星空の谷川俊太郎 質問箱 の商品レビュー
質問の答えが答えになってない。全てうまくかわされている気がする。しかしそんな姿からは、「質問に答えはない」というメッセージを感じる。というか、答えを探すことをやめなさいというような。答えがあるということは正解・不正解があるということ。私たちの人生に正解・不正解はないから、答えもな...
質問の答えが答えになってない。全てうまくかわされている気がする。しかしそんな姿からは、「質問に答えはない」というメッセージを感じる。というか、答えを探すことをやめなさいというような。答えがあるということは正解・不正解があるということ。私たちの人生に正解・不正解はないから、答えもない。 何かを教えてくれる本というよりかは、自分の足でしっかりと歩んでいくことの大切さを教えてくれるような本。 わたしが好きだったのは、カピパラたちの ≪毎日、食べて寝て、しあわせな顔をしています。オレたち、これでほんとに合ってんのかな?≫ という質問に対する ≪合ってます合ってます。(中略)いのちプラスアルファのおかげで(人間は)不幸になりましたね≫ という答え。 当たり前のことを疑うこと、それが違くて、生きているだけで幸せだって盲信するのも違う。でも上を上を!って目指す姿が人間の素晴らしいところだけれど、自分が本当に大切にしたいことを心の中に問いかけるのはもっと大事だなと思った。
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谷川俊太郎さん。 詩集を出されている人としか知らずにいましたが、この本を読んで人柄も好きになりました。 皆さんからの質問に優しさとユーモアを含めて真剣に答えてくれます。 挿絵も素敵です。 質問も自分には思いつかない考えた事もないものに谷川俊太郎さんの答えがしっくりときます。 質問...
谷川俊太郎さん。 詩集を出されている人としか知らずにいましたが、この本を読んで人柄も好きになりました。 皆さんからの質問に優しさとユーモアを含めて真剣に答えてくれます。 挿絵も素敵です。 質問も自分には思いつかない考えた事もないものに谷川俊太郎さんの答えがしっくりときます。 質問者と谷川俊太郎さんが会話しているのを聞けているような本でした。
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まず質問がみんな良い あともちろん谷川俊太郎さんの答えも 答えを求めて読んでるんじゃなくて谷川俊太郎さんの感性に触れられて面白いと思ったり共感したりじんわりあったかくなったりするこの感じが最高です 1番好きなのは気分の浮き沈みの変化を山の天気の変わりやすさに例えて自然現象だ...
まず質問がみんな良い あともちろん谷川俊太郎さんの答えも 答えを求めて読んでるんじゃなくて谷川俊太郎さんの感性に触れられて面白いと思ったり共感したりじんわりあったかくなったりするこの感じが最高です 1番好きなのは気分の浮き沈みの変化を山の天気の変わりやすさに例えて自然現象だからしょうがないよって答えているところ 人間も自然のひとつだもんね あと 結局自分で突き詰めて考えなさい が多くて好き 明日読んだらまた違う感想を持ちそう それくらい詩的な答えがたくさんあります
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子どもから老人まで気軽に楽しめる。 谷川さんの返答が絶妙。 うーん!と唸ってみたり、自然と笑顔になったり、クスッと笑わせたり。 さすがとしか言いようがない。 33の質問も読みたい
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小学生の頃、谷川俊太郎さんの詩が好きで、よく読んでいました。中学生以降はほとんど読んでいなかったのですが、最近本書に出会いました。装丁や絵がとても綺麗です。あったかいお茶を飲んでホッとするように、心が穏やかになりました。谷川俊太郎さんのように、正解がない問いに対して、自分なりの意...
小学生の頃、谷川俊太郎さんの詩が好きで、よく読んでいました。中学生以降はほとんど読んでいなかったのですが、最近本書に出会いました。装丁や絵がとても綺麗です。あったかいお茶を飲んでホッとするように、心が穏やかになりました。谷川俊太郎さんのように、正解がない問いに対して、自分なりの意見を持てる人間でありたいなと思いました。
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憶えていることは言語化できる意識に属していて、忘れていることは言語化が難しい意識下に属しているんじゃないかな つまり忘れたことは、憶えていることよりも深い心のどこかに保存されていて、それも自分を作っている一つの要素だと考えたい。 どうでもいいことを忘れないのは、もしかするとそれ...
