ごまかさない仏教 の商品レビュー
はじめに――宮崎哲弥 序章 仏教とは何か 仏教の不思議 「正典」は何か 釈迦は何語を話していたのか 中村元のバイアス 第一章 仏――ブッダとは何者か 仏伝を読む ブッダは実在したか 仏伝はどのように作られたか 「天上天下唯我独尊」の真意とは 「四門出遊」はよく練られた作り話 なぜ...
はじめに――宮崎哲弥 序章 仏教とは何か 仏教の不思議 「正典」は何か 釈迦は何語を話していたのか 中村元のバイアス 第一章 仏――ブッダとは何者か 仏伝を読む ブッダは実在したか 仏伝はどのように作られたか 「天上天下唯我独尊」の真意とは 「四門出遊」はよく練られた作り話 なぜ苦行では悟れないのか 釈迦はどうやって悟ったのか 釈迦は何を悟ったのか 布施と托鉢の始まり 何のために布施をするのか 梵天勧請(1)――釈迦はエゴイストなのか 梵天勧請(2)――釈迦はなぜ他人を救う決意をしたのか 出家ラッシュの謎 「本山」も「跡継ぎ」もないインターネット形式 阿羅漢ラッシュの謎 釈迦のお葬式は誰がやったのか 諸仏とは何者なのか 第二章 法――釈迦の真意はどこにあるのか 仏教の基本OS 1.縁起 縁起とは何か 「一方向」か「双方向」か 釈迦と龍樹の縁起観の違い アビダルマの縁起説 四縁説の縁起観とは 釈迦は輪廻を認めていたのか 輪廻業報思想と差別 仏教に輪廻は必要なのか 修行と縁起 無明とは何か 善因善果か善因楽果か アングリマーラはなぜ悟れたのか 「悟りワールド」と「輪廻ワールド」 2.苦 苦とは何か 四苦八苦 苦の三つの側面 死に至る病の喩え 一切快楽と常楽我浄 3.無我 無我とは何か 有身見という根本煩悩 アートマンは存在するか 無我説か非我説か 輪廻の主体は何か 自己責任と廻向 4.無常 無常とは何か 三世実有――未来から過去に流れる時間 時間の経過は直接把握できるか 経部と唯識派 龍樹の「空」の理論 第三章 僧――ブッダはいかに教団を運営したか サンガと律 サンガは本当に必要なのか 組織化の功罪 文化維持装置としてのサンガ なぜ日本仏教にサンガがないのか 幻のサンガ復興運動 オウム真理教と律 六本の律の謎 なぜ性行為は禁止なのか 律はどのようにして作られたか 許される殺人はあるのか 「ブッダの殺人」はなぜ伝えられたのか 悟りを証明できるか 大乗仏教の起源の謎 テーラワーダの原理主義化 藤本晃氏の言説が含む問題点 仏教と仏教学、仏教者と仏教学者 おわりに――佐々木閑
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対談形式で初期仏教の基礎を学んだ。 初期仏教が一番偉いとは限らないかもしれないが、やはり日本の仏教はだいぶ違うのだと思った。
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対談本なので話が飛んでごちゃごちゃするかと思いきや、ものすごく構成が明確で、あまり仏教学に縁のなかった身でも良い感じで理解することができた。 特に「法」に関するテーマの対話が圧巻。 仏教が、「私」は仮の存在に過ぎないのにそれを実体を伴う本来的に不変で安定したものである錯覚してしま...
