旧約聖書続編 スタディ版 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「旧約聖書続編講義」だけだとよく分からない箇所もあったので、別の概説本も併せて買って読んだ。前2世紀ー後1世紀ぐらいの雰囲気が良く伝わってきた。(詳しくないけど)聖書的観念とははっきり違ったギリシア哲学概念が入り込んだのも感じられるし、弾圧や異教の文化的侵略にもまれながら、ユダヤ人知識層が貪欲に知識を吸収しつつ宗教的文章を記したのが分かる。 ユディト記が特に面白かった、伏線というか言葉遊びがめいっぱい詰め込まれていて、緊張感のみなぎる展開だけどコミカルな感じがする。美しい女性が数万の軍を手玉に取って敵将の首一つ持って帰ってくるっていうストーリーだけで面白いけども。 エステル記とかの宮殿物語もロマンがあってわくわくしたし、ベン・シラの書みたいな知恵文学も今でもそのまま通用するような格言が飽きさせない技巧でもって綴られているので、宗教的な説話でありながら読ませる(聞かせる)ためのエンタメが存分に意識されていたていうのがすごいなと思う。
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