江戸庶民の読書と学び の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
江戸時代の写本、出版、貸本についての本で、最初の部分は江戸初期の上流社会の本の貸し借りについて書かれており、いきなり入りにくい本の仕立てになっています。またあとがきにもありますが、中身としてはかなり重複していて、同じ内容が別の賞で何度も取り上げられています。 中盤は庶民の手習いの教科書だった往来物について、結構詳細に書かれています(重複が多いですが)。 三都の町人の識字率が高く、ある程度の教育を受けていたということや、農村でも村役人クラスでも江戸後期にはかなりの識字率だったろうということは他の本でもわかりますが、江戸時代の人口約3000万人超えのほとんどの一般農民の識字率はどうだったのか知りたいと思っていますが、この本の中にヒントがありました。「農業は昼夜暇がないので、諸芸は勿論算数等も学ぶには及ばない、耕作さえ勤めれば、無筆夢算でも役人が役銭を勘定しているので、能書・達算で農業を怠るより、何も知らないほいうがまさる。」村役人は学ぶ必要があると言っていますが、それ以外は不要で、耕作に励んでいればい良い、と言っているようです。やっぱり一般百姓は読み書きそろばんはできなかったんでしょうね。
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