ごんたくれ の商品レビュー
バラバラだった江戸時代の絵師の知識が繋がって、人物像が肉付けされてストーリーとなり、そういう意味でも嬉しい。 これからは美術館や博物館で彼らの作品に出会っても、親しみを持ってみることが出来ると思うと楽しみでしかない。 この作家の実在する人物の小説もどれも面白く、他作品もオススメ。...
バラバラだった江戸時代の絵師の知識が繋がって、人物像が肉付けされてストーリーとなり、そういう意味でも嬉しい。 これからは美術館や博物館で彼らの作品に出会っても、親しみを持ってみることが出来ると思うと楽しみでしかない。 この作家の実在する人物の小説もどれも面白く、他作品もオススメ。
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一つ前に読んでいた『せき越えぬ』は王道な友情関係だけど、こちらはライバルと言っていいのか、切れぬ縁みたいなものがあって、そんな関係もまたよい。 日本画の知識は全然ないけど、知ってる名前も少しはあって、それもまた興味を惹かれた。 豊蔵と彦太郎のモデルになったという絵師についての本...
一つ前に読んでいた『せき越えぬ』は王道な友情関係だけど、こちらはライバルと言っていいのか、切れぬ縁みたいなものがあって、そんな関係もまたよい。 日本画の知識は全然ないけど、知ってる名前も少しはあって、それもまた興味を惹かれた。 豊蔵と彦太郎のモデルになったという絵師についての本も読んでみたくなった。実際に読むと理解及ばずで読み切れないのに、こうして小説になるとすごく面白くなるのは作家さんの凄さだな。 絵師たちが絵を見て、いろんなことを感じ取って、その感性をなぞらえながら読むのは面白い。 自分で絵を見てもそうやって何かわかればいいのに。 意図せずとも互いに影響されて行き着くところに行き着く。
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解説を読んで、豊蔵と彦太郎は実在しないのだと知り、とても驚いた。二人のみでなく登場人物みなが、生き難さを抱えながらも自分の内なる声に向き合い懸命に生きていく日々と、なぜか気になり魅かれ合ってしまう人と人との関係が、とてもリアルで、時代は違えども、確かに自分も同じ世界に生きていると...
解説を読んで、豊蔵と彦太郎は実在しないのだと知り、とても驚いた。二人のみでなく登場人物みなが、生き難さを抱えながらも自分の内なる声に向き合い懸命に生きていく日々と、なぜか気になり魅かれ合ってしまう人と人との関係が、とてもリアルで、時代は違えども、確かに自分も同じ世界に生きていると思うことができた。 これまで画家や絵師の話はいくつか読んだが、本作は、素人でも目の前に情景がありありと浮かんでくる様がことに素晴らしく、重く暗くなりすぎないバランスも心地良かった。西條奈加さんの本には、いつも夢中になってしまう。
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実在した二人の絵師については全く知らず、他に登場した円山応挙も、名前を聞いたことがある程度… でも、読みながら、応挙の描く絵、豊蔵の描く絵、彦太郎の描く絵、勝手にイメージできてしまう。 作家さんって、すごいなぁ。 絵師として厳しい芸術の道を生きる二人のごんたくれ。 「あらゆる難...
