おにぎりと日本人 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
おにぎりに関する知識を得たかったので読んでみたが、あまり興味深い内容もなくそうだろうなぁくらいの印象。 おにぎりと言えば?という質問をされ三角形以外のものを思い浮かべる人が多かったことが意外だったくらいか。 おにぎりは人と人とを結ぶのだ
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”おにぎりは、日本の歴史であり、風土そのものである” おにぎりについて、歴史・宗教・地域・海外との比較・バリエーション・現代での位置付けなど、多角的に考察されている。 以下、面白いと思った記述 ・古代の日本では、おにぎりが宗教的儀式に使われていた形跡がある。(化石化して発掘さ...
”おにぎりは、日本の歴史であり、風土そのものである” おにぎりについて、歴史・宗教・地域・海外との比較・バリエーション・現代での位置付けなど、多角的に考察されている。 以下、面白いと思った記述 ・古代の日本では、おにぎりが宗教的儀式に使われていた形跡がある。(化石化して発掘される、おむすびの「むすび」は神聖な意味がある。三角形は神道において信仰対象である山を表す) ・戦国時代、江戸時代、そして大戦期にも、戦闘食といて重宝されていた(携帯でき、エネルギー効率が良い) ・外国人は、主に日本のアニメでその存在を知る ・地域ごと形状に差がある(東北地方→焼きおにぎりにするため、太鼓型が多い。関西地方→芸能鑑賞時に弁当として箸で食べるため、小型の俵型が多い)
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普段食べていたおにぎりについて考えさせられた本。 おにぎりの神話性、戦闘食としての背景、形の地域性、具材の変遷、おにぎりが作る人間関係、近隣諸国でのおにぎり文化など
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本書を紐解いた理由は2つ。 (1)本書は、明確におにぎりの起源を弥生時代であると書いているが、以前読んだ「おにぎりの文化史」では、遺物鑑定により最古のおにぎりは6世紀であると書いていた。どちらが正しいか。 (2)「文化史」でも本書と同様、中国・韓国では「冷や米を嫌うためにおにぎり...
本書を紐解いた理由は2つ。 (1)本書は、明確におにぎりの起源を弥生時代であると書いているが、以前読んだ「おにぎりの文化史」では、遺物鑑定により最古のおにぎりは6世紀であると書いていた。どちらが正しいか。 (2)「文化史」でも本書と同様、中国・韓国では「冷や米を嫌うためにおにぎりは無い」としていた。では、韓国のキムパブや中国のちまきはどう説明するのか疑問だった。解説しているだろうか。 (1)について 著者の肩書は大学の先生のほか、コンテンツツーリズム学会会長、文化経済学会理事長という社会学系の人だった。よって、歴史部分は厳密ではない。この新書刊行段階で、既に2014年の横浜市歴史博物館「大おにぎり展」は終了していて、著者はそれを観覧しているか、図録をチェックしているはずなのに、後の参考文献の中には入っていない。それは、「大おにぎり展」が最古のおにぎりを、石川県杉谷チャノバタケ遺跡(弥生時代中期–後期)出土の炭化した蒸した米の塊(円錐形)に求めず、古墳時代横浜市北川表の上遺跡(6C)出土の竹籠の中に入った明確に食べるためのご飯の塊に求めたからであろう。著者がチャバタケを最古のおにぎりとする根拠は、これが「日本最古のものとされる場合が多い」という何かの本に書いていることを鵜呑みにしたからに過ぎない。お供えものであったことにも言及している。私もむしろ、チャバタケは現代も厳かな神事に供えられる円錐形ご飯だったと思う。「大おにぎり展」では、おにぎりであるためには、握った後にばらけないことが必要であるとする。そうなると、弥生晩期以前の「ご飯」では無理なのだ。うるち米が普及するのは、古墳時代になってからである。私は3-4世紀に最古のおにぎりがあった可能性はあるとは思うが、現物証拠として6世紀を最古のおにぎりとする方を支持する。 もっとも、現在まで続く、ご飯の塊を「聖なるもの」とする感覚は、中国や韓国ではうるち米が普及していたのに「冷めたご飯は食べない」という習慣が根付いたのに対して、日本では早くから「冷めたご飯の携帯食糧」が普及したことと関係するかもしれない。 (2)について キムパブやチマキについては、こちらの方が詳しく書いていた。 韓国のキムパブ(海苔飯)は、朝鮮合併時に日本の海苔巻きが輸入されてアレンジされたものらしい。現代も家庭料理というよりは、海苔が主役の屋台料理である。オカズに近い。また、チュモクパブというおにぎりそっくりさんも16世紀にはあった。文禄・慶長の役で李舜臣が採用した戦闘食らしい。しかし、貧しさの象徴として伝わったらしい。 中国にはファントゥアンという飯団子があるらしいが、これも具が主役でご飯は脇役になっている。チマキは広く定着しているが、日本同様チマキとおにぎりは全く別の食べ物である。 韓国は中国の影響を大きく受けているので、中国のおにぎり鑑が重要だろう。現代中国人におにぎりの嫌がる理由を聞くと主に2点あると言う。 1. 素手で触ることの生理的抵抗感。しかしこれは「中国人が特殊なのではない。私たち日本人が特殊なのだ」手食は衛生環境が良い日本ならではの習慣なのか。 2. 油料理が多い中国では冷めたものは不味くなり嫌われる。もしかしたら逆かもしれない。もともと体を冷やすことを避けたから(「冷えを嫌う」)熱々が発展したのかも。 (3)その他気がついたこと おにぎりは戦場携帯食糧として普及した。しかし、外国は麦のパンがある。古代日本にも麦は輸入されている。何故日本では麦食品が広まなかったのか?←それは日本人のお米に対する執着が大きいからだろう。 アニメ「千と千尋」において、ハクから千尋に渡される食べ物はおにぎりだった。これは「むすひ」の食べ物だったからという解釈もある。 おにぎりの形が全国的に三角形に統一されたのは、1978年セブンイレブンが三角おにぎりを発売して以降らしい。地域では、いろんな形がある。「一〇〇年前の女の子」において、大正時代の小学校修学旅行に、東京三越デパートで出てきた特別弁当には「白いご飯が俵の形で並んでいた」とある。あとは玉子焼きと焼き魚だった。東京でさえ、三角おにぎりは採用されていなかったのである。そう言えば、岡山県津山市の老舗のコンビニ「つるや」には、今でも海苔をぐるりと巻いた「まん丸のおにぎり」が人気である。
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おにぎりにまつわる不思議を解説している一冊。 日本の食文化として当たり前の存在と考えていたおにぎりですが、それは軽率でした。 おにぎりが持つ合理性、宗教性、地域性、そして可能性が綴られています。 おにぎりが語るのは、日本が手食文化を残すことと冷や飯を嫌わない民族性であることです。...
