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日本人のための第一次世界大戦史 の商品レビュー

4.6

14件のお客様レビュー

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2024/09/28

回避しようとして回避できなかった、政治エリートはだれも望まなかった戦争。戦争は本来金にはならないはずで資本家達は皆避けるものである。が馬鹿なメディアと民衆が見る幻想により均衡が削り取られ砂上の楼閣のように脆弱な秩序が生まれる。そして一気に崩れ落ちるようにしてふとしたきっかけで秩序...

回避しようとして回避できなかった、政治エリートはだれも望まなかった戦争。戦争は本来金にはならないはずで資本家達は皆避けるものである。が馬鹿なメディアと民衆が見る幻想により均衡が削り取られ砂上の楼閣のように脆弱な秩序が生まれる。そして一気に崩れ落ちるようにしてふとしたきっかけで秩序が崩壊し戦争が起きる。 ちょっとした野心と希望的観測、不運にも局地では双方に戦勝があったために長引いたが、そういった情報が助燃剤となり感情とともに燃え上がり戦争遂行の動力となったんだと思われる。 大戦史とあるが、有名どころの戦闘のみに押さえて各国をとりまく背景を描くことに力を入れている。そういう意味で世界史そのものである。日本も参戦しているのでよく出てくるがこの振る舞いが各国にどう見えていたのたかというのが書かれるので、第二次大戦ばかりに着目してなぜ二度目が起きて敗者側になってしまったかを考えるにはこの本を読んで漠然とした戦争批判だけでなく連綿とした歴史のつながりを理解する必要がある。そう思わせてくれる本である。 面白かったのは戦争に投資家が反対していた、すぐ終わると思っていたとあったがちゃっかりそのうらで儲けているものもいたので、意図せずともそういう危機において歯を食いしばって動ける人間が金持ちになるんだなという示唆もえた(笑)

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2022/11/04

日清→日露→第一次世界大戦→第二次世界大戦と繋がっているのだが、第一次世界大戦はどうしても馴染みが薄く、私の中でポッカリと期間が空いていた。この本はヨーロッパ、アメリカ、日本、中国などそれぞれの視点で、総括的に解説してくれているのでとてもわかりやすく、第一次世界大戦のみならず日露...

日清→日露→第一次世界大戦→第二次世界大戦と繋がっているのだが、第一次世界大戦はどうしても馴染みが薄く、私の中でポッカリと期間が空いていた。この本はヨーロッパ、アメリカ、日本、中国などそれぞれの視点で、総括的に解説してくれているのでとてもわかりやすく、第一次世界大戦のみならず日露・第二次世界大戦についても自ずと解像度が上がった。

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2022/06/08

最も印象に残ったことは、 『これだけ緊密に経済と人材が関係しているから、どこかで誰かが手打ちするだろう。全面戦争になると思っていなかった』 という点。 まさに、現代と同じではないか。 経済が絡みついていても、思惑が食い違って戦争に発展する様は、充分に起こりうる。

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2021/10/06

コテンラジオ本編で珍しく書籍名を挙げておすすめしていたので、手に取ってみました。確かに前半の第一次大戦勃発までの通信技術や戦艦の発展、鉄道網の整備による兵站の充実といったバックグラウンドは、高校歴史の授業ではあまり触れられない点。だけど、俯瞰的にこの大戦の成り立ちを理解する上では...

