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ロバート・キャパ写真集 の商品レビュー

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11件のお客様レビュー

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2017/12/18

「遂に出た!」と言いたい、伝説のフォトジャーナリスト、ロバート・キャパ(1913~54年)のコンパクトな写真集である。(これまでは大型本しかなかった) 本書に収録されているのは、キャパが20年間に撮影した約7万点のネガから精選された236点で、キャパの名を不動のものにしたスペイン...

「遂に出た!」と言いたい、伝説のフォトジャーナリスト、ロバート・キャパ(1913~54年)のコンパクトな写真集である。(これまでは大型本しかなかった) 本書に収録されているのは、キャパが20年間に撮影した約7万点のネガから精選された236点で、キャパの名を不動のものにしたスペイン内戦コルドバ戦線の「共和国派民兵の死(崩れ落ちる兵士)」(1936年)、第二次世界大戦ノルマンディー上陸作戦の「上陸するアメリカ軍部隊(第一波攻撃)」(1944年)をはじめ、スペイン内戦、第二次世界大戦、日本の中国侵攻、イスラエル独立戦争、インドシナにおけるフランスの戦争、更に、戦場以外の、1930年代のフランス、1947年のスタインベックとのソ連旅行、1948~50年のイスラエル、ヘミングウェイ、ピカソ、マティス、イングリッド・バーグマンらの肖像写真などである。 私はキャパに強く惹かれる一人であるが、その理由は、一つに、私は戦場や紛争地の現実を写真という媒体で世界に広く知らしめるフォトジャーナリズムに関心があり(沢田教一、山本美香、佐藤和孝、長倉洋海、石川文洋ら多数の著書を読んできた)、その手法への一般の認識を高めるためにキャパが大きな役割を果たしたこと、一つに、私の最も好きな書き手のひとりである沢木耕太郎がキャパに強い共感を寄せていること(『キャパの十字架』、『キャパへの追走』も読んだ)、そして、キャパ当人の人生が劇的でありながら、とても人間臭いものであること(半自伝『ちょっとピンぼけ』に詳しい)によるのだが、様々な意味で魅力に溢れたキャパの作品集が、所蔵しやすいサイズで出版されたのは、何とも嬉しい。 帯にも記載されているが、「世界最高の戦争写真家の思い出に」手元に置きたい一冊である。 (2017年12月了)

Posted byブクログ