生き物はどのように土にかえるのか の商品レビュー
図書館で。 動物にも半減期みたいなものがあるんだなぁというのが面白かったです。一度、植物が死んでから新たに繁茂するのも。栄養は直接取り入れられる訳じゃないんだろうなぁ。
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土にかえる、ということについて、生態学の視点から、かなり分かりやすく理解を深められる。 動物、植物、、、まずこれらが何出てきているか、をあらためて知る。そして腐敗や発酵という言葉、実際は何が起きているのか、科学的に考える機会を得られた。 分解と循環、絶えず私たちの命は巡っているんだなーと、 土だけじゃなくて、大気にも、海にも還っていって、それを吸って、飲んで、食べて、生きているんだなーと思った。
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動物及び植物の腐る過程から「循環」を想起させてくれる本。「分解者」の存在を分解される側から明らかにしていく。非常にわかりやすく、専門的な知識がなくても楽しめる。葉が枯れることが「モジュラー生物」である植物にとっての部分的な死であるという見方には大いに納得。ただ述べるだけでなく読み手に考えることを促す仕掛けがところどころにあり、子どもにも読ませたいと思った。 「腐敗」というと負のイメージが強いかもしれないが、私たちの周囲は「循環」に欠かせない「腐敗」で満ちている。「腐るか腐らぬか、それが問題だ」という章題にもあるように、「腐るか腐らぬか」つまり「分解されるか分解されないか」という境のところを人間は上手に活用してきてもいる(ワイン、チーズ、麹など)。人間の「生」と「死」について考えるときに「分解」という通過帯を盛り込んだら新たな位置づけができるのではという提起も興味深かった。 [気になった存在] ナミダタケ(クイーンシャルロット号)、プロトタキシーテス
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素人を魅きつける単純明解な面白味に欠け、不真面目な読み手の文系オバちゃんにはチト退屈。文章は平易で専門用語も少なくあっても文中で説明されてて、読み易くはあるんだけど。行間も上下の余白も大きいし(笑)。 ゼミは和やか、フィールドワークは円滑、論文指導は丁寧、だけど講義はつまんない先生…みたいな。 参考文献がご自分の著書と訳書ばかりってのも、それっぽくない?
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生き物の「分解」に関する本。マニアック! 個人的には、一章の「動物が腐る」が面白かった。 生きている動物をテーマにした研究は多いと思うが、動物の死後にも興味深い知見が多い。 コラムでは法医昆虫学にも触れる。川瀬七緒さんの〈法医昆虫学捜査官〉シリーズは、ミステリ的な真相への迫り方も...
生き物の「分解」に関する本。マニアック! 個人的には、一章の「動物が腐る」が面白かった。 生きている動物をテーマにした研究は多いと思うが、動物の死後にも興味深い知見が多い。 コラムでは法医昆虫学にも触れる。川瀬七緒さんの〈法医昆虫学捜査官〉シリーズは、ミステリ的な真相への迫り方も面白く、雑学としても楽しめる、とても良いテーマだったなと再認識。 生物や地球環境について考えるうえで、忘れがちだが、避けては通れない内容だと思うので、多くの人に読んでもらいたいと願う。
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生物がどのように土に還っていくのか、言葉では言っていても知らないなぁと思って読んでみました。興味深い内容でした。もっと深く突っ込んだ内容・解説でも良かったなぁと思いますが、概略を掴む上では良い本だったと思います。 土に還るまでの流れと、そこに関わる生物の営みについて知りたい人には...
生物がどのように土に還っていくのか、言葉では言っていても知らないなぁと思って読んでみました。興味深い内容でした。もっと深く突っ込んだ内容・解説でも良かったなぁと思いますが、概略を掴む上では良い本だったと思います。 土に還るまでの流れと、そこに関わる生物の営みについて知りたい人にはおすすめです。
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生物学(生命科学)を学ぶ醍醐味は、生物観や生命観が、自分の中で構築・再構築・増築されていくことにあると思っているのですが、まさに、そういったことが可能な本だと思います。 しかも、「生」よりもむしろ、「死」に焦点を当てることで、生物観や生命観が構築・再構築・増築されていくことに、...
