にとっては「とっくに知ってるよ」と言いたくなる類だろうが、こうして一冊の本としてまとめてくれている分だけ、そうした情報に疎い身にはありがたい一冊だ。 ただ一方で、ある程度の身びいきに基づいた著述も多少散見されるので、その辺は注意深く読み解く必要があるだろう。 端的に言えば、片野さんはおそらくセリエのファンでアリ、リーガではマドリー寄りの立場を取っていると思われる記述が目立つ。 例えば2017年夏の(正確には15-16シーズン以後の)マドリーの補強について「すでに完成されているがゆえに主力級の獲得を自重している」と解釈しているが、どう考えてもムバッペの獲得競争でPSGに負けただけだろう状況を、おそらくは意図的に省いている。 そうした点も加味して、星四つ半相当と評価している。 読み物としては面白いが、それゆえに読者に解釈を要求する部分が多分に含まれているので、その点は注意を喚起しておきたい。
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