すべての新聞は「偏って」いる の商品レビュー
この本は日本のメディアについて分析したものだけど,古今東西どんなメディアもそうなんだというのは意識したいよね。 面倒がって広く流布される支配的な情報ばかりに頼るようではいけない。
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とても面白かった。データを提示しての解説はとても分かりやすく、新聞、メディアについて考え直すきっかけとなった。
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メディアは透明な道具ではない。偏向報道を批判する声が大きい現状を著者は牽制する。ヨコのリテラシー論やニコニコバイアスなどネット時代のメディアリテラシーの教科書。その上で「一冊の本に触れただけで自分は目覚めた!と気持ちよくなる」第三者効果についての記述も忘れないようにしたい。
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ちょうど昨日の産経新聞の阿比留瑠比の極限御免という記事で「朝日は自社の慰安婦問題直視を」という記事が載っていました。本書は新聞同士の言及を検索によってカウントしていて産経の朝日への言及数は中央5紙の相互言及の中で飛ぶ抜けていて、それを「産経はかまってちゃん」「産経をスルーする朝日...
ちょうど昨日の産経新聞の阿比留瑠比の極限御免という記事で「朝日は自社の慰安婦問題直視を」という記事が載っていました。本書は新聞同士の言及を検索によってカウントしていて産経の朝日への言及数は中央5紙の相互言及の中で飛ぶ抜けていて、それを「産経はかまってちゃん」「産経をスルーする朝日」と表現しています。まさに新聞はまったくキャラの違う人間同士のリアリティショー。お互いに反目は止めてフェイクニュースに立ち向かうのである、という主張もありますが、本書は「みんな違ってそれでいい」という金子みすずモードかな?つまりメディアにフェイクの反対のトゥルースがある、という思い込みが危険で、みんなそれぞれに「偏って」いてそれをわかって付き合う、というレベルの高い向き合い方を提案している、と思います。そこはちょっと目鱗で、フェイクVSファクトという構図自身がメディアを痛めつけている、という指摘に思えました。でもそれは著者や池上彰みたいな高いメディアリテラシーを育むことが前提になるよな、とため息気分にもなります。各新聞社はそれぞれNIE(ニュースインエデュケーション)運動を推進していますが、それは本当に大切な教育だと改めて思いました。最終章の20のポジ出しはシンプルかつ大切な提言だと思いました。(ちょっとこれ新聞社の仕事?みたいに思った項目もありますが…)デジタル時代の新聞社のキーワードは「中立性」じゃなくて「透明性」と「応答性」。新聞拡販戦争戦争によってこじれ切った新聞社たちがこれを一緒にやるのか?それぞれにやるのか?それともまったくやれないのか?部数がどんどん減っていく新聞の明日はどっちだ?
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
肌感覚で新聞から感じることを各種データで裏付け。データのとり方に問題が無いのが前提ですけど。 雑誌 新聞ダイジェストが無くなったのは、痛い限りです。 新聞社へ応募する人は、いろいろな新聞社へ応募すると思うのですが、各社のバイアスはいったい入社何年目から影響を受けるのか。こんなのも言及して欲しかったです。自分は保守系だから、朝日・毎日は受けなかった、なんて人がいたらご容赦ですけど。 いらないわたしの持論: 新聞とNHKにポリシーは関係あるのか?勧誘員のしつこさじゃないのか?個人的環境だと、読売が一番しつこいです。朝日、日経、東京は勧誘にすら来ませんでした。 P5 「メディアが信用できるとなっては本末転倒」な部分は共感できました。
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偏っていることは悪いことという思い込みや前提があるわけですが、逆に偏ってないということがありうるのか、そう問われると確かに自分自身も自信がないことに気付かされました。自分は偏ってない、自分はフラットな判断ができていると思う人ほど、この本を読んでみることをお薦めします。 新聞...
偏っていることは悪いことという思い込みや前提があるわけですが、逆に偏ってないということがありうるのか、そう問われると確かに自分自身も自信がないことに気付かされました。自分は偏ってない、自分はフラットな判断ができていると思う人ほど、この本を読んでみることをお薦めします。 新聞は読み比べる必要があるというのは以前から耳にします。実際読み比べてみると同じ事件がまるで別物のように感じることがしばしばあります。読み比べる以前に一面で取り上げられるトップニュースが全く違うことが多くて愕然とします。トップニュースが違うと、今、世の中で何が起きているのか認識が全然変わってしまうからです。 この本は、そういう偏りを、感覚的にではなく、データとして我々に見せてくれます。例えば、「組織的な犯罪の処罰及び犯罪収益の規制等に関する法律等の一部改正」が閣議決定された際の社説で、各社がどういう見出しの記事を書いたかが分かります。あるいは各社がどういう有識者を選ぶかも特徴があります。いわゆる有識者も右から左までいろいろなスタンスがありますので、自社に合う意見を言ってくれる有識者を選ぶわけです。 新聞がテーマになっていますが、ネットニュースなどでも同じような状況があることは言うまでもありません。私たちは何かを判断する前に、どうやって情報を収集するか、それが重要な問題です。
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最近日本会議を中心とする保守の活動が活発になり新聞界ではいわゆる左右を代表する新聞同士の戦いをの様相を見せている。では実際に5大新聞が取り扱う記事にはどのような違いがあるのか。それを新聞記事のリサーチにより数値で表し違いを明確にした本である。 荻上チキ氏はデータを駆使した社会分析...
最近日本会議を中心とする保守の活動が活発になり新聞界ではいわゆる左右を代表する新聞同士の戦いをの様相を見せている。では実際に5大新聞が取り扱う記事にはどのような違いがあるのか。それを新聞記事のリサーチにより数値で表し違いを明確にした本である。 荻上チキ氏はデータを駆使した社会分析が得意であり実際この本でも多くのデータを取り扱っている。どちらか一方の立場でカウンターとなって批判を展開するのではなく、冷静な第三者としての視点で分析を進めるので、どちらの側からも納得のいく結果になっていると思うのであるが、いかがであろうか。 ちなみに私は朝日新聞擁護、産経新聞に対しては批判的な立場で読ませていただいた。
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