生物学(生命科学)を学ぶ醍醐味は、生物観や生命観が、自分の中で構築・再構築・増築されていくことにあると思っているのですが、まさに、そういったことが可能な本だと思います。 しかも、「生」よりもむしろ、「死」に焦点を当てることで、生物観や生命観が構築・再構築・増築されていくことに、この本の魅力があると思います。 また、この本の魅力は、科学的な知見は、たくさんの科学者による、地道で継続的な観察と考察の上に成り立っていることを感じられる点、にもあると思います。 たくさんの人に読んでほしい本の1冊です。
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そうか、死体の腐敗から白骨化なんてのも、ついホラーっぽく考えてしまうが、素晴らしい自然の分解システムなんだな。こういう先生と一緒に見れば第二段階の腐乱死体も冷静に観察できるのかも。こういう先生は腐乱死体の臭いなんかも冷静に分析したりするのかも、なんて思いつつ読んだが、3章でカワウ...
そうか、死体の腐敗から白骨化なんてのも、ついホラーっぽく考えてしまうが、素晴らしい自然の分解システムなんだな。こういう先生と一緒に見れば第二段階の腐乱死体も冷静に観察できるのかも。こういう先生は腐乱死体の臭いなんかも冷静に分析したりするのかも、なんて思いつつ読んだが、3章でカワウが営巣している森に調査に行ったら、臭いに吐き気がしたと書いてあって、腐乱死体は平気で(とは書いてないが)カワウは臭いんか!と突っ込みたくなったが。 人間を含めた動物から植物までが、死んだあとどのように土に還っていくか書いた貴重な本。読んでみるとハエもダニもカビもいい仕事してるんだね。あんまり見たくないけど。 「土に還る」って言い方はよく聞くけど、腐敗してガスがでることを「大気にかえる」と書いてあるのが新鮮だった。
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動物が死ぬと、数分のうちに細胞自身の持つ酵素によって自己消化と、胃腸管内の嫌気性菌による腐敗が始まる。同時に、クロバエやニクバエが飛来して遺体に卵を産む。腐敗によって遺体は膨潤し、腐敗液が流れ出す。膨潤やハエの幼虫に食べられることによって皮膚に裂けめが入り、第二段階になると、好気...
動物が死ぬと、数分のうちに細胞自身の持つ酵素によって自己消化と、胃腸管内の嫌気性菌による腐敗が始まる。同時に、クロバエやニクバエが飛来して遺体に卵を産む。腐敗によって遺体は膨潤し、腐敗液が流れ出す。膨潤やハエの幼虫に食べられることによって皮膚に裂けめが入り、第二段階になると、好気性菌が活動を始め、分解が活発化する。筋肉や脂肪などの柔らかい組織は、キツネ、アライグマ、カラス、タカなどの腐肉食性の脊椎動物のエサとして利用される。細菌は、炭水化物やタンパク質を消化してアンモニアや硫化水素のほか、カダベリンやプトレシンなどの不快な臭いのする分解産物を生成する。柔らかい組織が食べつくされた第三段階になると、シデムシやカツオブシムシなどの甲虫の幼虫によって皮膚が食べられる。ワカフサタケやキツネタケ、トムライカビなどの腐敗後菌も発生する。遺体が土中に埋められると、腐肉動物に利用されないために分解は遅くなる。 樹木の葉は落ちる前に細胞の中身は枝や幹に回収されるため、残るのものの大部分は細胞壁。細胞壁は、構造を支えるセルロースとその間を埋めるリグニンによって構成される。セルロースはカビによって分解されるが、リグニンを分解するのはキノコを形成する菌類が主体。土壌動物によって分解される割合はせいぜい1割以下。落ち葉が分解されて重量が半減する期間は半年から3年で、クチクラ層が発達し、リグニンが多い針葉樹の方が長い。リグニンは褐色で、セルロースは白色のため、リグニンが活発に分解される環境では、落ち葉は白くなる。枯死した幹の重量の半減期は2〜170年で、針葉樹の方が長い。 キノコの菌糸の細胞壁は、多糖類のキチンとグルカンでできているため、植物に比べて分解されやすい。
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露骨に「ああ、孤独死はしたくないな」と思ったり、キノコの構造を思いながらエノキの味噌汁をすすったり。題材にもかかわらずこのさわやかさ。
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