コテンラジオ本編で珍しく書籍名を挙げておすすめしていたので、手に取ってみました。確かに前半の第一次大戦勃発までの通信技術や戦艦の発展、鉄道網の整備による兵站の充実といったバックグラウンドは、高校歴史の授業ではあまり触れられない点。だけど、俯瞰的にこの大戦の成り立ちを理解する上では、非常に大切なトピックだと感じましたね。 そもそも、第一次より第二次が世界大戦といった感覚は、日本的なもので欧州ではむしろ逆といったコメントですが、主戦場が欧州でこの総力戦の被害規模を考えるとさもありあん。塹壕戦の悲惨さだとか、潜水艦無差別作戦での海上封鎖による民間人の食料難→飢餓など、第二次大戦のホロコーストとはまた違った残酷さがありありと浮かんでくる。 今の世は本当に平和なのか、米中関係やアフガニスタンの情勢、コロナ禍からの物資高騰、中国のバブル崩壊など一歩どこかが崩れれば化けの皮が剝がれてしまうのでは、といった焦燥感もある一方、このような歴史は繰り返すべきではなくどういったマインドが今後の現代人たる私に求めれれるのかを予測、定義していく糧できるよう思索にふけってみたりする。 非常に丁寧に各要素を解説してくれ、その時日本はどうだったかの説明も随所に盛り込んでくれており、その点は日本人にとっての第一次世界大戦を理解するのにエッセンスとして効いております、勝戦国は三国同盟?あれ?連合どっちだっけといった私レベルでも楽しく読めたので、一からの復讐したいといった方にもぜひおすすめです。

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2021/03/07

第一次世界大戦に至る国際関係とテクノロジーの関係性、対戦中の流れが1冊に整理されている。 第一次世界大戦の全体像に、初めて触れようと思って手に取って、ちょうど良かった。

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2020/07/04

世界史的に見て第一次世界大戦はどう位置付けることができるのか、全13章73話から成る本書は、大戦前のグローバリゼーションの進展、国民国家意識の高まり、兵器産業をはじめとする新しい産業の勃興、第0次世界大戦としての「日露戦争」などの前半の叙述を経て、後半は第一次世界大戦勃発から終戦...

世界史的に見て第一次世界大戦はどう位置付けることができるのか、全13章73話から成る本書は、大戦前のグローバリゼーションの進展、国民国家意識の高まり、兵器産業をはじめとする新しい産業の勃興、第0次世界大戦としての「日露戦争」などの前半の叙述を経て、後半は第一次世界大戦勃発から終戦後までが詳細に記述される。 第一次世界大戦はとにかく長い戦争であり、その間にいくつもの有名な戦闘などがあり、それらが全体の流れのなかでどのように位置付けられるかはなかなか難しいところがある(もちろん、第二次世界大戦も同様の面がある)。しかし、本書はそうした個々の戦闘などもやや詳細に叙述し、全体像がイメージしやすいように書かれている。また筆者の専門分野である金融史の角度から当時の国際的な金融市場の動向なども加えられ、立体的な大戦像を浮かび上がらせることに成功しているだろう。 第一次世界大戦が現代の諸課題に直結する面を多く含んでいることも重要だ。普通、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間の時期を「戦間期」と呼ぶのだが、両大戦を一括りに考えれば、現代という時代は長い「戦後」であり、もしかすると次の大戦との「戦間期」なのかもしれない。 *基本「ですます」で書かれているが、時々「である」調がはさまるのは何かの効果を狙ったものだろうか? 違和感を感じた。また誤植も目立つ。『エコノミスト』連載原稿が元であれば、単行本にする際に校正はもっとしっかりとして欲しいと思う。 **映画の話の挿入がしばしばある。第一次世界大戦のイメージをつかむために有益だろう。

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2020/12/22

200422第一次世界大戦史☆☆☆読了 1.歴史は「事実の羅列」ではなく、「必然の解明」「なぜ?」に応える 英雄個人の物語だけではなく、「組織の論理・決定・実行」のプロセスを問う。 2.数字のdataが不可欠 証明  特に「おカネ」は本質 exケインズ「平和の経済的帰結」債権債務...