対談本なので話が飛んでごちゃごちゃするかと思いきや、ものすごく構成が明確で、あまり仏教学に縁のなかった身でも良い感じで理解することができた。 特に「法」に関するテーマの対話が圧巻。 仏教が、「私」は仮の存在に過ぎないのにそれを実体を伴う本来的に不変で安定したものである錯覚してしまうことからあらゆる苦が生じることを理解し、全てが流転していく世界の縁起をただしく見ることで苦を回避するための教えであることが良くわかったし、長年の疑問であった、それなのになぜ輪廻や霊魂や他力本願が同じ仏教から出てくるのかという問いに対して、大乗仏教がブッダの説いた初期仏教を反転させてむしろキリスト教に近いほどの超越者であり絶対的な実体である存在(阿弥陀如来)を生み出したものであることが明示されていて、非常に勉強になった。
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碩学佐々木閑と宮崎哲弥両氏の対談本です。 仏教学者の佐々木氏はもちろんですが、宮崎氏の知見も、ものすごいです。 あらゆる文献を縦横無尽に引用しながら、仏教の真実に迫ります。 どのお経が「正典」なのか、「梵天勧請」はなぜ決定的瞬間なのか、釈迦が悟ったのは本当に「十二支縁起」なのか、...
碩学佐々木閑と宮崎哲弥両氏の対談本です。 仏教学者の佐々木氏はもちろんですが、宮崎氏の知見も、ものすごいです。 あらゆる文献を縦横無尽に引用しながら、仏教の真実に迫ります。 どのお経が「正典」なのか、「梵天勧請」はなぜ決定的瞬間なのか、釈迦が悟ったのは本当に「十二支縁起」なのか、日本仏教にはなぜ「サンガ」がないのか、などなど。 「最強の仏教入門」とありますが、これは入門書以上のものです。 よりいっそう仏教への理解が深まりました。 これは仏教に限った話ではありませんが、組織はその維持や発展が自己目的と化したとき、思想を変質させ、人を堕落させます。内部に官僚制度ができあがってしまう。カトリックや共産党なんかが典型的ですが、残念ながら仏教も例外ではない。日本の宗門はいうに及ばず、スリランカやミャンマーのテーラワーダ教団ですら、本来のサンガの形態はフラットなネットワーク型の組織だったはずなのに、いつの間にかヒエラルキーができてしまった。 ー 245ページ
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冒頭にハリラの仏教についての記述を紹介しているが、的確な指摘の連続で、イスラエルの歴史学者がここまで仏教を理解していることに宮崎は驚いているが、私もハリラの分析力に感心した.本論に入ると、宮崎と佐々木の討論が始まるが、宮崎が次々と繰り出す論点に佐々木は冷静に対応しているが、読者か...
冒頭にハリラの仏教についての記述を紹介しているが、的確な指摘の連続で、イスラエルの歴史学者がここまで仏教を理解していることに宮崎は驚いているが、私もハリラの分析力に感心した.本論に入ると、宮崎と佐々木の討論が始まるが、宮崎が次々と繰り出す論点に佐々木は冷静に対応しているが、読者からすると、宮崎の知識の開陳の連続という感じがした.釈迦が実際に述べたことを忠実に伝えているとされる文書はほぼ確定されたようだが、研究は緒に就いたばかりという感じだ.「仏」、「法」まで読んだが、難しい!日本にはびこっている鎌倉仏教との相違点だけを重点的取り上げて欲しい.日本の仏教と釈迦の原点はかなり異なっている感じがする.
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釈迦の本来の教えである上座部仏教と大乗仏教との違いを三宝(仏・法・僧)の観点で対談形式で説明している。大乗仏教の中でも日本の仏教が特異であることがわかった。
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年始くらいに本屋で見掛けて、前書きを読んでその場はそのまま戻したんだけど、どうにも後を引いたんで5月頃にまた手に取って、読了。面白かった!!!!!!! 科学の端くれをやっているもの的には、創作やらテレビでの取り上げなんかから漏れ伝えてくるエッセンスだけ推測して勝手に科学に親和性...
