いちのすけのまくら の商品レビュー
「落語家が落語の本題に入る前のフリートークを『まくら』とよんでいます。「頭につく」から『まくら』」(「はじめに」より) 著者を知ったのは、昨年の緊急事態宣言中。 主任(トリ)中止になってしまった高座の期間中、その同時刻にYouTubuで10日間連続ライブで2回にわたって行って...
「落語家が落語の本題に入る前のフリートークを『まくら』とよんでいます。「頭につく」から『まくら』」(「はじめに」より) 著者を知ったのは、昨年の緊急事態宣言中。 主任(トリ)中止になってしまった高座の期間中、その同時刻にYouTubuで10日間連続ライブで2回にわたって行っていたからだ。 制約の多い「STAY HOME」期間中、大きな潤いのひとつになった。 やっぱり落語は良い。 そんな著者の週刊朝日の連載をまとめて出版されたもの。 ガラケーのメール機能で原稿を書いているという。 売れっ子の落語家でありながら、気取らない。 どこか自分を冷めてみている。 そして不安がっている。 こんな自分でいいのだろうか。 でも、きっとそのままで良いのだ。 白か黒かで決着をつけたがる世の中。 誰かの失敗やスキャンダルを追及し、騒いで叩き潰すことで、身勝手な正義感に酔いしれる。 でも、人間なんてそんなものだ。 だらしなくて、間違いだらけだけど、それでも日々は過ぎていく。 それでいいのだ。 肩肘はらずに、気楽に読める。
Posted by
春風亭一之輔が週刊朝日に「ああ、それ私よく知ってます。」のタイトルで連載したエッセイを単行本化。主に時間つぶしを兼ねた喫茶店でケータイで書いたとのこと。書くだけではもったいないからとその後実際に高座のマクラで披露した話もあり。聞いた記憶のあるものも。巻末には落語好きの俳優東出昌大...
春風亭一之輔が週刊朝日に「ああ、それ私よく知ってます。」のタイトルで連載したエッセイを単行本化。主に時間つぶしを兼ねた喫茶店でケータイで書いたとのこと。書くだけではもったいないからとその後実際に高座のマクラで披露した話もあり。聞いた記憶のあるものも。巻末には落語好きの俳優東出昌大さんとの対談も併載。
Posted by
一之輔師匠のエッセイを読んだり、ラジオでのトークを聴いていると、学校から帰ったらずっーとテレビ観て、夜中はラジオ聴いて・・・ていうボンクラ中高生だったのだなというのがすごくよく分かる。 そういうところへの共感(年は離れててもバックボーンが同じという感覚)、そしてその点が落語のく...
一之輔師匠のエッセイを読んだり、ラジオでのトークを聴いていると、学校から帰ったらずっーとテレビ観て、夜中はラジオ聴いて・・・ていうボンクラ中高生だったのだなというのがすごくよく分かる。 そういうところへの共感(年は離れててもバックボーンが同じという感覚)、そしてその点が落語のくすぐりとかに結実しているところが、とてもうれしい。 この本を読んだりラジオのトークを楽しんでいる人の多くは、彼の高座を聴きに寄席や独演会に足を運んでいるのだ。
Posted by
空想の世界にすぐにでも飛べるような性格ではないと、 噺家さんという自分で全て帰結するような話芸は不可能なのかもしれない。 少し皮肉屋で、多少の批判はものともしない、そんな独自性が見れるエッセイ集。文庫版をバッグに忍ばせ、暇な時間ができたときに、細切れで読むのにいいかも。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
なにやら今、売れっ子らしい。12~14年頃から頭角を顕してきたのかな? ちょうどR国に居た頃だから知らない(日本に居てもTV見ないから一緒か)。17年にNHKの番組で特集されてブレイク中だとか? 知らんなぁ。 『週刊朝日』の連載か。30年前を思い出す。松本人志に、ナンシー関。あの頃は、最終ページの『ブラックアングル』はじめ、よく立ち読みしたもの。 ・・・って、思って読んでたら、 ”いろんな週刊誌を購読してきました。もちろん、週刊朝日もナンシー関さんの「小耳にはさもう」目当てに買ってましたよ。中高生の頃かな。” なんて記述もあった(「週刊誌」)。ナンシーファンってことで、☆ひとつは追加だね。 その他の内容も、そこそこ面白いけど、”オフオフダウンタウン”ほど振り切れていないし、ナンシー関ほどの毒もない。 業界ネタ的なユルいお話が多い。たまには目に止まる記述もあることはある。 例えば、仕事が増えてきたのでスケジュール管理のためマネージャーを雇うことになった先輩芸人。そのマネージャーとの会話(「懐刀」)。 ”「半分以上、仕事を断るのが仕事みたいなものです」 とのこと。禅問答みたいだな。” あとは身辺のたわいもないエピソードを、それなりにオチをつけ(サゲ)て、ほどよく上手にまとめてある(まとめちゃったら、まくらにならないんだけど、まぁいいか)。 お手軽に読めるお話だけど、人気者がアタリサワリなく書いてる程度か。 連載、続いてるの? 今週号(2018/2月第2週)の『週刊朝日』をコンビニで手に取ってみた。おや、まだ連載してるようだ。ちょうどこの本が出たと宣伝もしている。地方公演に行ってのたわいもないお話(少なくない、この手の話)。 もうひと皮、ってところですな。 あ、それと言葉を扱う噺家さんなんだから、「鬼の仇」なんて誤用はしないで欲しいかな(「ローカル」)。 ま、ちょっとまた落語聞いてみるか~って気にもなりました。という意味では、導入(まくら)にはなった、と。
Posted by
- 1