200422第一次世界大戦史☆☆☆読了 1.歴史は「事実の羅列」ではなく、「必然の解明」「なぜ?」に応える 英雄個人の物語だけではなく、「組織の論理・決定・実行」のプロセスを問う。 2.数字のdataが不可欠 証明  特に「おカネ」は本質 exケインズ「平和の経済的帰結」債権債務のリアル(378) 2.当時の政治キーパーソンに「戦争への確信」はない  意図せざる世界戦争へ 戦争準備は開戦を必然にする 3.技術革新が戦争を大規模化した  戦死者・軍事費の巨大化→世界大戦へ  「イノベーションの塊」それが戦争の規模を拡大し、犠牲者を増やした  ヨーロッパは第二次世界大戦より犠牲が多かった!  輸送 鉄道と船舶 情報 電信   プロシア参謀本部  大モルトケの軍事革命(49) 一般兵役義務  4「大きなミス」は致命傷 局地戦ではなく、戦略のミスで国家は滅ぶ  組織はみな同じ トップのミス  (1)戦線の膠着 新兵器 決断なき戦争継続 誰も終戦を提起できなかった (2)「ドイツの賠償金」ケインズ 「連合国の債権債務」Data(378)   平和の経済的帰結 感情論ではなく、Dataに基づく「経済合理性」   ヒトラーナチスの擡頭・第二次世界大戦という高過ぎる代償を払った (3)制度の欠陥は戦時に現れる 統帥権独立 (4)世論=大衆・マスコミの暴走 5.日本参戦 1915年「対華21ヵ条要求」が日本を誤らせ、滅亡へ  「戦略の誤り」は取り返しが効かない 満洲・華北・日中戦争  大隈重信首相 加藤高明外相 →袁世凱へ強気の通告  マル秘条項 第五項 米英の反発  ⇒山縣有朋元老が反発 取り下げを命じた、時既に遅し  「失敗の本質」として分析されるべき    失敗の本質には「個人」が紐付いている 日本のリーダーは責任なし無答責 日本の国家統治はガラパゴス 世界標準の意識が欠落 現代も同じ 6.ツキュディデスの罠 覇権国←勃興国①利益②名誉

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2019/07/07

日本では馴染みの薄い第一次大戦についての貴重な入門書。外交や戦略・戦術だけではなく、兵器産業、経済、ケインズ、スペイン風邪など関連することが、19世紀後半にまで遡って網羅されている。出口治明氏が「読み物としても楽しめる『広辞苑』のような入門書」と評していて、まさにその通りだった。...

日本では馴染みの薄い第一次大戦についての貴重な入門書。外交や戦略・戦術だけではなく、兵器産業、経済、ケインズ、スペイン風邪など関連することが、19世紀後半にまで遡って網羅されている。出口治明氏が「読み物としても楽しめる『広辞苑』のような入門書」と評していて、まさにその通りだった。手許において、気になった時に気になった箇所を再読したい。 https://www.weekly-economist.com/20171205pickup1/

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2019/01/26

「はじめに」に書いてあるけど、御多分に洩れずわたしも、第一次世界大戦に関する知識が浅い。と言うかほぼない。ドイツが負けてハイパーインフレになったんでしょ程度。なんとなくそれも、と言うことで購入。 背景から戦後まで一通り分かる本になってて、素人が読むには十分。 金融の方が書いた本...

「はじめに」に書いてあるけど、御多分に洩れずわたしも、第一次世界大戦に関する知識が浅い。と言うかほぼない。ドイツが負けてハイパーインフレになったんでしょ程度。なんとなくそれも、と言うことで購入。 背景から戦後まで一通り分かる本になってて、素人が読むには十分。 金融の方が書いた本らしく、経済に関する記載が詳しいのは良い視点だった。変遷を後追いするだけでなく、その時のデータを並べると、結果が理解しやすくなる。 第一次世界大戦を通じて、技術がとてつもなく進歩したこと、経済の捉え方が大きく変化したこと、そして各国が社会の過渡についていけなくなっていった様子が、とっても分かりやすかった。 地政学的な関係について、現代の世界を形成する基礎について理解できる本。 〜〜〜 出版物として、しょうもない日本語ミスの連発はやめてくれ。 内容が面白いだけに、完全な編集ミスは本当に心折れそうになった。

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2019/01/07

第一次世界大戦の時代背景と現代は通ずるところがあるのではないかと興味を持っていて、この本では大戦に至る技術的、政治的な経緯が丁寧に解説されており、個人的にはとても良い一冊でした。

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