ルポ 川崎 の商品レビュー
以前の著作とは違い、あくまで外部の人間としての俯瞰視点で綴られている。ただ、ストリートを書き換えていく若者について描く筆致の熱量は変わらない
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多摩川に沿って丘陵から沿岸部まで伸びる川崎。その川崎駅よりも南側、デトロイトの顰みにならって、サウスサイドと呼ばれるこの地域。 ガラの悪い川崎。貧しい複雑な事情の家庭。やくざと風俗とヘイトスピーチ。強く生きる若者の群像。 格差社会となった現代日本においては確実にどこにでも存在する...
多摩川に沿って丘陵から沿岸部まで伸びる川崎。その川崎駅よりも南側、デトロイトの顰みにならって、サウスサイドと呼ばれるこの地域。 ガラの悪い川崎。貧しい複雑な事情の家庭。やくざと風俗とヘイトスピーチ。強く生きる若者の群像。 格差社会となった現代日本においては確実にどこにでも存在するレイヤー。このレイヤー間の厚い半透膜を突破する声を生み出すにはヒップホップと言う音楽の力が効果的なのだっだ。
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川崎に越してきて10年。 市民として、著者と同世代の人間として、 思うことは色々ある。 経験から言えば、川崎も僕の出身地である横須賀も、10代を過ごした湘南(藤沢、鎌倉、逗子)も横浜も大差ない。それぞれの闇があり、それぞれの地獄がある。 ただ、本書で繰り返し述べられているよう...
川崎に越してきて10年。 市民として、著者と同世代の人間として、 思うことは色々ある。 経験から言えば、川崎も僕の出身地である横須賀も、10代を過ごした湘南(藤沢、鎌倉、逗子)も横浜も大差ない。それぞれの闇があり、それぞれの地獄がある。 ただ、本書で繰り返し述べられているように、これは川崎という街を1つの切り口とした現代日本の抱える問題の現状を伝えるものであり、これから先の世代や未来に向けたヒントだ。 そういった意味で言えば、磯部氏という信頼の置ける音楽ライターが、音楽(を主としたカルチャー)に焦点をあてて掘り下げている本書は、とても理解しやすかった。
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唖然とするようなリアリティ。 川崎で働いてますが、まっったく別のレイヤーがあることの衝撃。 あそこは夜中スケボーパークになっていたのか! たしかに踊っている子達はいた! カラーテレビを見られることをウリにする謎の下宿のような自称ビジネスホテル、が簡易宿泊所…! 流動性が高まる...
唖然とするようなリアリティ。 川崎で働いてますが、まっったく別のレイヤーがあることの衝撃。 あそこは夜中スケボーパークになっていたのか! たしかに踊っている子達はいた! カラーテレビを見られることをウリにする謎の下宿のような自称ビジネスホテル、が簡易宿泊所…! 流動性が高まる世界において、アイデンティティが問われるのは人ごとではない。 物理的な限界を超える文化の力、 と言葉にすると陳腐だけどそれのもつ物理的な力を実感。 青の美しい写真も素晴らしいです。 写真集の平山夢明せんせいの解説にマジで震えました。サブテキストとしてぜひ。
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音楽ライターである著者が、昨今躍進を続けるBAD HOPらを軸としながら、主にカルチャーの面から川崎サウスサイドを叙景したルポルタージュ。 社会学的なアプローチもありつつ、焦点の多くを危うくも魅力的な人物達に集めていて、読み物として楽しく読めた。とはいえ、プロローグ、インタールー...
音楽ライターである著者が、昨今躍進を続けるBAD HOPらを軸としながら、主にカルチャーの面から川崎サウスサイドを叙景したルポルタージュ。 社会学的なアプローチもありつつ、焦点の多くを危うくも魅力的な人物達に集めていて、読み物として楽しく読めた。とはいえ、プロローグ、インタールード、エピローグには川崎を対岸の火事にしない著者の姿勢が現れており、あなどれない一冊。
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