おにぎりにまつわる不思議を解説している一冊。 日本の食文化として当たり前の存在と考えていたおにぎりですが、それは軽率でした。 おにぎりが持つ合理性、宗教性、地域性、そして可能性が綴られています。 おにぎりが語るのは、日本が手食文化を残すことと冷や飯を嫌わない民族性であることです。 米食が一般的なアジア圏の多くでは冷や飯を基本好まず、箸を使わない食べ方を嫌悪する地域もあるようです。 中国は世界で最も早く手食文化を廃した文明なので、手で作り手で食べるおにぎりには特に抵抗があって然るべきなのでしょう。 麦も生産していた日本で米がここまで重用される理由は多くの謎を残しますが、本書には日本人が単純に米を愛しているからではないかと記述されています。 そして今に至り、コンビニエンスストアによって国内と海外に様々な形のおにぎりが進出しています。 元々は地域それぞれ家庭それぞれの作り方と味があったものがコンビニエンスストアによって一度は少ないレパートリーに統合され、そして今度は様々な具材の可能性が探られています。 ツナマヨはその先駆けであり間違いなく美味しいという事実、この探究をやめてはいけませんね。 おにぎりの神髄は手作りにあるということで、巻末に美味しい作り方が紹介されています。 今は手作りよりもコンビニエンスストアのように衛生的なおにぎりを好む方が多いようですが、著者が言うように身内の手作りさえ毛嫌いするような世の中にはなってほしくないなと思いました。
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●中国のおにぎりは具が主役 ●東北地方には焼おにぎりが多い ●世界で現地化したおにぎり 等々、おにぎりのトリビアを知ることが出来る一冊
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「おにぎり」 それは日本のファストフードと言えます。日本にしか無いらしいです。 韓国には少し似たものがあるようですが、これは日本の影響を受けて いるとか。 中国に至っては、冷たいご飯を固めた食べ物なんて貧しい人の食べ物 という感想を抱くらしいです。 そんな「おにぎり」はいつか...
「おにぎり」 それは日本のファストフードと言えます。日本にしか無いらしいです。 韓国には少し似たものがあるようですが、これは日本の影響を受けて いるとか。 中国に至っては、冷たいご飯を固めた食べ物なんて貧しい人の食べ物 という感想を抱くらしいです。 そんな「おにぎり」はいつから日本人の心の食べ物になったのか。 「コンビニの影響?」 いやいやそんな訳はないです。 お米の栽培が始まった弥生時代からすでに始まっていたと言われています。 そんな当たり前の食べ物である「おにぎり」を研究尽くした本です。
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日本人のソウルフード「おにぎり」の歴史や文化等、謎を探る。 第1章 おにぎりの歴史・・・弥生稀代の儀式から戦乱、コンビニへ 第2章 日本文化としてのおにぎり・・・世界での立場、アニメの影響 第3章 おにぎりと地域性・・・呼称、形状の違い、具等の違い 第4章 おにぎりの未来・・・日...
日本人のソウルフード「おにぎり」の歴史や文化等、謎を探る。 第1章 おにぎりの歴史・・・弥生稀代の儀式から戦乱、コンビニへ 第2章 日本文化としてのおにぎり・・・世界での立場、アニメの影響 第3章 おにぎりと地域性・・・呼称、形状の違い、具等の違い 第4章 おにぎりの未来・・・日々、新しいおにぎりが生まれる 参考文献有り。 おにぎり一つで内容がたっぷり、おなか一杯になる本です。 何故おにぎりが日本の長い歴史の中でこれだけ食べられるように なったのか、儀式や戦乱と米の関係は、そしてコンビニおにぎりの 出現とツナマヨの登場!アニメで世界進出というのも納得。 面白いし、読み易いのでさくさくと読めました。
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読んだ価値あったといえる。このテーマの本は滅多にお目にかかれない。データと考察で納得感の強い内容になっていてやや学術的。であってどこかアットホームな雰囲気。おにぎりの歴史を考えるのは貴重な資料と言える。
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しみじみと日本らしさがつまった食べ物なんだなって実感しました。 いろいろなおにぎりを食べてみたくもなりました。
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