声 の商品レビュー
毎回子供の虐待が取り上げられている気がする。ミステリーだけど、それにとどまらない人間ドラマに引き込まれる。 真夏にクリスマスの本を読んでみたが、涼しくはならなかった。
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5年半越しに読了。今回は10日間で読めました。 エーレンデュルシリーズ。前作2作も読みましたが、既に6年以上前… アイスランドについて、財政破綻したこととアウスゲイルぐらいの知識で読んでいますが、独特の寒さをいつも感じます。なんというか、静かなひんやり感… 今作は特にクリスマス...
5年半越しに読了。今回は10日間で読めました。 エーレンデュルシリーズ。前作2作も読みましたが、既に6年以上前… アイスランドについて、財政破綻したこととアウスゲイルぐらいの知識で読んでいますが、独特の寒さをいつも感じます。なんというか、静かなひんやり感… 今作は特にクリスマスの時期が舞台だからよりそう感じたかもしれません。 サスペンス仕立ての社会派小説。松本清張タイプというか。 展開にはかすかなひとひねりあり。 被害者もかわいそうですが、加害者も気の毒… 金とクスリ…ほんとに辛い。 エーレンデュルの辛い過去についても、少し明らかに。 エーレンデュル父娘、エリンボルクの事件の親子、今回の殺人被害者の家族のこと…が平行して描かれています。 登場人物も魅力的、本当に読み応えアリで、納得の四つ星です。 4作目も持ってるので、早く読みたいてす。
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時に罵り合い、時に掴み掛かり、、、それぞれの家族の複雑な関係が、暗く、悲しく明かされていく。 子牛のなめし革に簡潔に書かれたという、アイスランドの伝承文学〝サーガ”を意識しているという作者らしく、一切の無駄がなく、究極まで削り落とされた文章である。 伏線回収は?と思うような意味の...
時に罵り合い、時に掴み掛かり、、、それぞれの家族の複雑な関係が、暗く、悲しく明かされていく。 子牛のなめし革に簡潔に書かれたという、アイスランドの伝承文学〝サーガ”を意識しているという作者らしく、一切の無駄がなく、究極まで削り落とされた文章である。 伏線回収は?と思うような意味のない登場人物、エピソードの類いがなく、そこがまた読みやすく、シリーズ作品の次が読みたくなる理由である。
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残酷な子供時代 それは、殺された男の過去でもあり、 三作目にして次第に明らかにされる、主人公の弟の失踪当時の状況。 クリスマス前のにぎやかなホテルのざわめきと比較して、サンタの姿で地下で殺された男はなんて静かで寂しい。 心配されて誘われるほど嫌いになるクリスマス休暇、突然、主...
残酷な子供時代 それは、殺された男の過去でもあり、 三作目にして次第に明らかにされる、主人公の弟の失踪当時の状況。 クリスマス前のにぎやかなホテルのざわめきと比較して、サンタの姿で地下で殺された男はなんて静かで寂しい。 心配されて誘われるほど嫌いになるクリスマス休暇、突然、主人公エーデンデュルは事件のホテルに泊まることにする(捜査のためではない)。 「あの時から、私は何かを失ったまま……」 殺された男の子供時代と歯車の狂った人生が次第に明らかになっていくにつれ、エーデンデュルは、弟の失踪から何かが狂ってしまった自分を責めて追い詰めてしまう。 そして、問題を抱えたままのエーデンデュルの娘は、自分なりの方法で父に近づき、捨て得られたわけを探り、自分の子供時代を埋めようとする。 事件そのものとエーデンデュルの物語が交差して、解決後も、あとを引きずる。 お気に入りのこのシリーズ 他のミステリーにあるような組織的な犯罪や派手な事件はなく、こじんまりとしたアイスランドの人々の生活の中で現れる事件そのものを、地道な捜査で解決するスタイル。 前二作もそうだったが、今回も家族、特に父と子の物語。 さらに、なんといってもスパッと明瞭な文章で、どんどん情景が頭に入ってくる。 引き続き「お気に入り」に入れておくことにした。