年始くらいに本屋で見掛けて、前書きを読んでその場はそのまま戻したんだけど、どうにも後を引いたんで5月頃にまた手に取って、読了。面白かった!!!!!!! 科学の端くれをやっているもの的には、創作やらテレビでの取り上げなんかから漏れ伝えてくるエッセンスだけ推測して勝手に科学に親和性があるのかなぁ、特に量子論は、等と思っていたが、ちゃんとした整理はしたことなかったので、かなりの鱗が目から落ちた。 実家は浄土真宗のお寺の真横にあり、夏休みのラジオ体操会場になっていたから、その後にお堂で開かれる正信偈の読経とかにも何の違和感もなく参加していて、暗唱くらいできるのだが、浄土真宗どころか、大乗仏教ではなく、釈迦がおこした原初仏教(と推定されるもの)をきちんと、仏教の基本である「仏・法・僧」(仏法僧のちゃんとした意味を初めて知った!!)から仏教を取り巻くキーワード、世界観、信念を丁寧に解説してもらった。たった300ページなのに!!! そのうえで、この本で佐々木さんが指摘しているように、仏教は科学とはまた違った世界観だし、「日本の仏教」というのはほぼ原始仏教とはまったく異なるもの、と言うのも整理できた。 仏法僧のうちの僧をきちんと取り入れられている日本の仏教というのが存在しないし、あやうくオウム真理教(これもタイムリーだった)が一番「仏教らしい日本仏教」になってしまうところだったのか、というか、それが日本での宗教嫌いを加速してしまったのが、何とも皮肉、と言うか、因果なんだろうか。 僕は仏教者として生きて行く気は無いし、実践できるとまったく思わないが、この「思想」が人を救い、生き方に出来るのは理解出来た、つもり。 また読もう。
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それなりに面白かったけど、思ってたのとは違った内容だった。 もっと基本をまんべんなく図解まじえつつ解説してくれる入門的な内容の本が読みたかったので。 とはいえ二人の自説が微妙に違って論争みたいになるところとかは面白かったし、自分の信じる宗教を正当なものとして牽強付会する学者の話と...
それなりに面白かったけど、思ってたのとは違った内容だった。 もっと基本をまんべんなく図解まじえつつ解説してくれる入門的な内容の本が読みたかったので。 とはいえ二人の自説が微妙に違って論争みたいになるところとかは面白かったし、自分の信じる宗教を正当なものとして牽強付会する学者の話とかは興味深かった。知らない世界を知れた本ではある。
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私たち日本人にとって身近にあるはずなのに、日常からは無縁に近い仏教。2人の仏教者による対談を通じて、その基本的な知識を身につけることができます。仏教の創始者はどんな人物だったのか。どんな歴史を辿ったのか。どんな教義なのか。その教えと、その伝承はどのようになされているのか。その疑問...
私たち日本人にとって身近にあるはずなのに、日常からは無縁に近い仏教。2人の仏教者による対談を通じて、その基本的な知識を身につけることができます。仏教の創始者はどんな人物だったのか。どんな歴史を辿ったのか。どんな教義なのか。その教えと、その伝承はどのようになされているのか。その疑問に「仏」「法」「僧」の三宝を中心に整理して理解することができます。入門書として非常に分かりやすく、面白く読ませていただきました。仏教の、他の宗教との違いも考えながら読むことができると思います。2人の考え方の違いから、白熱する議論もあり、この宗教の大きさゆえのいろいろな考え方の広がりを感じることもできました。
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いわゆる葬式仏教ではなく、仏教の根本について一から、仏陀の思想から仏教教団の創設期から学ぶ入門書。 評論家宮崎氏と仏教学者佐々木閑先生の対談本であるが、二人の意見は共感し、補完し、時に相違点を見出す。 普段仏壇に手を合わせながらも、仏壇の奥にしっかりとした仏教という教義があること...
いわゆる葬式仏教ではなく、仏教の根本について一から、仏陀の思想から仏教教団の創設期から学ぶ入門書。 評論家宮崎氏と仏教学者佐々木閑先生の対談本であるが、二人の意見は共感し、補完し、時に相違点を見出す。 普段仏壇に手を合わせながらも、仏壇の奥にしっかりとした仏教という教義があることを思い知らせてくれた。
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