人魚姫のごめんねごはん(3) の商品レビュー
人魚姫のお友達弔い海鮮三昧コメディ第三巻。 本巻のネタは、アサリ・カキ、アンコウ、イカ、スズキ、イワシ、カツオ2nd。 サンゴ局長と暇田の仲も進展。暇田と晴海の過去話など、魚がサブの話もいい味を出してきた。二枚貝の回にスズキの回と、食べられてしまえばみんな一緒な感じで、ちょっぴ...
人魚姫のお友達弔い海鮮三昧コメディ第三巻。 本巻のネタは、アサリ・カキ、アンコウ、イカ、スズキ、イワシ、カツオ2nd。 サンゴ局長と暇田の仲も進展。暇田と晴海の過去話など、魚がサブの話もいい味を出してきた。二枚貝の回にスズキの回と、食べられてしまえばみんな一緒な感じで、ちょっぴりサイコだけどいい話?かな。 某ハリウッドスターに追悼がささげられているけど、作者がこういうジャンルがもともと好きでこのブラックさなのか。
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カオスにしてサイコ 元より、食べるって事は、他の生物の命を己の血肉に変える事、つまりは、直接的ではないにしろ、他の生き物の命を奪っている事になる 私達の食生活は、罪に塗れている。だが、食べなければ生きていけない 生きたければ、他の生き物の命を頂く事に感謝し、同時に、罪悪感も噛み砕...
カオスにしてサイコ 元より、食べるって事は、他の生物の命を己の血肉に変える事、つまりは、直接的ではないにしろ、他の生き物の命を奪っている事になる 私達の食生活は、罪に塗れている。だが、食べなければ生きていけない 生きたければ、他の生き物の命を頂く事に感謝し、同時に、罪悪感も噛み砕いていかなければいけないのだ そんなとってつけたような理屈すら、この『人魚姫のごめんねごはん』の前では、呆気なく霞む 同族喰らい、その罪はあまりにも重すぎる。けれど、最早、エラは止まれぬ。むしろ、背徳感を重ねるごとに、彼女の中のモンスターは成長し、更なる美味を求めてしまう 最早、彼女の瞳に映る魚介類は、大切な友達などではなく、最高の調理により旨味を引き出されるのを待つ最高食材だ これほどまでに、エラが美しく、魅力的なのは、やはり、誰にも打ち明けられぬ咎を負い、禁忌を犯し、秘密を隠しているからなのか 吐き気を齎すほどの邪悪でないからこそ、性質が余計に悪い存在ってのは、確かにいるんだ、世の中には 食べられる魚にも罪はない。しかし、まさか、自分がエラに食べられるなんて、予想もしていなかっただろう そんな無辜な彼らだからこそ、エラの舌を満足させるに違いない エラの同族喰らいで霞んでしまいそうになるが、魚や人間らのドラマも何気に厚い 一回目は、さすがにエラのリアクションに目を奪われてしまうだろうが、二回目、三回目となれば、彼らの生き様と逝きっぷりに心が揺らされる 特に、この(3)では、暇田とサンゴの恋模様にも、新たな彩りが足されている。人間と人魚姫の恋は悲しい結末に終わる、それがお約束。でも、良いバカな暇田なら、そんな定説、引っ繰り返してくれる、と期待したい エラはそうじゃないって言うつもりはないが、サンゴはピュアだからな、好きな人と結ばれる、それくらいの当たり前な幸福は掴んでほしい 仲違いってほどではないにしろ、大きな溝が、良と暇田の間にはあったのだ、と判明しているのも、この(3)だ やっぱり、エラの同族喰らいで、彼らの過去話の良さが吹っ飛びそうになっているが、これはこれで、作者の狙い通りなんだろう 感動させておいて、暴力的な笑いに巻き込む、それは確固たる高い実力がなければ、攻めた側が大ダメージを負ってしまうのだから また、作中に、読み手がハラハラしてしまうほどの時事系の小ネタを容赦なく散りばめ、読み手の動揺を誘ってくる点も高評価に値する どの回も、強烈の一言に尽きる。その中でも、印象的だったのは、巨匠、ジョナサン・デミ監督への追悼を籠めた、番外編だ。この『人魚姫のごめんねごはん』に潜む昏い闇は、デミ作品で受けたショックが原点だったのか、と知れば納得である この台詞を引用に選んだのは、強く同意したくなったので。美味しいものを食べている時の女性は、本当に美しい。その美しさが、白米のおかずになるくらいだ。もっとも、エラが美しいのは、美味しい物を食べてる感動に、罪悪感ってスパイスがタップリ効いているからなんだろうけど
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