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エーレンデュル捜査官シリーズの第三弾。 ホテルの小部屋に住み込んでいたドアマンが殺された。 ひっそりと暮らしていた男は、 子供のころ天使のような声、 ボーイ・ソプラノの持ち主だったことがわかる。 2枚だけ作成されたレコードが残っていたが、 そのレコードが動機なのか? どうも物足りなさを感じているのは、 なんだかもっと強烈な北欧ミステリーを読んだことがあるせいかもしれない、 という気がしてきた。 凄惨な殺人現場とか、苛烈な暴力性や、 刑事を含む関係者の破滅的な生活や人生とか。 それらを読みたい訳ではないのだが。 でも、誰にも打ち解けず孤独に暮らしていたかに見えた被害者に、 急に友人らしき人物が登場したり、 というよりかは彼の人物像がどうもよくわからないところや、 ホテルの抱える闇がはっきり描かれなかったり、 同僚が抱えていた児童虐待事件も真相が尻切れトンボになったり、 他にも食い足りなさを感じるところはあるのかも。 そして、情報を提供してくれる元上司との関係もいまいちよくわからない。 一応、エーレンデュルと娘はまだ親密さを取り戻しつつあるし、 過去の弟の遭難事故のことを、 捜査で知り合った研究所助手の女性に離すこともできたし、 話が進んでいる感はあるけど、 もうちょっと面白くなってほしい。 今回面白かったのは、 レコードを集める趣味の世界では、 日本人がネットに情報を載せ、世界中に出向いて買い占めている、 レコード蒐集家の間では有名な話だ、 というくだりかな。
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最初から引き込まれたし、最後少し泣いてしまった。 真犯人が見つかるまでに、関わる人たちの背景が少しづつ明らかになっていくのだけど、恥ずかしい性癖が知られてしまっただけの人もいて気の毒(笑)だった。
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言いたいことは分かった 主人公のトラウマや、娘の葛藤、被害者の試練と哀愁など、書き方はうまい まわりの同僚たちも個性がはっきり出ていてまとまりがよい でもどうも、感情移入しきれないまま終わってしまった 相性かな、作者や訳者との
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海外ミステリーって面白いかどうかは置いといても、まずは読みやすくないと、と思うのですが、この作家の作品は読みやすくていいです。シリーズ第3作目。ホテルの地下で、少年時代、スター歌手だった男性が殺害される事件が発生。謎が面白いわけでもなく、トリックがすごいわけでもないのでわミステリ...
海外ミステリーって面白いかどうかは置いといても、まずは読みやすくないと、と思うのですが、この作家の作品は読みやすくていいです。シリーズ第3作目。ホテルの地下で、少年時代、スター歌手だった男性が殺害される事件が発生。謎が面白いわけでもなく、トリックがすごいわけでもないのでわミステリーとしては可もなく不可もなくというところでしたが、むしろ主人公の刑事をはじめとした周囲の人を巡る家族について問いかける作品でした。全体として落ち着いた作品のためか、なんか寂しくて暗い印象なのが残念なところです。
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訳者あとがきにあったようにミステリでなく社会小説だと思う。今回も家族間の難しい関係が描かれており色々考えさせられました。
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長く積読していた作家さんの三作目。 こちらも二作目同様、深く沁みる家族の物語でした。21世紀の今なら~なのに登場人物の人たちの中では自分が人生の主人公なのに、 抱えてゆくジレンマが多すぎてまたこのような悲劇的なミステリーに。 (北欧ミステリー、あの作品この作品、どうしてこう情けないカッコ悪!だけどカッコいい中年の独り者刑事が多いのでしょう?) この表紙の画像がミスリード? そして二転三転する推測。 たっぷり楽しませて頂けました。
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