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誰でもない の商品レビュー

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2018/05/12
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はじめての韓国文学 “今”をかろうじて生きる人々の切なく、まがまがしいまでの日常(カバー表紙折返し記載文から) かろうじて生きている人たちの8つの物語(短編集) 侘しい、曇天というイメージの物語 でもあまり鬱陶しいとか嫌な感じはなく読める 他の作品も読んでみたいと思いました 私的に一番最後に収録されている「わらわい」が、対人関係の悪いところを沢山、リアルに描かれていて共感、面白かった 語り手の接客業の女性の職場の優秀なマネージャーの教え(理不尽な客が本当に求めているもの=ドゲザとか、行儀よく重ねた手で下腹をぎゅっと押して、何か、人間ではないものがいると思えるようにするとか)が勉強になった(笑) この語り手の女性の行く末が気になる終わり方。大丈夫だったのかしら・・・心配 著者あとがき「日本の読者の皆さんへ」に記載されている 「・・・(略)日常と非日常のいたるところで人々は、自らが「何でもない人」とされる瞬間を味わい、他人が「何でもない人」として扱われる瞬間を見てきました。(略)人間をつまらないものと見なす社会全体の雰囲気が人々のことばに現れているのを目撃することは、どうにも、わびしいことです。」 ということばに激しく同感 (収録作品) ・上京 ・ヤンの未来  (ヤン「嬢」 若い女性の姓の後につける 著者によれば「嬢」とは、重要ではない仕事に動員される女性(略)低廉な賃金労働者、画面の端っこにまぎれこんでいる女性というイメージ) ・上流には猛禽類 ・ミョンシル ・誰が ・誰も行ったことがない ・笑う男 ・わらわい ファン・ジョンウン(黄貞殷) 1976年ソウル生 女性 現在、最も期待される作家

Posted byブクログ