江戸川乱歩作品集(Ⅱ) の商品レビュー
江戸川乱歩作品集その2。 印象に残ったのは、代表作「陰獣」「黒蜥蜴」と「何者」。 「何者」は本格的な推理物で、この時代の海外作品にも引けを取らない名作。逆に、「陰獣」はよくこの時代に発売禁止にならなかったなと...。当時の評判はどうだったんだろう。 「黒蜥蜴」は明智小五郎の...
江戸川乱歩作品集その2。 印象に残ったのは、代表作「陰獣」「黒蜥蜴」と「何者」。 「何者」は本格的な推理物で、この時代の海外作品にも引けを取らない名作。逆に、「陰獣」はよくこの時代に発売禁止にならなかったなと...。当時の評判はどうだったんだろう。 「黒蜥蜴」は明智小五郎の大衆向け作品といった感じだろうか。怪人二十面相の時も思ったけど、こういう作風の時の明智小五郎は、探偵というよりももはや「ヒーロー化」されているので、子どもが読むには安心なんだけど大人が読むには物足りなさを感じてしまう。 ただ、全体的には全くテイストの違う推理物語を読めて、非常に満足な1冊でした。
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『江戸川乱歩作品集Ⅱ陰獣・黒蜥蜴 他』 江戸川乱歩 浜田雄介編/岩波文庫 . 「黒蜥蜴」で明智小五郎と黒蜥蜴の対決のテンポ感がとても良かった。トリックに使われた人間椅子は乱歩さんの作品にあるので読んでみたい。 どの作品でも出てくる女性たちが怖い。
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収められているのは1923(大正12)年から1950(昭和25)年にかけての作品で、「推理・謎解き」をテーマとした編集。 純粋な推理小説(謎解きオンリー)なのかもしれない「一枚の切符」は、数学の問題文のような味気なさだった。やはり何らかの情動を盛り上げてくれないと面白さがない...
収められているのは1923(大正12)年から1950(昭和25)年にかけての作品で、「推理・謎解き」をテーマとした編集。 純粋な推理小説(謎解きオンリー)なのかもしれない「一枚の切符」は、数学の問題文のような味気なさだった。やはり何らかの情動を盛り上げてくれないと面白さがないと思う。 次の「陰獣」(昭和3年)が傑作。ミステリではあるのだが、SM趣味の性的場面があったり、この時代によくこんなの発禁にならなかったなと感心してしまう。それほど本作は凄い。きっちりとまとまっているし、文学としてなかなか良い出来だと思う。 対して、「黒蜥蜴」(昭和9年)は完全に大衆向け娯楽に舵を切り、昔の紙芝居のような活劇。「怪人二十面相」などと同様のものだ。こういうのは、もういいや、という気になった。これに比べたときに「陰獣」の凄さがいよいよ痛感される。
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江戸川乱歩の短中編5編。 ちょっとした言い回しとか口調とかが多少時代がかっているけれど、今読んでも十分面白い。 一番好きなのは「何者」。友人の屋敷で起きた強盗事件。居合わせた友人の脚を撃ち、金製品ばかりを盗んだ犯人とは。 足跡のトリック、犯人の動機、入れ替わる3人の素人探偵。典...
江戸川乱歩の短中編5編。 ちょっとした言い回しとか口調とかが多少時代がかっているけれど、今読んでも十分面白い。 一番好きなのは「何者」。友人の屋敷で起きた強盗事件。居合わせた友人の脚を撃ち、金製品ばかりを盗んだ犯人とは。 足跡のトリック、犯人の動機、入れ替わる3人の素人探偵。典型的な犯人探しの物語で、ラストのどんでん返しも効いている。 結構映像化&漫画化されてるので読んだ気になっていたけど、そう言えば陰獣も黒蜥蜴もちゃんと読んだことはなかった。 他の作品も読んでみようかな。
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新潮文庫の『江戸川乱歩名作選』に続いて思わずこちらを。2017〜18年にかけて岩波文庫に江戸川乱歩が収録されたのですね〜 知りませんでした。作品集1が在庫切れでしたので2から。 いやー、久しぶりに読んだ『一枚の切符』『何者』も良いですが、これまた久しぶりに読んだ『黒蜥蜴』、良いで...
新潮文庫の『江戸川乱歩名作選』に続いて思わずこちらを。2017〜18年にかけて岩波文庫に江戸川乱歩が収録されたのですね〜 知りませんでした。作品集1が在庫切れでしたので2から。 いやー、久しぶりに読んだ『一枚の切符』『何者』も良いですが、これまた久しぶりに読んだ『黒蜥蜴』、良いですね〜 ストーリーは「お約束」ですべて先が読めてしまうのですが、そこが良い(笑)。まるで活劇を見ているような描写が、子どもの頃に夢中になって読んだ「怪人二十面相・少年探偵」シリーズを、またテレビ朝日の天地茂による明智小五郎シリーズを思い出させてくれ、◎。大いに楽しみました。
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一枚の切符 陰獣 何者 黒蜥蜴 断崖 著者:江戸川乱歩(1894-1965、名張市、小説家) 解説:浜田雄介(1959-、愛知県、日本文学)
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表紙の写真がすごく気になってた。解説の最後にその写真についての話が載っているんだけど、江戸川乱歩と横溝正史が考えた演出がずば抜けてすごかった。流石どんでん返しのプロ。 今回は未読の「一枚の切符」のみ。左右田のヴィジュアル説明は後の明智先生を彷彿させる。推理とは偉そうに言うけれ...
表紙の写真がすごく気になってた。解説の最後にその写真についての話が載っているんだけど、江戸川乱歩と横溝正史が考えた演出がずば抜けてすごかった。流石どんでん返しのプロ。 今回は未読の「一枚の切符」のみ。左右田のヴィジュアル説明は後の明智先生を彷彿させる。推理とは偉そうに言うけれど、空想でしかないというのは、なんだか裏がある気がして仕方ない。その真実さえ実は……?ってことも。
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