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情報リテラシーのための図書館 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2022/09/28
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根本彰著『情報リテラシーのための図書館-日本の教育制度と図書館の改革』(みすず書房) 2017.12.1第1刷発行 2022.9.26読了  情報リテラシーとコンピュータリテラシーを混同している人向けに書かれた本と推察するが、思いつくままに書きだしたのかと疑いたくなるほど、読みにくい。論理展開の整序について工夫すべき点があるのではないかと感じた。  なお、本書の本旨は、従来の教育課程では情報リテラシーの習得が必ずしも重要視されてこなかったことを指摘し、今後の教育改革においては、情報リテラシー教育の充実と情報リテラシーを推進する装置としての図書館改革を同時に進めていく必要がある、というものである。  明治期以降、黙読と暗記を中心とした教育課程に収斂していったとあるが、その理由について本書は詳しく述べていない。  図書館を含めた教育機関が思想善道の一翼を担っていた歴史を考えると、むしろ、この国は市民が批判的思考を持つことを嫌悪しているのかもしれない。近代初期にみられた立身出世の風潮は例外として、立憲君主制というタガが嵌められている以上、批判的思考が育たないのも無理からぬことだろう。集団主義的適応能力が美徳とされる日本において、情報リテラシーは食い合わせが悪いのである。 【目次】 はしがき 第1章 「エウリディケを冥界から連れ出すオルフェウス」  1 コローの絵のオリジナルを求めて  2 絵画検索のための情報リテラシー 第2章 読書大国からネット社会へ  1 リテラシーと情報リテラシー  2 読書感想文と自由研究  3 フロー情報とストック情報 第3章 情報リテラシー教育の必要性  1 ネットを使いこなす?  2 情報リテラシーの過程  3 日本における情報リテラシーの課題 第4章 文化史的背景  1 日本人のリテラシー  2 武士の学びと庶民の学び  3 文字社会の形成と民衆読書  4 文庫と知のネットワーク 第5章 近代文字社会における図書館  1 近代における学びの変遷と読書  2 明治・大正における図書館  3 昭和期の図書館 第6章 図書館と図書館員  1 図書館の昔と今  2 図書館の基本的な業務  3 日本の図書館員の資格制度のあり方  4 アメリカの図書館職 第7章 図書館と博物館を比較する  1 専門職の社会学  2 博物館法と図書館法  3 資格と養成 第8章 大学入試改革と学習方法・カリキュラム  1 近づいている大学入試改革  2 欧米の学校における学び  3 情報リテラシーのための図書館 第9章 情報リテラシーの回路  1 ふたたび、図書館員のイメージ  2 リテラシー、情報リテラシー、高次リテラシー  3 インフラとしてのデジタル情報ネットワーク  4 情報リテラシー装置を使いこなせたか 引用/参考文献 索引

Posted byブクログ

2018/04/17

図書館司書資格の取得の過程でよく耳にする「中小レポート」や「志民の図書館」、これらは50年近く前に書かれたものだが、今の図書館にはこの本こそまさに「図書館員のバイブル」と言えるのでは無いだろうか。

Posted byブクログ

2018/03/12

日本の特に図書館業界において混同されがちなコンピュータリテラシーと情報リテラシーは別物であるという点を強く打ち出しつつ、後者について広く日本の教育制度という視点から様々な例を引いて、その必要性を説く。

Posted byブクログ

2017/12/29

自分で今使うべき情報の大枠を把握し、評価しながらそれを活用する能力、情報リテラシー。情報リテラシーの重要性を日本人の学習の歴史や図書館史と絡めて解説した図書。 既成の知識を確認する教育から、自ら知識を作り出していけるような教育の改革が始まっている今、図書館の重要性は増しているよう...

自分で今使うべき情報の大枠を把握し、評価しながらそれを活用する能力、情報リテラシー。情報リテラシーの重要性を日本人の学習の歴史や図書館史と絡めて解説した図書。 既成の知識を確認する教育から、自ら知識を作り出していけるような教育の改革が始まっている今、図書館の重要性は増しているようだ。 図書館司書の専門性の話も出ている。司書を専門職と述べるのが少し難しい状況……。この時代に図書館が生き残って行くためには枠組み等、考え続けなければいけないねー。

Posted byブクログ