元家裁調査官が提案する 面会交流はこう交渉する の商品レビュー
離婚するときもめるのが子供を別れる配偶者に会わせるのかということ。同居する親はとかく感情的になり会わせたがらない傾向がある。 一方、子供と別居した親はそうした態度を許せず、さらに硬化したり、ときには絶望して自殺してしまうケースだってある。調査官の調査結果に感謝する人もいるが、大抵...
離婚するときもめるのが子供を別れる配偶者に会わせるのかということ。同居する親はとかく感情的になり会わせたがらない傾向がある。 一方、子供と別居した親はそうした態度を許せず、さらに硬化したり、ときには絶望して自殺してしまうケースだってある。調査官の調査結果に感謝する人もいるが、大抵は「なぜこんなに上っ面なことしか書けないのか」とガッカリしている人が大半だ。 私はこれまで両者からの聞き取りをしてきたが、どちらかというと後者からの聞き取りが多い。それもあって、調査官の仕事は同居親目線の旧態依然のものという印象があった。 しかし、この本の著者である小泉道子さんの考えていることは違う。調査官向けのノウハウというか事例てんこ盛りのアドバイス集という体裁をとってはいるが、面会交流はさせるべきという強い信念が感じられる。 日本の制度の遅れや不備を単に否定するのではなく、与えられた環境の中でどう行動していけば良いのか。敵対しあう二人をどのように説得していくのか。これまでにさまざまな修羅場をみて、どのように判断したらいいのか。身の引き裂かれることも多かったことだろう。 単に話を聞いて文章表現をするだけの私とは、責任の重さが違う。調査官という仕事を見直した。
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