実在した二人の絵師については全く知らず、他に登場した円山応挙も、名前を聞いたことがある程度… でも、読みながら、応挙の描く絵、豊蔵の描く絵、彦太郎の描く絵、勝手にイメージできてしまう。 作家さんって、すごいなぁ。 絵師として厳しい芸術の道を生きる二人のごんたくれ。 「あらゆる難に蝕まれ、嫉妬や恨みや欲にまみれて、それでも人は生き続ける。すべてひっくるめての人間だ 」と作品の中で表現されているが、そんなごんたくれが、とても愛すべき存在に思えた。
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西條奈加さんの小説は、どれも面白くて一気に読んでしまう。 ごんたくれは、絵師の物語。まるで本当に居た人のよう。 職人として求められる絵を描くか、自分の描きたい物を描くか。という視点で、モデルになった絵師の絵を見てみたくなりました。
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歴史に名を連ねる絵師達が生きた、その時代に自分いるかのように錯覚しました。 それぞれの人物が生きて動いている姿を見ているかのよう。 歴史上の人物としてでなく、とても「人間」らしく身近に感じられ、感情移入しながら読みました。
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面と向かえば罵詈雑言を浴びせ合うくせに、互いの作品を通して誰よりも多くを語り合える。 ふたりの絵師の、対極にいるようでいて、心の奥底の本質で響き合う様が、愛おしい。 巻末の解説で、絵師を題材にした傑作時代小説が奇跡的に同時期に刊行された、とあった。 そんな事は知らなかったが、...
面と向かえば罵詈雑言を浴びせ合うくせに、互いの作品を通して誰よりも多くを語り合える。 ふたりの絵師の、対極にいるようでいて、心の奥底の本質で響き合う様が、愛おしい。 巻末の解説で、絵師を題材にした傑作時代小説が奇跡的に同時期に刊行された、とあった。 そんな事は知らなかったが、『若冲』面白かった。 本作も、面白かった。 ので、そこに挙げられていた3冊目も早速「読みたい」本に登録。 虚実とり混ぜて、さまざまな絵師の姿を、さまざまな作品から読むうちに、脳内でジオラマのように世界が立体的に立ち上がってくるような感覚が楽しめる。現在に残る作品で、その世界と現実に繋がる感覚感覚も楽しめる。 面白いなぁ。
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良い意味での腐れ縁みたいな天才ふたりの関係性や、豊蔵と砂絵の師匠との旅暮らし、池大雅らとの交流場面などが良い。 絵を文章で表現する技術に驚く。想像力をいっぱいに働かせて読んだが、モデルとなった絵師たちや、応挙の絵なども機会あればたくさん鑑賞し、その後また読み直してみたい。壮大だっ...
良い意味での腐れ縁みたいな天才ふたりの関係性や、豊蔵と砂絵の師匠との旅暮らし、池大雅らとの交流場面などが良い。 絵を文章で表現する技術に驚く。想像力をいっぱいに働かせて読んだが、モデルとなった絵師たちや、応挙の絵なども機会あればたくさん鑑賞し、その後また読み直してみたい。壮大だった。 音楽の世界、天才たちの世界を文で表した恩田陸さんの「蜜蜂と遠雷」をふと思い出したりもした。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
奇想の画家と呼ばれた曾我蕭白と長沢芦雪をモデルにした日本画をテーマにした本作。 蕭白をモデルにした深山箏白こと豊三と吉村胡雪こと彦太郎。 円山応挙がもてはやされる中でひたすら彼の絵を只の写しと言い切り、彼とは違う道を行く筝白と応挙の弟子であり何かと箏白と争うことになる胡雪。 この時代の絵が好きな人なら、読んでいた楽しくてたまらない多くの画人が登場します。(最愛の若冲も♪) 自分が求める絵とは何なのか、それはどこにあるのか、妻子も師匠も置き去りにして考える胡雪がとても魅力的です。 そして、池太雅、玉蘭夫婦とも親交があり、自らの絵に自信を持って我が道を行く筝白。 実は互いが一番近い場所にいたのではないかと、読みながら思っていました。 美しい絵には魔が宿るような気がするのは、それは画家の魂が込められているのかもしれませんね。 奇想の画家、それは人の苦しみや悲しみと共にあるからそう感じるのかもしれません。
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西條先生作品は、二冊目の拝読なのですが、ま~これも面白かった・・・。 ネタバレになりそうで詳しくは言えないのですが、実在の奇想絵師2人をモデルにした時代小説です。 日本画って面白いのは好き!って思うのに全然詳しくないから勉強になった・・・。
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