憶えていることは言語化できる意識に属していて、忘れていることは言語化が難しい意識下に属しているんじゃないかな つまり忘れたことは、憶えていることよりも深い心のどこかに保存されていて、それも自分を作っている一つの要素だと考えたい。 どうでもいいことを忘れないのは、もしかするとそれがどうでもよくないことへの入り口だからかもしれない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
谷川さんは詩人であって聖者ではないのですが、大詩人で人生の先輩でと考えると、まるで聖者のようなひとなのではないかという先入観で見てしまう。僕の詩人観がすこし歪んでいるからです。でも、注意深く、こういった本を読むと詩人が聖者じゃないことはなんとなくわかってきます。それは僕にとって、とてもよいことです。どの答えもおもしろい、しかし、僕の読みとは必ずずれている答えになっていました。僕が野球の打者で、谷川さんがキャッチャーとしてピッチャーの投球をコントロールしていたら、僕はまったく配球を読めていないで、空ぶったり見逃したりして三振しているでしょう。それは相性のせいかもしれないですし、僕のあたまが単純にすぎるからかもしれません。またこのこととはちょっと違いますが、とらえどころのなさのある方だとも感じました。 ただまあ、ひとつかふたつくらいは、僕が答えるだろうものに近い答えを発されているものもあります。それは「大切な人が亡くなったとき、どうやって乗り越えてきましたか?」への答えがまずひとつ。<泣きながらカーステレオの音楽を流し放しでどこへ行くあてもなくドライブしたり、飲めない酒を飲んで無理やり自分で自分を寝かしつけたりしました。>というのがそうです。これはガードを解いた時ときのひとりの人間のそのままっていう感じです。 もうひとつあげると、オリンピック選手に恋焦がれていてどうしようもないんだけど、どうしたらいいのかという質問に対する答えの一部分。<恋愛ってある面では反社会的なものなんだよ。>です。こんなにはっきりと僕の内では言語化されていませんでしたが、さっきの配球のたとえでいえば読みの範囲内といえるくらいのところです。 また、考えさせられるタネもいっぱいあるんです。偽善についてのページがあってそこでの谷川さんの答えを大きなヒントにして考えました。それは、偽善的なことって思い浮かぶものだけれど、そんなこと考えもしないと言ってしまえる人が偽善者だ、というようなものでした。例外はあるけれど、悪いことだとか下心だとか、誰もが考えることです。それを、「そんなこと考えてない」と言いはってしまうのが偽善で、それはほんとうにそうだと思いました。仮にほんとうに考えていなくても、指摘されたら戸惑ってしまうでしょうし、戸惑ったときに「やってしまうかもしれない」可能性を少しであっても感じるものだと思うのです。で、そういった下心などが頭に浮かんでいても、自分を律して自制心で行動するのが偽善への対処だと思うのです。それが自己完結の場合であっても。 下心を思い浮かべた時点で偽善になるということじゃないと僕は考えます。そんなのは誰にもあることで、当り前の領域なのではないか。下心の奴隷となりその欲求のとおりに行動したりすれば、それこそが偽善。自律的に自制心で下心をとどめて行動できたなら、下心を内に抱えていたとしても偽善ではないと思うのです。たいていの場合、こころに少しでも邪なものが浮かんでいたなら、それに反した行動をしても他者がそれを見て「偽善だ」と糾弾してくるものですよね。こころにやましい考えが浮かぶか浮かばないかで判断するのは、人間のこころを見透かす存在つまり神様を認めた世界観(宗教観)からきているではないか。人間がピュアならやましいことは考えないはずだ、という考え方によってはナイーブで厚かましい人間観がそこにあるのではないでしょうか。人間はそんな単純に割り切れるものじゃないです。ピュアという単純さをよしとするのは、扱いやすい人間をよしとすることです。つまり、子羊たる人間であれ、というように。だから、下心が思い浮かぶか浮かばないかで人を偽善かどうかを判断するのはくだらないことどころか、害悪でもあると思うんですよね。浅薄な人間観ですから。 ひとりの人が、どう世界と関わるかだとか人とコミュニケーションをとるか、距離をどうとるかっていうのは、その人の世界観や人間観から発生することです。ですから、浅薄な人間観が害悪になるだろうと考えられるのでした。 ちょっと個人的な脱線が著しかったですが、本書は考えるヒントをいただける本であり、谷川さんと張りあうかのようにさまざまな質問に対して自分なりの答えを考えて谷川さんの答えと比べて楽しむというのも悪くない本だと思います。 詩人の思考方法からなにかを得よう・学ぼう・盗もう、というよりも、構えずいっしょに楽しんじゃったほうがずっといい種類のものだと思いました。本質をつく質問にはハッとします。でも、うまく答えられなくてもその質問から逃げない姿勢でいたほうがどうやらいいみたいだ、という感想を最後に持つことができた本でした。
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短い受け答えが詰まっているのでさくさく読めた。 質問が愛おしかったり、それ私も気になる、というようなものだったり、これを疑問に思う人はどういう人なんだろう、といったものだったり…さまざまでとても興味深かった。 私は谷川さん自身に対してのイメージが良くも悪くもあまりなく、その答え...
短い受け答えが詰まっているのでさくさく読めた。 質問が愛おしかったり、それ私も気になる、というようなものだったり、これを疑問に思う人はどういう人なんだろう、といったものだったり…さまざまでとても興味深かった。 私は谷川さん自身に対してのイメージが良くも悪くもあまりなく、その答えによっては印象が少し悪くなったりもして読むのが怖かったりも正直した。 けれど一方でなるほど、と手を打ちたくなるものや答えの中にさらに考える続きを提示されているものもあり、谷川さんがその都度一人一人に向き合い(時として突き放したりして)やりとりをしていたんだな、ということはとても伝わってきた。
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“ひとり1個”の質問に、詩人の谷川俊太郎さんが答えていく。 ちっとも難しい言葉じゃないのに、言ってることがすごく深い。 私もこんな言葉の使い手になりたい。 “世界のすべては質問からはじまる”という帯タイトルも好き。
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友人との待ち合わせの間、さっと読める本をと思い購入しました。 谷川俊太郎さんの個展がちょうど新宿オペラシティで開催された後で、それまでは彼の考え方があまりに優等生過ぎて苦手だったのだけれど、展示を見ていて、世界の人が同じ価値観でもって、世界の喜びや幸せを分かち合うには彼氏の言...
友人との待ち合わせの間、さっと読める本をと思い購入しました。 谷川俊太郎さんの個展がちょうど新宿オペラシティで開催された後で、それまでは彼の考え方があまりに優等生過ぎて苦手だったのだけれど、展示を見ていて、世界の人が同じ価値観でもって、世界の喜びや幸せを分かち合うには彼氏の言葉や表現が必要なのではないかと感じ、とても大好きになった時期だったのです。 なので、ちょっとその進歩編の『色んな人の悩み』に触れたものを読んだわけですが、これもまた全く違う環境にありながらさも身近に感じるものばかりで、またかけられる言葉もまた、つぶさに伝わってきてびっくりするのでした。 ステキな言葉には付箋をつけて保存してあります。
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