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官僚制のユートピア の商品レビュー

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8件のお客様レビュー

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2022/04/20

官僚制を、それを実効化する暴力そのものという観点から、あるいは規則の増殖という退屈そのもののような世界のゲーム化というところから、あるいは、ルールの超越に対する恐怖に対する強迫から見ると、自分自身の、もともとは単に嫌悪感しかなかった官僚制的なものに対する構えのアンビバレンツに気づ...

官僚制を、それを実効化する暴力そのものという観点から、あるいは規則の増殖という退屈そのもののような世界のゲーム化というところから、あるいは、ルールの超越に対する恐怖に対する強迫から見ると、自分自身の、もともとは単に嫌悪感しかなかった官僚制的なものに対する構えのアンビバレンツに気づくことになった。

Posted byブクログ

2022/01/23
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

同著者の『ブルシット・ジョブ』が面白いと聞いたので、前段として読んでみた。のっけから「パーパーワーク」の誤字を発見してしまったせいもあるが、どうにも乗り切れない。終盤、ファンタジーやアメコミのたとえが出てくるあたりでぐっと飲み込みやすくはなったが、全体として読みづらかった。 また翻訳本にはありがちなことだが、注は巻末にまとめるよりも、ページか節ごとの脚注の方が明らかに参照しやすいのではないか。恐らく原著に従っているのだとは思うが。

Posted byブクログ

2021/12/08

極めて示唆に富む、面白い作品であった。 ここに、深い考察へと誘ってくれる著者自身の一節を、本文から引用しておく。 「官僚制の魅力の背後に潜むものは、究極的には、プレイへの恐怖である。」

Posted byブクログ

2021/06/19

非常に厚い(物理的に)本なので、全部読み切れず… 序章のみを読んだが、「官僚制」の定義や現在の社会でどのように「官僚制」が生み出されていくのかを分析しており、非常に考えさせられる内容。 ブルシットジョブの著者でもあるため、ブルシットジョブと併せて読むと良いのだろう(と思い積読中)

Posted byブクログ

2021/05/22

訳文がちっとも頭に入ってこないので訳者後書きを読んだら,これまた頭に入ってこない文章で妙に納得した.

Posted byブクログ

2020/12/30

 グレーバーの著作は着眼がユニークで、思いもかけぬ観点から物事の実相を解き明かしてくれるし、常識という固定観念が揺さぶられる。  しかし、新自由主義は本当に世の中を大きく変えてしまったのだなあ。ほぼ同時代を生きてきたのに、その大変動を意識せずにここまで来てしまった。

Posted byブクログ

2019/04/14

 なぜわたしたちの生活はかくも「書類の作成」に包囲されているのか。なぜひとは「官僚制」のゲームに魅せられてしまうのか。新自由主義は政府による規制の緩和を訴えているはずなのに、なぜ国家の統制がより強まってしまうのか? ――本書のグレーバーは、意味があるのかどうかもよく分からない書類...

 なぜわたしたちの生活はかくも「書類の作成」に包囲されているのか。なぜひとは「官僚制」のゲームに魅せられてしまうのか。新自由主義は政府による規制の緩和を訴えているはずなのに、なぜ国家の統制がより強まってしまうのか? ――本書のグレーバーは、意味があるのかどうかもよく分からない書類作成に追われている現在の大学人の実感、現代の人間がいかに多くの規則と文書に支配されているかという実感をうまくすくい取りながら、企業文化のそれも含み込めながら、「官僚制」を再定義してみせる。つまり、官僚制とは、国家や地方自治体のような公的組織にのみかかる制度ではない。また、官僚制批判は右翼の側の専売特許というわけでもない。グレーバーは、官僚制をめぐるいくつかの思い込み、暗黙の前提をひとつひとつ解きほぐしながら、左翼の立場からの官僚制批判を成立させるためのプラットフォームを準備していく。    もうひとつ興味深いのは、グレーバーが、テクノロジーの発展や革新とネオリベラルな政治=経済体制との間には何ら必然的な結びつきはない、と楔を打ち込んでいることだ。そうすることで、テクノロジーの登場初期に生起する解放のヴィジョンを再発見し救抜しながら、逆に、そのような潜在的可能性を政治的な争点にさせないようにアジェンダを作っていくネオリベラルな体制の政治性を露呈させていく。これこそまさに、21世紀日本の経産省=経団連的な未来像(Society5.0)への最も根本的な批判と言えるだろう。  グレーバーの名前を最初に知ったのは、たしかオキュパイ運動の時期、反グローバリズム運動と新しいアナキズムしそうとを結び付けた理論的旗手としてだったとおもう。だが、個人的には本書の議論の方がはるかに腑に落ちるものだった。グレーバーの議論を参照すると、たとえば安倍政権に対する批判的な議論を立てる際、〈法の支配から人の支配へ〉という枠組みが適切なのか疑わしい、ということになる。つまり、その批判は結局のところ、「もっと国家をちゃんと運営しろ」というレベルの話になってしまう。それは確かにそうなのだけれど、じつは安倍政権のありようこそ、ネオリベラルな政治=経済体制の直線的な帰結とも見ることができる。なぜなら、グローバーに言わせれば、官僚制的システムの本性は、上の人間がルールを破っても咎められないという点以上に、下位者たちが「そんなルール破りはなかった」と偽り続ける意志の貫徹にこそあるのだから。

Posted byブクログ

2018/04/14

右翼ポピュリズムによる官僚批判が政治の中心になってしまっていることを本書は、指摘する。 藤田孝典さんが以前ツイッターで紹介していた本です。 図書館へリクエストして借りて読んでいます。 グローバリズムとは地球規模の官僚化とは、私には思いもよらない指摘である。 自己実現とは個人...

右翼ポピュリズムによる官僚批判が政治の中心になってしまっていることを本書は、指摘する。 藤田孝典さんが以前ツイッターで紹介していた本です。 図書館へリクエストして借りて読んでいます。 グローバリズムとは地球規模の官僚化とは、私には思いもよらない指摘である。 自己実現とは個人ファシズムと定義する。 現代を生きるわれわれの必読書である。

Posted byブクログ